Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

ようやく公開日決定!  『正しく生きよう』

2007-07-28 01:14:27 | Suda on J.J.Y.


おおー、ようやく

『正しく生きよう(바르게 살자 )』の公開日が、

10月18日に決定したようです。

当初の公開予定から待つこと半年。

お蔵入りにならなくて、よかった、よかった

さて、見に行けるのかどうか・・・

これが、最優先要検討課題だわ

日本の作品のリメイクなのだから
日本でも公開なんてことにはならないかな~
『肩ごしの恋人』だって日韓同時公開なのだし・・・


『いかさま師』(韓国版DVD)

2007-07-27 01:23:39 | K-Movie Notes


(Image source: cine21)

日本での配給もついておらず(たぶん?)、フィルムフェスティバルなどでも上映されそうもないので、やっぱり見ておかなくてはということで、『いかさま師(타짜)』(2006年9月 監督:チェ・ドンフン)。
出演:チョ・スンウ、キム・ヘス、ユ・ヘジン、ペク・ユンシク、キム・ユンソク

花札の賭博「ファトゥ(화투)」は「花闘」と書くらしい。なんだか、有閑マダムのお稽古事みたい。

さて、あちらこちらでレビューを拝見して、感想は「絶賛派」、「思ったほど・・・派」と一様でないところが面白い。もちろん究極的には個人の好みや、受け入れ方なので・・・

この作品、2時間20分もある長編だが、そんな時間の長さを感じさせないテンポのよさ。同監督の『ビッグ・スウィンドル(原題:犯罪の再構成)』もテンポが良かったけれど、私的には『ビッグ~』はカラクリがすぐわかってしまったのであまり楽しめなかった。

『いかさま師』の原作は漫画のせいか、ストーリーや登場人物の人間関係がしっかり組み立てられているという印象。映画の中では、それぞれの人物像を深く掘り下げて見せるところまで至っていないのか、それとも、わざと見せずに、それは見る側で掘り下げられるように自由な裁量を与えているのか、いずれにしろ受け取り方によるのかな。

ストーリーの展開も、ごく普通の若い労働者が、家のお金を持ち出して花札に手を出したら、賭博師に騙されてなけなしになってしまい、取られたお金を取り戻すために、タッチャ(賭博のプロ最高位)に奥義を伝授してもらいながら、賭場を渡り歩いていくという渡世話に過ぎないと言っチャ、それまでなのだけど

「ここで泣いてくれ」、「ここで笑ってくれ」と涙や笑いを強要するような場面はどこにもないので、観客に擦り寄るようなところがなく、情感的にベタベタしていない。それなのに、ぐいぐいと引っ張っていく躍動感があって、エンターテインメント(娯楽性)に徹しているところが何よりもよかったと思う。

要は、個人的には結構引き込まれて、楽しんでしまったので花マル。
衣装や背景などの色彩感覚が面白い。一体いつの時代なのか、時代設定が不明(って私が知らないだけかも)なのも、ミステリアス。

それにしても、役者が揃いすぎ
どの役者も注目したい役者ばかりなので、こっちもあっちもと目が離せなくせわしない。きっとそのせいで時間の長さが気にならなかったのかしら?

チョ・スンウは、これまで見た作品の中では、これが一番輝いて見えた。カッコイイと思ったことなかったけど、ここではなかなかどうして。何かが吹っ切れた?

この作品で私の目が はあと に近かったのは、ペク・ユンシク。すてき。この方の語る映画論とか演技論とか、難しいお話をうっとりと聞いてみたいなぁ(わからなくたっていいの・・・)。

惜しげもなくナイスバディをさらしたキム・ヘス。「結局、女が一番ワガママでワルなのよね」というような役は彼女にぴったりだわ。
 
ポップコーンの袋を漁っていた姿から、凶暴な(?)姿へに豹変したのは、キム・ユンソク。その豹変ぶりが、かなり人気のようで・・・

ユ・ヘジン。どうして、あんたはそこにいるの?というシチュエーションに登場して、若干おじゃま虫的存在なのだけど、憎めなくてね。しゃべる、しゃべる(笑)。「しぇーっ!!」の人に似てる。

余談ながら、キム・ヘスのナイスバディより気になったのは、チョ・スンウが身に着けていたバックルが「H」のベルトで、あれは、本物のエルメスなのか、偽物なのか・・・と、なぜか作品中ずっと気になった。

Cine21 DB

 


