今日は朝から天気もよく、風もかなり収まっていたので、絶好の撮影日和だった。だが、昨夜の間に知人から誘われたこともあり、撮影はお休みして岡本太郎記念館へ出かけた。
現在は「太郎のなかの見知らぬ太郎へ」と題して、気鋭の美術評論家である椹木野衣氏が企画した展示を開催しており、会場には極めて野心的かつアグレッシブな展示空間が広がっていた。
白状してしまうと、自分は椹木氏の「シミュレーショニズム」や「日本・現代・美術」に思いっきり感化されちゃった過去を持っているので、今回の展示も興味は持ちつつもどこかで向き合うのを避けていたというか、展示をきっかけにビョーキが再発するのを恐れていたんだけど、やっぱりまたやられちゃったね…
展示に関する説明は、公式サイトのテキストに任せたいところだが、自分はシュルレアリスムの王道というか、正に人為を超えた現実、現実を超えた現実を具現化したものとして、非常に深い感銘を受けた。
ちなみに、知人が自分を誘ったきっかけは、昨日放送された新日曜美術館の「アート・シーン」コーナーにて、この展示が紹介されたことらしい。恥ずかしながら、自分は完全に忘れ去っていたので、知人が誘ってくれなかったらスルーしていた可能性が高い。
まぁ、こういう偶然って、よくある話だけどね。
無数の偶然が積み重なったところへ、ほんの少し人為を加えることで、予想もしなかった現実が生じる。
ただ、シンクロニシティはやっぱり呪術的思考だと思うし、今回の展示も偶然性をテーマにしているわけではないのだが、人為や人智を超えたなにかというのは、やはり芸術において重要な働きをすると思うのだよ。