美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




この映画は、絵師、天明屋尚さんに昨年の秋から五ヶ月間密着した
ドキュメンタリーです。天明屋さんのひょうひょうとした語り口が
何とも言えません。『なんとかさぁ...』『かんとかさぁ...』とゆ
ったり話す口ぶりは、私の友人を思い出させてとてもおかしかった。

天明屋の作品を初めて観たのは二月の MOTアニュアル、劇中でも語
られているように、メタリックな調子は一見エア・ブラシを使って
いるように見えるのですが、映画の中での天明屋さんは、板を黒く
塗り、金箔をはり、下絵を描き、面相筆で色を付ける、絵師...

その作品に強い磁力を感じたのは、そうしたひとつひとつの手仕事
から生まれる気迫がこもっていたからに違いありません...納得!

昨年、上野で開催されたガンダム展や、今年の MOTアニュアルの展
示風景など、普段は観られない舞台裏が興味深く...
# トレーシングペーパーの曼荼羅は、あんな風に描かれたのか...

こういう映画って私は好きです。

日本画の新鋭として MOTアニュアル2006 にも紹介されていた天明屋
さんですが、その心は、日本の画壇に風穴を開ける、です。

江戸時代から明治にかけて、時の権力に寄り添いながら息を繋いで
いた狩野派に学びながら、そこにとどまらない活躍をしていた河鍋
暁斎などに共感している様子。

駆け出しの頃に、自分で描きためた絵を河鍋暁斎記念美術館に持ち
込んだこともあったそうです。美術館の河鍋楠美館長は、いい感じ
のおばあちゃん。我が子のように天明屋尚を語るインタビューには
ちょっと目がうるんだ。

そういえば暁斎、先週も『これが板橋の狩野派だ!』で観たし、昨
年は『国芳・暁斎 なんでもこいッ展だィ!』で観た。河鍋暁斎記念
美術館は埼玉の蕨にあるそうなので、一度、行ってみよう。


惜しむらくはエンディングのど演歌と、それに続く四十代の抱負...
そんな柄ではないのかもしれないけれど、折角の劇場映画、最後は
格好よくキメとくべきではないかなぁ...もったいない...(^^;


≒天明屋尚 (ライズX) 7/14 まで!!!


参考
MOTアニュアル2006 No Border 「日本画」から/「日本画」への感想
国芳・暁斎 なんでもこいッ展だィ!の感想
これが板橋の狩野派だ!の感想

河鍋暁斎記念美術館


コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
TBさせていただきました (あおひー)
2006-06-29 12:32:33
昨日はTBありがとうございました。

こちらからもTBはらせていただきました。

この映画見て、河鍋暁斎がすごく気になってます。

たぶん、行ってしまうんだろうなあ。。。
 
 
 
Re: TBさせていただきました (lysander)
2006-06-30 00:09:58
> 行ってしまうんだろうなあ。。。

行った方がいいですって...(^^)
 
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