何を今さら『バンジージャンプする』

2007-07-25 23:52:24 | K-Movie Columns


2週間前のL.B.H.来日で、ハタと思い出した。数ヶ月前に mxxx さんからお借りしていた『バンジージャンプする』Collector’s Box版。どうしてこれをお借りしたのか、理由さえ忘れてしまって・・・たぶん韓国版にはない特典映像が見たいとか言ったに違いなく。早くお返しせねば・・・

さすがスターのCollector’s版ともなると、L.B.H.1人のインタビューだけで Disc1枚分を占拠。韓国版にはないインタビューだが、韓国版にあったキム・デスン監督のインタビュー&コメンタリーがまったくないのも、なんだかなぁ・・・

メイキングシーンで、一番笑ったのはイ・ウンジュが無邪気に話す「ポッキーvsコアラのマーチ」の小話。どこかで使おうと思ってネタ帳(?)にメモしておいた(なんだかオヤジみたいだ・・・)。
     
音量が小さくてよく聞こえなかったのだけど、お菓子の名称は韓国のお菓子の名称だった。コアラのマーチは「(コアラ)マチ」、ポッキーは「ペペロ」、ポポロンは「ホムランボウル」と言っていたように聞こえたけれど・・・

せっかくなので、ついでに本編も見てみたら、「あれっ、何か違う?」
映画館で上映されたときはあまり気づかなかったけれど、なんだかとってもメロウな仕上がりになっている・・・。

私の持っている韓国版は、日本語字幕付きの韓国版で、何が違うって、それは字幕。

比較すると面白いのですが、韓国版の方はいわゆる日本の字幕制作ルール(文字制限)をあまり気にせず直訳風のさばさばした表現なのに対し、日本版はきっちりルールに従いつつ情感あふれるセリフになっているような・・・。どちらが良いとか悪いという論議ではなく、語感の問題。

でも、決定的にニュアンスが違うと思ったのは、ジャンプ後の最後のインウのモノローグ・・・

<Collector's日本版>

   人生の絶壁を飛び降りたとしても
   それは終わりではないと あなたは言いました
   何度でも出会い、愛します
   愛するためではなく
   愛さずにはいられない
   あなたを永遠(とわ)愛します

<韓国版>

   人生の絶壁から飛び降りても
   その下にまだ終わりはないと あなたは言いました
   また出会い、愛し合うことでしょう
   「愛している」からではなく
   「愛するほかない」ので
   あなたを愛します

「何度でも」ではなくて「もう一度(また)」としか言ってないし、「永遠に」とは言っておらず、シナリオにもない。これって、字幕屋さんの本に書かれてあった「売る」ための字幕に近いのかなぁと思えた

Collector's版は、最後の「永遠に」の一言が、いかにも「純愛」を昇華させた感があり、私が抱いていた「因縁的」なイメージから、ちょこっとずれた感じがしたので、あれっ?と思ったのだと思う。人によって、受け取り方はさまざまでしょうけれど・・・

ともあれ、L.B.H.いわく、イム・グォンテク監督のお弟子さんのキム・デスン監督は、立ち姿まで師匠に似ているそうで、キム・デスン監督のインタビューまたはコメンタリーが字幕付きであったら、もっと良かったのになぁ~

そういえば、邦題を一般公募していたキム・デスン監督の『秋へ』の邦題は、『ノートに眠った願いごと』に決まったそうで、これもまたメロウな匂いのするタイトルだけど、11月日本公開予定

 


『爆烈野球団!』(TV)

2007-07-24 22:47:07 | K-Movie Notes


Mnetで放送された『爆烈野球団!(YMCA야구단)』(2002年10月公開  監督:キム・ヒョンソク)
あまり情報を仕込まずに見たら、ふぁ、ファン・ジョンミン? の姿にいきなり爆烈、いえ、爆笑してしまったが  、出演者は、ソン・ガンホ、キム・ヘス、キム・ジュヒョク、ファン・ジョンミン、シン・グ、伊武雅刀、チョ・スンウ・・・と顔ぶれが凄かった。

