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孤高か独善か

2007-10-17 21:29:54 | 展示準備2007年10月
Arakawa003


今日は朝から好い天気で、久々に部屋の掃除をし、たまった洗濯物を片付け、布団を軽く天日に当ててから出かける。



まず、打ち合わせなければならないこともあったので、ほてほてと撮影しながら表参道画廊へ向かった。スタッフの方と展示についての細部を詰めた後、和久井恭子 + 碓井ゆい展を鑑賞する。



あまりネタばれになるようなことはかけないという口実で、いつものように自分自身の印象を語るにとどめるが、それにしても久々に衝撃を受けた展示だった。正直、最初はいささか否定的な印象すら持ったものの、鑑賞している間にどんどん印象が変わってゆき、最後には「とても心地のよい居心地の悪さ」に包まれていた。



基本的に平面作品とインスタレーションという分担で制作したそうなのだが、比較的分担がはっきりしていながらも両者の個性が高度にマッチングしていて、作品としての面白さをよりいっそう高めていると思う。



まぁ、経験の少ない鑑賞者にとってはいささかタフな作品かもしれないが、あえてそのように作品を構成した点を高く評価したい。また、現代美術においてもわかりやすさを過剰に求められる昨今の情勢を考えると、作家氏たちの決断と勇気をたたえたいとも思う。



もちろん、ちょっと理屈さえこねれば「なんでもアートになってしまう現代美術の世界」において、作家が作品のわかりやすさに対する配慮を放棄することは、ややもすれば独善に陥りかねない危うさを秘めているという指摘はそれなりの説得力を持つ。また、現代美術の文脈やモードにのみ依拠した作品が、現代美術そのものの敷居を高くしているという批判もある。



ただ、わかりやすいということはすなわち「旧来の価値観の枠内へ作品を収める」ということでもあり、やはりそれまでの価値体系から逸脱した作品や、旧来の価値体系に収まらない作家を積極的に評価したい。それになにより、この作品には作家たち自身の美意識や感覚が色濃く反映されており、自分は作品に反映された美意識や感覚そのものを評価したいとも思うのだ。



なにはともあれ、鑑賞して驚いて欲しい作品だと思う。
なにしろ、正真正銘、紛れも無く「一回性の繰り返し不能な作品」でありながら、アウラを全然感じさせないという、非常に自分好みの作品なのだから。


和久井恭子 + 碓井ゆい 展
会場: ミュゼF
スケジュール: 2007年10月15日 ~ 2007年10月20日
住所: 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウム B02
電話: 03-5775-2469

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