美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




先週の土曜日、知人が遊びにくるので部屋を片付けていた。私はも
のはあまり持たないけれど、紙類を積み上げやすい性質で、その日
もあちらこちらに積みあがっている、筍のごとき古新聞を束ねてみ
たり、本棚に詰め込めるだけ詰め込んで、七つの書籍の峰を三つに
減らしてみたり、CDやDVDの山を隅っこに押しやったり(意味不
明)、何とか客人を招けるような状態までこぎつけた次第。

とにかく本やらDVDやらCDやらはどうしようもないくらい持っ
ているので、片付けている脇から、こんな本を読みたくなったりあ
んなDVD観たくなったり、一向にはかどらなかったりします...

今年の一月、たまたまヴォカリーズという曲を聴きました。場所は
上野の奏楽堂。芸大の学生さんがオルガンで弾いていたものです。
初めて聴いた曲だったのですが、耳に馴染むメロディが歌いやすそ
うな印象を持ったので、こんなことを書きました(日曜日)。

その時のコメント欄で、ベラさんという方に、もともとこれが声楽
曲だったことを教わり、買ったのがナタリー・デセイのベスト盤
した。

皆さん、それぞれに好きなクラシックのアルバムがあると思います。
私も何枚かあります。だけど、一聴して好きになったアルバムとい
うのは少なくて、ある時、何気なく聴いた手許のアルバムにヒット
する、というパターンがほとんどです。数少ない例外のひとつがポ
リーニ演奏のショパンの練習曲です。これはのっけから最高速度で
展開していく細かい音の粒々がとてもきらびやか。ぐぐっとつかま
れて、それ以来、何度も聴かされているアルバムです。

また、クラシックのボーカルとも相性がよろしくなくて、なかなか
しっくりくる歌手がいませんでした。そんな先入観もあって、せっ
かく買ったデセイのアルバムも一度、二度聴いただけで、ずっと埃
を被っていたのですが、知人を迎えるために突貫掃除している途中
で発掘し、聴いてみたところが驚きのアルバムでした。

透明感があって、とても伸びやかな歌声です。このところ心穏やか
ならない仕事が続いていたのですが、刺ついた神経を柔らかく包み
込んでもらえるような感覚。とても美しいのだな。

デセイという名前は初めて聴いたのですが、昨年、初来日を果たし
たようです(これ)。チケット代がべらぼうですが、一年早く出会っ
ていたら、行っていたでしょう...

デセイはコロラトゥーラ・ソプラノの歌手だそうです。十八世紀、
十九世紀のオペラに多く見られる技巧的で華やかに装飾された旋律
を歌いこなすソプラノなのだそうです。

このベスト盤ではヴォカリーズがとっても良い。ベラさんが『夜の
しじまにぴったりの曲でお気に入りです』と書いてくれたのですが、
その通りの曲だと思います。また、一連のモーツァルトの曲。中で
も夜の女王の天まで届くかのようなアリア...
# ジャズで言うところのスキャットを思い出す私は変かなぁ...

他のアルバムを調べてみるとオルフの『カルミナ・ブラーナ』なん
かも歌っているようです。これは昨年末、ラトルとベルリンフィル
のジルベスタコンサートでも演奏された曲ですね。私が初めて聴い
たのはムーティのCDだったのですが、圧倒的な迫力とただならぬ
雰囲気に、一気に飲み込まれてしまいました。これもいわゆるクラ
シック離れした音楽だと思います。デセイのソプラノと共に、聴い
てみたいなぁ...

というような性向を持った私に薦められるクラシックのアルバムが
あれば、是非、ご紹介ください。
# 結構、偏っているかも...

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