第二次日韓協約の調印で日本軍が半島への侵入を開始したた1905年の漢城(ソウル)。ホチャン(ソン・ガンホ)は、学問を重んじる父親(シン・グ)の塾を受け継ぐべきかどうか、自分の歩む道に悩んでいたが、ある日のこと、友人の(ファン・ジョンミン)と、はじめて野球を目にする。ホチャンは、女性監督ジョンリン(キム・ヘス)のもと、韓国初の野球チームYMCA野球団の一員となる。チームは快進撃を続けるが、そこに日本軍がやってきて練習場を取り上げられてしまう。練習場を奪い返すために、日本の野球チームと対戦するものの完敗、そしてチームは解散させられてしまう。ところが、実は抗日派の運動家であった投手テヒョン(キム・ジュヒョク)をおびき寄せるため、再度日本軍との試合が行われることになり、YMCA野球団はリベンジを誓う。


歴史的には、日韓併合の直前(1905年)、とっても微妙な時期の話。抗日vs親日の対立構図が見えていて、日本人はこういう題材は嫌いかもしれないけれど、この時代はポリティカルなテーマを抜きにして語れない。

それぞれに課せられた人物設定がとても明確。この時代は、外圧などの時代の波によって、李氏朝鮮時代の伝統的な社会制度が崩れ、価値観が変わろうとしている時期にあたるようで、古き良き価値観と新しき価値観の間で翻弄される若者を描くことが、この作品のモチーフだと思われる。

宣教師によって持ち込まれた「野球」そのものが、民主主義的イデオロギーの象徴のようで、スポーツを利用して民衆の心を掴もうとしている意図があったとしたら、根が深い話なんだなぁとも思えたり・・・。野球が持ち込まれた時期と、日本が半島に介入し始める時期が重なっていることが、なんとも皮肉だ。

この作品に登場する球団は、YMCA野球団という実在の球団で、当時国内では強すぎたらしいのだけど、ちっとも強く見えないのは、この作品がコメディ色を強く打ち出しているからだろうか。

親日派に屈することを拒否して自害したジョンリンの父親の葬式で、読み上げられる弔辞がなぜかホチョンのジョンリンへのラブレターとすり替わってしまうのも、コメディだから許せて苦笑にとどまるけれど、本当は笑えないのになぁと思う。

最後のオチ。チョ・スンウの「葵の御紋」的印籠で、「それで終わっていいのか、この作品!」とツッコミを入れたくなるけれど、あえてシリアスな緊迫感を一気に解き放ったのは正解かもしれない。

*「爆裂」じゃなくて「爆烈」だった・・・ 

 


楽しみなオムニバス見っけ

2007-07-20 00:16:11 | Cinema な時間


世界を代表する監督が集結!東京を舞台にした『TOKYO!』(仮題)製作決定
(cinemacafe)という記事に反応。

オムニバス好きとしては、ちょっと注目しておきたいので。
都市をテーマにしたオムニバスは、最近『パリ、ジュテーム』に続くNY編が決まり、東京編もあるのではと噂されていましたが、こちらの方が早いみたい。

マーティン・スコセッシ、フランシス・コッポラ、ウディー・アレン監督が、ニューヨークをテーマに制作した1989年のオムニバス映画『ニューヨーク・ストーリー』に似た作品らしい。

このオムニバスに参加する3人の監督が面白い。なぜに韓国とフランス?
(↓左から)
レオス・カラックス 『Merde』
ミシェル・ゴンドリー 『Hiroko & Akira in Tokyo』
ポン・ジュノ 『Shaking Tokyo』 
それぞれ30分程度の長さでまとめられるらしい。

   
       (Image soure: cinemacafe.net)

つい先日、プチョン国際ファンタスティック映画祭のイベントで、パク・チャヌク監督が「ポン・ジュノ監督は、東京で撮影しているのでここには来れない」と発言していたけれど、これだったのね。

日本人スタッフ&キャストに囲まれて撮影しているらしいのですが、ポン・ジュノ監督ファンの方、またはポン・ジュノ作品に参加してみたいと思われる方、エキストラ募集してますよ(笑・
link to)。

ミシェル・ゴンドリーの『恋愛睡眠のすすめ』はまだ見てなかった。早く見に行かなくちゃ。

レオス・カラックスの
あの名作『ボンヌフの恋人』をもう一度見てみなくちゃ。

来年5月のカンヌ国際映画祭でのプレミアを狙い、その後、日本公開を予定。
ということで、月並みだけど、外から見える東京はどんな風に描かれるのか、楽しみ~。


『傷だらけの男たち』

2007-07-19 23:29:08 | Cinema な時間


トニー・レオン&金城武、こんな美しい組み合わせ、見に行かない理由が見つかりません。
『傷だらけの男たち(原題:傷城)』(香港 監督:アンドリュー・ラウ&アラン・マック)
出演:トニー・レオン、金城武、シュー・ジンレイ、スー・チー

