8 1/2

主人公の映画監督はスランプに陥っている。セットも組まれ、小道
具も作られ、スタッフは準備万端。なのに、筋書きがまとまらない、
俳優を選ぶことができない...

いかにも思わせぶりな設定です。

夢を見て、子どもの頃の思い出がよみがえり、過去と現在の女性関
係に蜘蛛の巣のようにからめとられ...

カンヌのグランプリと二度のアカデミー賞に輝いたフェリーニはこ
の頃キャリアの絶頂にいて、それが故に次回作に対する世間の期待
も大きかったそうです。そこで主人公にしたのが苦悩する映画監督...

どこまでが嘘で、どこまでが本当なのか。そんな風に思い始めたら
観客の負け。だけど映画監督の悩みごとなんてわざわざ見せられて
もなぁ...これならあたしが、今、仕事で直面している危機的状況の
方が幾層倍も厄介で幾層倍もドラマティックだと思えてしまう...(^^;

映画監督が映画監督の悩みを映画にするのは反則だろうと。
＃ たとえそれが嘘っぱちであったとしても...

これなら都会の享楽を徹底的に追求した『甘い生活』や、ノスタル
ジックな田舎の風景が印象的な『アマルコルド』の方がいいや。同
じ映画製作の現場を描いた映画ならトリュフォーの『アメリカの夜』
の方が絶対面白い。そういえば『アマルコルド』ってどうして DVD
出さないのかな？何か技術的な問題があるのかしら...？

・8 1/2

おまけ 年代あてクイズ。
『8 1/2』はどう読むでしょう？
1. はっかにぶんのいち
2. はちとにぶんのいち
3. えいとはーふ