美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




これは奈良の松伯美術館が所蔵している作品の展覧会。上村松篁の
絵をまとめて観たのは初めてでした...

松篁は創画会の前身となる創造美術の設立時のメンバーなのだそう
です。なるほど初期のいわゆる日本画から、だんだんとモダンな作
風に変貌していきます。

『鹿寄せ』は鹿を寄せる少年。キャプションにはこの少年はエジプ
ト風の人物像だと書かれています。なるほど横顔見せるそのたたず
まいはエジプト風です。鹿もふんわりと描かれていて、こういうの
は好きだなぁ...

そんなふんわりとした空気感が大作へと結実しているのが『月夜』
の光の下の兎、『早秋』の野原にたたずむ狐、ならべて展示されて
いるこの二作はゆったりとしています。

ここら辺からの作品がとても楽しい...

『ハイビスカスとカーディナル』『草原八月』『緋桃』などなど。
花鳥がうまく図案化されています。ここら辺のハイカラは山口蓬春
を彷彿とさせます。『鴛鴦』が静かな水面の上に並ぶ様子もいい...
牧谿を意識したという『月明』『丹頂』あたりの作品も...


『花(雪月花の三題のうち)』の鷺とか、『兎I』の兎とか...

九十歳を越えてからの作品にはむらがありましたが、画面いっぱい
が若々しい緑でおおわれた『松虫草』や、暗闇の中で哲学している
フクロウ博士にそこはかとなく光を放つ『春宵』...ここら辺は瑞々
しいと思いました。

松伯美術館所蔵 上村松篁展 (そごう美術館) - 3/24

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (ogawama)
2008-03-23 21:24:36
松篁展、行きました。
そごう美術館は8時までやっているので、仕事の後に立ち寄れて便利です。
『月明』のタンチョウ(だったかな)の自然な立ち姿が素敵でした。
とっても品がある花鳥画ですよね。

 
 
 
Unknown (lysander)
2008-03-23 23:52:58
ogawamaさん
コメントありがとうございます。

> そごう美術館は8時までやっているので、
デパートの展示はそういうところがいいですよね。
だけど情報が入ってこないので、見過ごしてしまうこともままあります。
今回は友人とたまたま横浜で会った時に気付きました。
そういう偶然の寄り道もたまにはいいなぁ...と。

『月明』よかったですね。そう、とても品がありました。
 
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