金城武は好みのタイプじゃないけれど、今回はアルコール依存症の役を、撮影中ずっとお酒を飲みながら演じたらしい。アルコールのおかげで、いつもの表情の硬さが取れていたのね。酒に溺れても横顔があまりに完璧で思わず見入ってしまった。

トニー・レオンは、作品ごとにイメージが変わるが、今回もまた違った味わい。最近見た作品がトラン・アン・ユン監督の『シクロ』だったので、作品の世界観自体も異なるせいか、この作品はホームグラウンドで余裕の演技という感じだ。

この人の瞳は深いというか、瞳の奥に哀しみとか切なさとか、なんとも言いようのない不思議なものが潜んでいるところが魅力

『インファナル~』と同じアンドリュー・ラウ&アラン・マックのコンビは、追い詰める者の「迷い」と追い詰められる者の「焦り」の描き方が上手いと思う。役者もいいのだけど、このパターンは先が読めても、やっぱり緊迫感があっていい。どんでん返しは、プチ程度だったけど・・・。

痛みがテーマらしいが、2人とも痛みより、脆さの方が、印象的だった。

エンディングにあゆの声・・・ええー、ここでもまたか。外国映画のエンディングにプロモ用の日本人歌手の歌声が流れると、余韻に浸っているわけでもないのに、ガクっときてしまうのは、いつも同じ。


来月、香港とマカオへ行く予定なので、ちょっと楽しみになってきた。
でもって、これもハリウッドでリメイクされるらしい・・・


『私たちの幸せな時間』

2007-07-18 23:47:02 | K-Movie Notes

(Image source: cine21)
昨年、韓国内で200万人以上を動員した『私たちの幸せな時間(우리들의 행복한 시간)』(2006年9月公開 監督:ソン・ヘソン)。
出演:カン・ドンウォン、イ・ナヨン、ユン・ヨジョン、カン・シニル、キム・ジヨン、チョン・ヨンスク、チャン・ヒョンソン

美術講師ユジョン(イ・ナヨン)は、3度目の自殺に失敗し、精神治療を受けなければならないが、治療はうっとうしい。叔母でシスターのモニカが、治療を受ける代わりに、1ヶ月間刑務所で死刑囚と面会する奉仕活動を提案。母親には反抗するが叔母には心を許しているユジョンは、その提案を引き受け、3人を殺害した死刑囚ユンスと出逢う。ユジョンとユンスは互いに心を開き始め、1週間に1度の面会を心待ちにするようになる。

以前拙宅でもご紹介した「サイの角のようにひとりで行け」の著者コン・ジヨン(孔枝泳)の同名小説を原作とした作品。

ソン・へソン監督は、これが4作目。1作目はレビューもできないシロモノだったが、2作目の『パイラン』、3作目『力道山』はよかったので、これもかなり期待できそうな気がしていた。

場内、号泣している人が続出だったが、私はなぜだか泣けなかった。泣き所は沢山あるけれど、それは同情でしかないような気がして、涙の映画にしたくないと思った。

同情という点で、ちょっと引いたのは、幼い子供2人が地下道で野宿していても、誰もケアをしないという設定。いくら貧しいといえども戦時下でもないのに、実際にあのような状況があるとしたら、韓国社会の人道的常識を疑う。あくまでも表現上の誇張だとしか思えなかった。

原作を読んでいないけれども、たぶん「サイの角~」を読んだ方なら少しお分かりいただけるのではないかと思うような、コン・ジヨンの内省的というか、どんどん自分を追い込んでいく絶望感と、その絶望感からの脱却がこの作品にも溢れている。

死刑囚の男と自殺願望の女・・・この一見救いようのない人生を歩んでいるように見える2人は、当初、人生に対してなげやりで、反抗的な態度であるけれど、だからといって社会を恨むこと、同情を求めること、人を憎むことを真に欲しているわけでもない。

2人は互いを見つめることにより、自分と向き合い、自分の存在が誰かのためにあることに気づく過程の心の内側がしっかり丁寧に描かれている。

現代社会が抱える非常に微妙で繊細な死刑の問題も、それ自体の是非を問うものではないがさりげなく盛り込みつつ、「赦し」や「理解」という人間社会の永遠のテーマがキラリと転がっている。

