美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




作家、キュレーター、コレクター、などなど、現代アートをめぐる
いろんな人たちへのインタビューです。よくぞこれだけのメンバー
を集めたなぁ...という一冊。『ビジネスマン・ビジネスウーマンの
ための、ひとつ先の「常識」』という帯紙の文句と、現代アートの
チアリーダーという山口さんの肩書以外に死角はありません...(^^;

芸術のグランドデザイン (山口裕美)

以下、無断引用。

・未来の建築家へ
> 説明できないグニャグニャなものをグニャグニャなままで、持っ
> ていても20歳くらいまではそれで何とかなるけど、だけど20歳過
> ぎると、グニャグニャなものを、人に説明する仕方を勉強しなき
> ゃならない。
by 隈研吾(建築家)

四十前でグニャグニャな私は...(^^;


・関係と運動
> 僕はアーティストとして、その地域の人の流れから、崩壊しそう
> なコミュニティの再生成を重視して時間をかけたいと思いますね。
中略
> 路地裏で悩んでいたおじいさんに彼女ができるかもしれない。リ
> ノベーションって案外こういうことかもと思っている。
by 椿昇(アーティスト)

面白い発想。マイルドな川俣さんという感じです。ちなみに椿さん
は第一回横浜トリエンナーレのバッタの作家さん。


・チーム・スピリット
> (AtoZを支えたボランティアについて)たぶん、彼らが知ったのは
> アートの楽しさじゃなくて、知らない人同士でもひとつの目的に
> 向かって集まることで、強い力が生まれるということ。
by 奈良美智(アーティスト)

こういうのよくわかります。
# 会社の仕事でもそんなことを感じることが、ある


・足りないのは決断
> 目の前にあることを、当然だと受け入れる前に、ちょっと待てよ
> と、これはどういうことなんだろうと自分で考えて、自分で判断
> して、おかしいと思ったら、ちゃんと意見を言う。
by 吉本光宏(ニッセイ基礎研究所)

それは分かっちゃいるけれど...(^^;


・東京には文化がない
> あえて極論を言うと、東京には娯楽はあっても文化はほとんどな
> いって言っているんです。
by 福武總一朗(ベネッセコーポレーション代表取締役会長)

おやおや...


・21世紀の聖地
> 「新しい宗教の聖地をつくりたい」と言ったんです。その中心に
> 十字架の代わりにモネを置きたいと伝えました。大きなモネが5
> 点あって、それらは全部モネが目が見えなくなってからの作品で
> す。
by 福武總一朗(ベネッセコーポレーション代表取締役会長)

そういえば私はこんなこと書いたことがあります。
そして直島へ...(その3 地中美術館)
> 1920年前後のこの頃はモネの晩年で、大分視力も弱っていたので
> しょう、荒れた筆致は痛々しく見えます。だってあんなに探求し
> てようやくものにした光、その源となった風景が自分の目で観ら
> れなくなってしまうのですよ、じぶんちの庭で...
>
> 展示室に足を踏み入れたその瞬間は、そんな風に感じました...
> しかし...
>
> 地中美術館でそれらの作品をぼんやりと見つめていると、だんだ
> んとあらを探すのが詰まらないことのように思えてくるのです。
> 幅6メートルの大きな睡蓮、それが、ひろびろとしたまっしろい
> 室内の中に、そっと包み込まれるかのような...
また行きたいな...


・美術館の価値
> この前もMoMAのフェローみたいな人たちが日本に来て、直島と金
> 沢を見て東京に来たら、「東京はどこを見たらいいんだ?」と言
> って悩んでいた。
中略
> しょうがないのでうちのコレクションを見に来てました。
by 高橋龍太郎(精神科医)

あはは...(^^;


・審美眼の育て方
> 文章に表わしたり、解釈したりすることを少し封印してひたすら
> 見る目を鍛えるということも、ある時期やったほうがいんじゃな
> いかと思うな。
by 高橋龍太郎(精神科医)

なるほど...

その他、長谷川祐子さん、宮島達男さん、名和晃平さんらのインタ
ビューも読めます。あと、この本は 2006年12月の出版なのですが、
記事中に加藤美佳さんの名前がみられました。へぇ...今、この本と
同じような種類の本には、どんな作家さんの名前が紹介されるのだ
ろう...興味津津です...

芸術のグランドデザイン (山口裕美)

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コメント
 
 
 
高橋先生 (紫式子)
2008-03-31 23:27:37
コレクション観に行ったことありますよー。
すごく「えぐられる」セレクトでした。
やっぱりいいこと仰ってますね……。


「四十前でグニャグニャな私」
物腰が柔らかいのは、グニャグニャと違いますから(笑)
 
 
 
Re: 高橋先生 (lysander)
2008-04-01 00:27:56
紫さん
コメントありがとうございます。

> 物腰が柔らかいのは、グニャグニャと違いますから(笑)
感涙...(^^)

それはそうと、
> 現代アートのチアリーダーという山口さんの
> 肩書以外に死角はありません
という不届きな書き込みの数日後に山口裕美覚醒の知らせ。
http://tokyotrash.blog.so-net.ne.jp/2008-03-31
あまりのタイミングの良さに、ドキッとしてしまいました...(^^;
 
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