大正シック (東京都庭園美術館)

『大正シック』っていい名前ですね...

ホノルル美術館の日本美術コレクションの中から、大正から昭和初
期の作品がックアップされています。文明開化から五十年以上経
ち、それまでの日本にはなかったイメージがあふれています。
そんな会場からは、『はいから』とか『大正ロマン』とか、そんな
言葉が思い浮かんできます...

この時代の版画は浮世絵。

ロビーにはいくつもの女性像が展示されています。風俗こそ違いま
すが、これは浮世絵です。掛け軸の『銀座の柳』、風に吹かれる柳
の下に、しゃなりとした女性が佇む作品...しかも、洋装...
いまみてもモダンに見えるのですから、当時の人たちはどんな目で
見たのでしょうね。

クラシックスタイルの長椅子に身を横たえる入江たか子さんは、当
時、とても人気のあった女優さんです。小さな顔にすらっとしたプ
ロポーション。きりっとした表情は大人びた雰囲気です。しかし、
赤い振袖とうっすら桃色の頬にはどこかあどけなさも感じさせます...

若干二十歳...

こうしたイメージは時代を映しているのでしょうが、そんな世相の
ひとつの頂を示しているのがこの中村大三郎の『婦女』でしょう。
＃ 『婦女』をデザインした浴衣や博多人形には思わず笑ってしま
＃ いましたが...(^^;

古い文化と新しい文化が混じり合ったときの、新しい息吹が感じら
れる展覧会だと思いました。
＃ こんな空間で竹久夢二を観たいな...

私が行ったのは 5/3、天気がよくて、お庭の緑もなかなかでした。
新緑のまぶしい季節、散歩がてらに行くのが吉でしょう...

・大正シック (東京都庭園美術館) - 7/1