娘をユンス(カン・ドンウォン)に殺された母親(キム・ジヨン)が直接ユンスと面会して、「赦す」場面が感動的  で、この場面がこの作品の原動力みたいな感じがする。

ユジョンとの木曜日の面会の時間を心待ちにするようになるユンスが切ない

カン・ドンウォンとイ・ナヨン、良かった。脇を支える刑務官役のカン・シニル、シスター役のユン・ヨジョン、死刑囚に「赦し」を与える被害者の母親のキム・ジヨン、囚人仲間のオ・グァンノクら役者が揃っていて、それぞれとても印象深い。

ラストシーンはちょっとくどかったが、後味は悪くない。と言ったら語弊があるかもしれないけれど、ただどーんと重たいだけではなくて、また一歩前進しようと思える光みたいなものが見えていて良かったような気がする。

原作読んでみようかな~


きゃーっ、新作キャスティング

2007-07-16 16:25:20 | Suda on J.J.Y.


ジェヨンの新作のキャスティングが・・・(link to

『公共の敵 3』ではないらしく、タイトルは『カン・チョルジュン(강철중)~公共の敵1-1』(*カン・チョルジュンは『公共の敵』シリーズ内でのソル・ギョングの役名)、副題が「1-1」なので、最初の『公共の敵』の4年後という設定で、続編にあたる話だそうですが、素直に「3」じゃないところがコダワリ(笑)。

ということは、新たな公共の敵を演じるのは、ジェヨンなのでしょうか。
うっ、悪役か・・・

キャスティングを見ると『シルミド 2』かい? と思わせるメンバー勢揃いです。
ソル・ギョング、チョン・ジェヨン、カン・シニル、イム・ウォニら・・・演者は文句なしというところですが、男くさい作品が予想されます。

当然、監督はカン・ウソク。
でもって、脚本にチャン・ジン監督参加!!
ジャンル的は、『トゥー・カップス 1』に近いとか。
「公共の敵」にコメディ色って斬新 、だけど難度高そう

これは、やはり忠武路きっての最強ドリームチームなのでしょうか・・・
面白そうな企画であることは、間違いなさそうです。
クランクインは、今秋ごろを予定・・・


ボヤキ
この新作は新作として、ともかく、クランクアップしているのにまだ公開されていない『正しく行きよう』と、現在撮影中のはずの『神機箭』、絶対公開してよね~


男目線の謎

2007-07-12 00:29:18 | K-Movie Columns


少し前に話題になった、「「映画ファンのための」韓国映画読本 “男目線”のコリアン・ムービー・ガイド」(ソニーマガジンズ)。

『ウェディング・キャンペーン』のジェヨン絶賛記事は、一体
どなたが書いたのかしら? うふふ、いや、もう照れちゃうなぁ  と、私が照れる必要はまったくありませんが、この記事は、ナムジャ目線だなぁと思いながら読みました。この作品に対するヨジャ目線は、やや手厳しく感じられるので・・・。

とは言うものの、ナムジャ目線とヨジャ目線の違いって、どこにあるのかよくわかっていません。この本からも、「なーるほどねぇーーー」と大きく頷ける違いはあまり発見できず ^^;

この本は、どの作品についてもポジティブ目線なので、たいてい誉めてあるのです。私が「金返せ!」と思っていた作品についても、苦し紛れに近いけど、見ようによってはOK・・・という結論に至っていました(笑)。個人の嗜好を語る毒舌本ではないので、ネガティブ目線はほとんどありません。

基本的に日本語版DVDとして発売されているものが紹介されています。第2章「韓流スター15人とその代表作」というカテゴリは、仕分けがいかにもヨジャが好みで、どこがナムジャ目線なんだか・・・。第3章「名前を覚えておきたい監督x3」が、3人って少ないっ・・・コチラのほうを充実して欲しかったなぁ、なんて思ったり・・・。

ちょっと面白かったのは第5章「韓国映画キーワード辞典」。この章は、まじめなんだか、ふざけているんだか・・・^^;

「年齢不詳」という項目。俳優の実年齢に合わない配役、キャラ設定の揶揄、つまり脂の乗った男優に無理やり学ラン着せたり・・・というありがちな設定。「年齢不詳」じゃなくて「年齢詐称」でしょ(笑) コメディなら問題ないけどね。

