萌えてばかりもいられない!

そんなに色々なことにやたらと深い造詣などいだけないから適当に綴っていこうかしらん

三谷幸喜著「三谷幸喜のありふれた生活」

2006-12-10 06:21:46 | 推薦します!
最近本を読むことがとても少なくなった。
原因の一つは通勤が”主に電車” から”主にバイク”に変わったからだ。
買ってあって途中で止まっている本が多いだけでなく、最近はとうとう本屋に行く機会まで滅法少なくなっている。

今住んでいる家には廊下に書棚のようにして使っている据付の場所があって、その中に以前に購入した漫画・地図・小説・ガイドブック・育児書・コラム集などがおいてあって、よくトイレに入る前にそこから漫画を1冊もって行っている程度のお付き合いになってきていた。
本を読まない・読めない人生ってはやはりどこか勿体ない、とは思っていたのだ。



その書棚の中にあるコラム集は基本は家内のもの。
松尾スズキさん、宮藤官九郎さんなどの大人計画の人のコラムの中に、脚本家であり監督である三谷幸喜さんのコラム「三谷幸喜のありふれた生活」があった。
家内に貸してもらい、通勤が電車の時に貪るようにして読んでいる。

時期はちょうど「ラヂオの時間」の後で、「オケピ!」、「みんなのいえ」を撮り終えた辺りの時期のもの。

特に、みんなのいえでの主演、田中直樹さんに対するコラムには強く胸を打たれた。

ガキの使いでドッキリに遭い、カメラの前で泣きじゃくる田中さんを見て、『いつかこの純粋な人と仕事がしてみたい』と三谷監督は思っていたのだそうだ。
そして「みんなのいえ」の完成試写会に田中さんの後ろでそっと彼を観察していると、彼は自分が出ていない場面で嗚咽をもらして泣いていたのだそうだ。公開初日にも立ち見の観客の中にも田中さんがいて、また泣いていたのだそうだ。滅茶苦茶作品に感情移入しながら観ている田中さんをみて、『やっぱりこの人と仕事が出来てよかった。』という感情を吐露するコラムがとっても好きだ。

他にも短いながらも一つ一つのコラムに、生粋の物書きのセンスを窺わせる文章が目白押しです。脚本を書く・映画の監督を務め上げたことのあるという人の人生の一コマを堪能できます。

三谷幸喜さんに興味のおありの方は是非ご一読あれ!




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