三沢厚彦展『アニマルズ'08 in YOKOHAMA』 (そごう美術館)

クスノキからいろんな動物を彫り出す三沢厚彦さん。昨年あたりに
開催されていた展覧会が気になっていたのですが、平塚とか高崎と
か、行きにくい場所での開催が多くて結局観に行くことができませ
んでした。

それが横浜で観られるなんて...

何となく展示する場の雰囲気を大切にする作家さんという印象があ
ったので、正直デパートでの展示はあまり期待していなかったので
すが、この展覧会は凄い。普段は四角四面のまじめな空間が、ゆっ
たりと楽しい空間に作りあげられています...

エントランス入ってすぐにあるシロクマの小屋なんか、よくこの天
井の低い場所に作り込んだものだよな...新作のライオンや、新作の
キリン(高さ2.9メートル！)もなかなかのもの。きっとこじんまりし
た展示なのだろうなぁ...なんて予想を軽く裏切ってくれます。

そしてゾウの圧倒的存在感...
＃ そこかしこに隠れるヤモリ...

本当に楽しい。こういう楽しさを感じる展覧会ってあまり記憶にあ
りません。終始にこにこしながら観ていたような気がします...

日曜日の夜に行ったせいか、お客さんはまばらでした。そんな中に
ひと組の親子が入ってきて...

父『じゅんじゅん...シロクマさんだよ』
子ども、テケテケ走っていって、
子『パパーッ！...すごいよこれ(ライオンの縦髪を差しながら)』
父『お、ゾウさんがいるね...』
子ども、興味なさそうに会場の奥の方に走って行って、
子『パパーッ！...ワニッ！...』
父『じゅんじゅん...パパ、ゾウさん観たいんだけどなぁ...』

素敵な会話だなぁ...

昼間、子どもたちがたくさんいる時分にはどんな様相になっている
のでしょう。自分の観たいものを探しながら会場を走り回る子ども
の予測不可能な動き。そんな子どもの本能をくすぐる三沢さんの作
品はとても愛らしい。

会場を出て売店でカタログなどを物色していたらご本人があらわれ
て、売店のおばちゃんに『来週もきますから』なんて挨拶してから
帰って行きました。なんて気さくな...(^^)
＃ 手にはそごうの紙袋をさげていました...(^^)

しばらく絵本を眺めていると、さっきの親子が出てきました。

子『パパーッ！...お母さんどこいるのーっ！...』
父『...Ｂ１...』

お母さんは地下一階で晩飯の買い出しでもしているのかと思いきや、
横浜そごうの地下一階は『婦人靴・ハンドバッグ・洋品小物・ラン
ジェリー・ファンデーション』売り場なのでした...(^^;

ほんと。こんなに楽しい展覧会はちょっとありません。
小さなお子さんがいらっしゃる方は、是非...
＃ いない方も、是非...(^^)

・三沢厚彦展『アニマルズ '08 in YOKOHAMA』 (そごう美術館) - 11/16
＃ 毎週、土曜日の午後二時からご本人の作品解説があるそうです...