美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




さて、束芋さんの作品は三度みたことがありますが、これだけの作
品が集まった展示は初めてでした...

会場には珍しくモノトーンの映像...『真夜中の海』と題する海のア
ニメーションは、波のまにまに白い生き物が蠢いています。ナメク
ジのような、ポニーテールのような...中空から見下ろす角度が良い。

そこから『にっぽんの台所』に移動すると、ギャラリーガイドの真
っ最中、よく観ればそれは、束芋さん本人ではないですか!?
# と、思っているのだが、ネット上にそうした話題がないので
# 不安になってきた...(^^;

作家の肉声を聴いてみたい誘惑もありつつ、若い女学生たちがメモ
をとりとり聴いている横で、鼠色の背広に革の鞄ぶらさげた男とい
うのもあんまり良い図ではない。むしろネタにされそう。というわ
けで、勝手にみることにする。

それにしても笑顔でお話するお姿、どっから『公衆便女』なんてイ
メージが湧いてくるのだろうか。悪意を持って臨んでいたはずの私
も毒っ気を抜かれるくらいのインパクトがあった。

今回はドローイングも多数、昨年、ギャラリー小柳で観たときの大
きなドローイングには気味悪くなったのですが、小ぶりだとみれる
ものですね。特に三本のアニメで使ったコンテはこんな風に描いて
いるんだ...と感心することしきり。

日没後しか観られない(それが故に水曜日の晩に行った)『ギニョラ
マ』はもったいないな。あんな端っこで見せたらだめでしょう。や
っぱり中庭でガツンとやって欲しかった。

小さな液晶ディスプレイで過去の作品を見せるコーナーがあります。
そこで眼に留まったのだが『ギニョる』、これは昨年発表された作
品のようですが、円筒状のスクリーンに指が蠢く迫力は、『ギニョ
ラマ』の比ではありません。

ここは是非、梅雨が明けたら中庭に『ギニョる』のスクリーンを設
置し、夜になったら映写&納涼盆踊り大会てな企画を希望します!

過去の作品の中ではプロジェクタを左右に振る様子が 007 のオープ
ニングにジェームズ・ボンドが現れるところ(古っ!)を彷彿とさせ
る『お化け屋敷』や、懐かしの横浜トリエンナーレは『にっぽんの
通勤快速』などなど、時間を経つのも忘れながら観ていた次第です...

夜八時閉館のアナウンスがあった後に、過去作品のコーナーに入り
ました。若者君が食い入るように画面をみてます。私もまけじとみ
る。眼が離せない。最後まで居てやろう。高をくくる。ざわついて
いた背中のあたりが静かになる。不安になる。このまま束芋の世界
に取り残されたまま、誰もいなくなってしまったらどうしよう...

という悪夢。

ふりむくと男の子がひとりだけいた。怖くなってそそくさと出口に
向かう。20時15分、濃密な時間だった...

そういえば会場に入るとき、知り合いに会った。これまでん百回は
美術館に行っているけど、知った人に会うのは初めてだった。急の
ことで言葉が出てこなかったけど、お元気そうで何よりでした(^^)


束芋さんについては過去にもうだうだ書いているので、興味があれ
ばどうぞ。
束芋・ギャラリー小柳(備忘録)


束芋展 (原美術館) ~ 8/27

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (sayaka)
2006-06-18 18:45:34
どうもどうも(笑

そんな悪意のすぐあととは知らず・・・笑。
 
 
 
Unknown (lysander)
2006-06-18 21:28:54
> そんな悪意

すいません。そんな言葉を使ってみたかった

だけなので...(^^;
 
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