「韓国の△△△」シリーズ
韓国の北野武 → キム・ギドク  ええっ?そうなの?
韓国のクドカン → チャン・ジン  拙宅で議論済み(笑)
韓国の黒沢明 → ポン・ジュノ  よくわからない・・・
韓国のスピルバーグ → カン・ウソク or ポン・ジュノ  よくわからない・・・    
韓国のロバート・デニーロ → ソル・ギョング  デニーロよりもソル様   
でもって・・・
韓国のタランティーノがないのがとっても不満でした・・・

とりあえずは、読んでおかないと気が済まない1冊だったので、気が済みました。


『美しい人』(DVD)

2007-07-11 23:26:29 | Cinema な時間


( Image Source: impawards.com   ポスター 左から、US、Japan、Korea)


またまたちょっと噛み付きたくなるタイトルだけど、以前から気になっていた『美しい人』(2005年制作 監督:ロドリゴ・ガルシア)を見た。この邦題、一体誰が考えたのか(配給:エレファント・ピクチャー)。センスなさすぎ。原題は『Nine Lives』。
出演: キャシー・ベイカー、エイミー・ブレネマン、エルピディア・カリーロ、グレン・クローズ他

この作品に登場する人々の「美しさ」を感じろとでも強要されているようで、苦肉の策なんだかどうかわからないけれど、ベタなタイトルにしたばっかりに、オリジナルの持つ映画の雰囲気が台無しになりそうで、何が「美しい人」なのか、さっぱり

と、噛み付いてみても私には目の覚めるような代替案はないのだけど(笑)、無理やりな言葉でいじくるより、オリジナルのままででいいのではないの? と思ったり。韓国版ポスターだって、「ナインライブス」になってるのに・・・

噛み付き事が長くなってしまったが、単に個人的にこの映画が好きだから、もったいないなぁと思って・・・。

この作品は、9人の女性のそれぞれのある瞬間をとらえたもの。押さえ切れない感情があふれ出す瞬間だったり、過去と現在がひとつにつながった瞬間だったり、人と人が結ばれる瞬間だったり、縛られていたものから解放される瞬間だったり、それぞれが自分自身の「何か」に気づく瞬間。

1話10~14分のショットを、ワンシーン、ワンテイクで撮るという試みの作品だそうで、撮影期間は9人の人生それぞれに、2日ずつを要しただけのわずか18日間だったらしい。

1話ずつが短いのに臨場感に溢れているなぁと思ったら、それは「ワンシーン、ワンテイク」という手法だったからかと、後からわかった。ある女優が舞台演劇のワンシーンを演じたら、照明が落ち、また別の女優がワンシーンを演じたら、照明が落ち・・・と繰り返されるうちに、別々の人生を歩む人のバラバラな瞬間が、ひとつの人生を構成しているようにも思え、女優たちの息遣いまで聞こえてきそうな作品。

そんなわけで・・・「美しい人」というタイトルが、ますますもって薄っぺらに思えてしまった。


『ホリデー』(韓国版DVD)

2007-07-11 01:50:44 | K-Movie Notes


(Image source: cine21)

まったく泣けなかった『ファミリー』とは対照的にむせび泣いてしまった作品『ホリデー(홀리데이)』(2006年1月公開 監督:ヤン・ユノ)。男泣きという言葉があるのだから、女泣きとでも言うべきか。

この作品、来月、2007年シネマコリアで上映されるためネタバレは避けたいけれど、それはちょっと無理そうなので、以下あしからず。

この作品は、「有銭無罪、無銭有罪」という言葉を残した、1988年10月に実際に起こった「チ・ガンホン脱走事件」がベース。

刑務所から護送バスで移送中だった12人の服役者たちが、刑務官を襲って脱出し、9日間警察の包囲網をかいくぐってソウル市内をさまよい市民を震撼させた話。脱出した理由は、映画の中でわかるけど・・・。

背景はソウルオリンピック開催前後。オリンピックを契機に「発展途上国」から脱却したい韓国は、国際的なイメージをあげようとシャカリキになっていたことがよくわかる。そのひとつが、貧民街を一掃することだった。そこから、話は始まる。

脱出した服役者のリーダー的存在チ・ガンヒョク(映画では名前を変えている)にイ・ソンジェ、ガンヒョクが刑務所内で対立した刑務副所長役にチェ・ミンス。ガンヒョクとともに脱走する服役囚には、イ・オル、
チャン・セジン、ヨ・ヒョンスら多彩な顔ぶれ。

