Tokyo at rain and Tokyo at night MOVIE!

東京の夜景動画ブログです。

密着の誘惑

2007-01-29 22:42:23 | 業務関連


先日、ギャラリー"Roonee247Photography" で鑑賞した、五十嵐英右写真展‘ Plant  ’に感化されてしまい、ここしばらくは密着焼きへの関心が高まったままだ。
とはいえ、現状の制作方針で密着焼きを使うことがあるとは思えないし、技法を試したいがために制作方針を変更するなどは、正しく愚の骨頂としか言いようがないので、とりあえず情報収集だけにとどめている。



昼過ぎには取引先との打ち合わせが入り、いつものように途中から雑談モードとなったのだが、なにかの拍子で国立新美術館の前を通った話をしたところ、あまりなじみの無い若き担当者氏が「あそこでオタク祭りやってるんでしょ?観てきましたか?」と口を挟んできた。最初はいったいなんのことだかわからなかったが、しばらくして文化庁メディア芸術祭10周年企画展「日本の表現力」のことを指していることがわかった。そして、この唐突な話題転換が、とある人物のブログからヒントを得た、いわば壮大かつどうしようもなくうんこなネタトークであることも、同時に理解することができたが、ちょっとカチンと来たので意地になってぼけ倒した。



もともと、文化庁メディア芸術祭に対しては冷ややかな観かたをする関係者が少なくなかったし、自分も芸術の名を借りたサブカル搾取だと思っていたので、実を言うとイベントの存在そのものを完全に忘れ去っていた。その上、先ごろ行われた、日本のメディア芸術100選アンケートのエンターテインメント部門では、プレステやマリオ、ドラクエを抑えてやわらか戦車が堂々の1位を獲得するなど、まぁ穏当に言ってもあるある大事典クラスのメディア操作が行われている可能性が高く、あまり関心を持たないないほうがよいと言っておいた。



すると、今度はナニをどう勘違いしたのか(あるいはボケ勝負に打って出たのか)、ものすごいハイテンションで「文化庁の主催なら『反JASRAC、著作権非親告罪化反対ビラ』とかばら撒いたら楽しそうですねぇ~」等と、昭和のアートゲリラみたいなことを言い始めたので、心から驚いた。まぁ、直接頭ごなしに否定しても仕方ないので、かつて「ゼロ次元」というアートテロ集団があってねぇ、などとテキトーにお茶を濁してその場を収めた。
それにしても、国立新美術館の企画展と著作権囲い込み反対活動を瞬時に直結させた若き担当者氏の感性には、ただただ脱帽させられるばかりだ。もしかしたら、いやほぼ確実に企画展を同人誌即売会かなにかと同一視しているのであろうが、それにしても若いオタクの稚気にはいささかばかりの可愛げがある。また、かつてのアーティストたちも、そういった稚気を持ち合わせていたのだろう(中には現在もたっぷり持ち合わせてる作家氏がいるけどね)。



まぁ、そういったエネルギーの溢出を目の当たりにすると、否が応でも自分の年齢を感じさせられてしまうし、さらには密着して「エネルギーを吸収したい」欲求にすら駆られるが、そこは押さえるのが大人の分別というものであろう。
それに、いい歳して若い連中へ擦り寄ったり、ましてや若者ぶって稚気をあらわにするのは、ただただ見苦しいばかりだからねぇ~



もちろん、最後まで意固地になってぼけ倒した自分のことは、全部キレイに棚上げしておきますよ。