今更感はあるのですが、数か月前に知人から譲渡してもらったau版HTC J One HTL22を数か月Wi-Fi環境で使用しているので軽くレビューしておきたいと思います。
HTC J One HTL22ってどういう機種?
HTC J One HTL22はauのLTE対応機種第2弾として2013年夏モデルとしてXPERIA UL SOL22やAQUOS Phone SERIE SHL22などとともに発表されたモデルです。
前モデルHTC J Butterfly HTL21やその前のHTC J ISW13HTは日本国内市場導入を前提に開発されたモデル(ただしどちらものちに台湾など一部地域で導入されています)でしたが、HTC J OneはHTC EVO 3D以来久々に当時グローバルで販売されていたフラッグシップモデルHTC One(M7)をベースに開発されたモデルとなります。ただしオリジナルのOne(M7)では非対応だったSDカードのサポートと日本独自のおサイフケータイ(Felica)、ワンセグ受信機能にもしっかり対応しています。
グローバル版Oneそのものをベースとしているためフルメタルボディの筐体をそのまま継承。現在のOneシリーズやフルメタルではないものの最近日本でSIMフリー版が登場したHTC Desireシリーズにも継承されているデザインで、最初に見た時からひとめぼれしてずっとこの系統のOneシリーズは何かしらほしいと思っていたので今回入手できてかなりうれしかったりします。今でも古臭さを感じない素敵なデザインでかっこいいですよね!!
スペックはクアッドコアのQualcomm SnapDragon 600 APQ8064T 1.7Ghzに2GB RAM、4.7インチのFHD液晶を搭載。同時期に登場したauのスマートフォンはXPERIA UL SOL22とAQUOS Phone SERIE SHL22が前世代のSnapDragon S4 Pro APQ8064、URBANO L01がデュアルコアのSnapDragon S4 MSM8960 1.5Ghz(HTC Jなどと同世代のプロセッサ)でしたから間違いなく当時のハイエンドモデルでした。この時期はSnapDragon 800登場前でドコモのツートップモデル、Galaxy S4にも同じくSnapDragon 600が搭載されていました。
各種ベンチの結果は上の通りで今となっては3万円台で買えるSnapDragon 4xx搭載機と同程度のスコアとなっているものの、逆に言えばこの性能でも十分現役で使えるんじゃないかと思います。さすがに最新のAndroid向け3Dゲーム(Need For Speed No Limits、Mortal Kombat X Mobile、最近でいえばデレステことアイドルマスター・シンデレラガールズ・スターライトステージあたり)を動かすにはきつい性能になってきましたが、中古市場価格も1万程度と安くなってきているのでauのMVNOであるmineoやUQ Mobileでの運用にも適しているかもしれません。
OSは当初はAndroid 4.1 “Jelly Bean”+Sense 5.0という構成で登場したものの、のちにAndroid 4.2.2へアップデートされ、最終的にはAndroid 4.4.2 “Kitkat”+Sense 5.5までアップデートされました。グローバル版では5.0.2 Lolipop+Sense 6.0まで対応していますが、残念ながら国内版はKitkat+Sense 5.5で打ち切りとなってしまいましたが、アップデートに消極的でHTC JやHTC J Buttrfly HTL21、この機種の後継機HTC J Butterfly2 HTL23がプリインストールされている世代のAndroid OSで打ち切りになっていることを考えれば頑張ったほうなんじゃないかと思います。
One世代のHTC Senseから標準ランチャーにFlipboardのように各種ニュースサイトやTwitter、Facebookアカウントの情報を一元に表示できる「BlinkFeed」が搭載されていてこれが地味に便利だったりします。
カメラはフロントが210万画素。リアが400万画素の”Ultra Pixel”カメラを搭載。同時期に導入されたXPERIA Z/ULが1300万画素のExmor RSセンサー搭載カメラを搭載したためあまりに控えめすぎるんじゃないかと思われますが、「カメラの性能は画素数じゃない!!あえて画素数を落として取り込む光の量を増やすことできれいな写真が撮れる!!」というのが当時の売りでした。ちなみに実際にHTC J Oneで撮影した写真は以下の通り。
たしかにTwitterやWEBブログ投稿用には十分きれいな写真が撮れるのですが、PCで表示させてみると結構粗さが目立って「やっぱり400万画素のカメラだなぁ」という感想。またグローバル版含めこの世代のOneには一部個体で撮影した写真が紫っぽくなってしまう「紫カメラ」問題を抱えたものも存在しているので中古で今からJ One(あるいはOne(M7))を入手する場合はよくチェックしたほうがいいかもしれません。
スピーカーは当時提携していた(現在はAppleに買収された)Beas社製のサウンドシステム「Beats Audio」と高性能アンプを搭載した「HTC BoomSouund」を搭載しており、前面にステレオスピーカーが搭載されているのもあって内蔵スピーカーの音質は手持ちのメイン端末XPERIA Z3 Compactと比べても”ぶっ飛ぶ”程クリアです。正直Wi-Fi運用でマルチメディアプレーヤーとして使っても十分活用できるんじゃないかと思います。下手な中華タブレットを買うより全然いいです。
残念ながら日本で買えるOneシリーズは本機が唯一のものとなってしまい、これ以降au向けモデルは再びButterflyシリーズに戻ってしまったものの、最近HTCはMVNO向けSIMフリーモデル市場にDesireシリーズを投入したため、今後Oneシリーズの再導入も期待したいところです。J Oneは今となっては2年前のモデルですが、”HTCらしさ”を楽しめ所有欲を満たせる良モデルになっていると思います。