イ・ソンジェの無駄のない筋肉質の体つきは、そのまま高潔でストイックな精神に結びついているように見えた。『デイジー』の撮影後、10kg落としたそうだ。

「モムチャンを狙ったのでなくて、鋭くて安らぎのない顔を作りたかった」という、イ・ソンジェの言葉通り、理不尽な社会への怒りを抑圧し、眼の鋭さだけがやけに際立っていて、刑務所で孤独な生活を送る姿は、「温もり」とは無縁で、見ていてとても冷んやりするものを感じる。

青春スターの面影をばっさり切り捨てたチェ・ミンスの悪役ぶりは見ごたえがある。ニヤッといやーな笑いを浮かべた口元から覗く金歯が、権力者の卑しさの象徴でもあり、この金歯が見えるたびに抜いてやりたい・・・と思った。

とにかくこの作品を観終わった感想は、情緒的というより、何かどーんとずっしり重苦しくて涙が出た。2人の対決構図になっているが、ガンヒョクの本当の怒りの矛先は刑務副所長ではない。

ガンヒョクが憤りで押しつぶされやしないかと、また、他の感情もなくしてしまうのではないかと心配になってしまうのだけれど、「温もり」を拒否していながら時々見せる優しさが余計に物悲しく、涙腺が刺激されてしまう。ガンヒョクの人生に、いつ休息日があったのかなぁと考えたりすると、さらに涙を誘う。

この事件後、すぐに映画化の話は忠武路でもちあがったそうだが、だれも手をつけずじまいで埋もれた企画となり、ようやく現代史の一片を描く社会派作品として登場したというわけだ。それにしても映画で見る1988年当時の韓国は、60年代ぐらいの様相に見える。日本人の社会的価値観は東京オリンピックを境に変化したとよく言われるが、韓国はどうだったのだろうか。ソウルオリンピックが転換期であったことは間違いなさそうだけど。

実話がベースだが、フィクションも加えられている。刑務所副所長(チェ・ミンス)の存在はフィクション。また、実際この事件が起きた時、犯人チ・ガンホンはビージーズの「ホリディ」 という曲を流してほしいと警察側に要求したが、警察が実際持ってきたテープは、スコーピオンズの「ホリデイ」で、 実際のチ・ガンホンはビージーズの「ホリデイ」を聞くことができなかったとか。

そこで、主役を演じるチェ・ミンスとイ・ソンジェは、自腹を切ってでもビージーズの「ホリディ」を映画の挿入曲にしたがったそうだ。結局、製作会社が巨額のロイヤリティーを支払ったとか。

BEE GEES 「Holiday」 ( link to
余談ですが、この歌詞の解釈って難しいのね・・・
意味が通らない^^; 韻だけは完璧に踏まれているのだけど。

Bee Gees - Holiday

Ooh you're a holiday , such a holiday
Ooh you're a holiday , such a holiday

It's something I think worthwhile
If the puppet makes you smile
If not then you're throwing stones
Throwing stones, throwing stones

Ooh it's a funny game
Don't believe that it's all the same
Can't think what I've just said
Put the soft pillow on my head

Millions of eyes can see
Yet why am I so blind
When the someone else is me
It's unkind, it's unkind

de de de de de de de de de de de de de
de de de de de de de de de de de de de

Yet millions of eyes can see
Yet why am I so blind
When the someone else is me
It's unkind, it's unkind

Ooh you're a holiday , ev'ry day , such a holiday
Now it's my turn to say , and I say you're a holiday
It's something I think worthwhile
If the puppet makes you smile
If now then you're throwing stones
Throwing stones , throwing stones

de de de de de de de de de de de de de
de de de de de de de de de de de



『ファミリー』(DVD)

2007-07-09 23:52:58 | K-Movie Notes

(Image source: cine21)
『ファミリー』という邦題の韓国映画は2つあるようで、私が観たのは原題『家族(가족)』(2004年 監督:イ・ジョンチョル)。

スエが、2004年 第25回 青龍賞 新人女優賞、2004年 第3回 大韓民国映画大賞 新人女優賞、2005年 第41回 百想芸術大賞 新人演技賞、と新人賞を総なめにした作品。

刑務所を出所したばかりの娘ジョンウン(スエ)と、元警官の父親(チュ・ヒョン)との葛藤を描いた作品。
母親が死んだのは父親のせいだと思っているジョンウン。出所しても、笑顔ひとつ見せてくれない父親にますます反発。反発しながらも、幼い弟(パク・チビン)を想うと家とは縁を切れず、独立することを夢見つつも、家族と一緒にいたいという想いも錯綜する。
しかし、かつての仲間で腐れ縁のチンピラ チャンウォン(パク・ヒスン)は、地元のヤクザのボスとして幅をきかせ、顔なじみのドンス(オム・テウン)は No.2 の座におさまっており、ジョンウォンはチャンウォンから過去の清算を要求される。その頃、父親が白血病に冒されていることを知る。


スエが出演した3本の作品の中では、これが一番ヨカッタ。以前にも書いたけど、私はこの人の声が好き。お譲さんっぽくなく、媚びがない。彼女の「清楚」というイメージが先行してしまいがちがだが、この作品では言動が荒んでいてとげとげしく、男から殴られっぱなしでも睨み返すような激しさと、内面の優しさの両面が
にじみ出ている。

この作品は、演技達者そろい。父親役にチュ・ヒョン、弟役にパク・チビン。ジョンウンを脅迫する縁の切れないチンピラのボス役にパク・ヒスン、その手下にオム・テウン。

噂どおりパク・ヒスンが、怖~い 。着ていたスーツが演歌歌手の舞台衣装みたいだったので、オチャメでちょっと笑えるのだけ、とんでもない、笑ったりしたら、殴り殺されるぐらい怖い奴。

オム・テウンが一番ワルなのか。ジョンウン(スエ)を見る目が最もアヤシイので、パク・チャンウォン(パク・ヒスン)から解放してやりたかったのか。実はその当りがちょっとわかりにくいのだけど、結局そういうことだろう・・・と思う。

父娘物語だし泣けるかと思ったら、泣けなかった。泣けなかったのは、おそらく、ストーリーの先が見えていたのというのと、父と娘が抱える葛藤というテーマは、シリアス度はそれぞれ違っていても、どこの一般家庭にもあるような、平々凡々すぎるテーマで特段の目新しさや際立った着眼点もなかったからだ。平凡で単純なテーマだからこそ、丁寧な描写は光っているるが、この場合はひとえに役者の良さでもった作品だと思う。
 


悲しひお知らせ、だから 『舞妓Haaaan!!!』

2007-07-04 22:21:40 | K-Movie Columns


体調は絶不調、仕事はトラブル続きで、心身ともに弱っている私に追い打ちをかけるかのような、ちょっと 悲しひ お知らせ。

『正しく生きよう』の公開ずれ込みに加え、『神機箭』も公開が遅れそうな気配。当初、年末に公開予定という話でしたが、それはちょっと無理じゃないの?と思っていたら、やっぱり無理らしい。現在のところ、公開予定は来年初め。またどうせ変わるんだろうな。

記事( link to)によると、この 悲しひ お知らせの原因は、怒涛のごとく押し寄せてくるハリウッド映画に韓国映画界が振り回されている状況が影響しているらしいのです。それにしても、これまでだってハリウッド映画は輸入されていたわけだし、韓国の人たちはそんなにハリウッド映画に飢えていたわけでもないと思うのですが・・・。

韓国内の総観客動員数が増加しているならともかく、以前と同程度の総動員数でハリウッド映画に有利な配給システムだと、国内映画の出る幕なしって感じがします。5月に訪韓した際、 Mega Box COEX の20近いスクリーンはハリウッド映画で占領され、国内映画は4スクリーンぐらいしかありませんでした。

これってもしかしてスクリーンクォータ(SQ)枠削減のせいなのかしら。保護産業の後退的イメージから脱却するには、「SQ枠の廃止は必須でしょ」と、よそ者の私はエラソーに考えていたけれど、いざ自分の見たい映画が現地でさえ公開されないという、個人的事情がクローズアップされてくると、俄然、SQ 枠維持に傾いたりして(なんてご都合主義な・笑)。ともあれ「淘汰の時代」のようです

悲しひ お知らせで、さらに弱った体には、コメディが一番ということで『舞妓Haaaan!!!』を観賞。

仮にこの作品が韓国で紹介される時には、脚本は「日本のチャン・ジンこと、宮藤官九郎」とでも紹介されるのでしょうか  違和感アリ・・・。同世代の2人には共通点があるため比較対象にされやすいのかもしれませんが、チャン・ジン監督が日本で「韓国のクドカン」と紹介されるのも違和感あるので、その逆もまた然りということでしょうか。

ストーリー性とか小難しいことを突き詰めず、ハイパーテンション な阿部サダヲ君にただひたすらついて行けばよく、ガハハと思い切り笑ってスッキリしました。

ところで、「あんさんのラーメン」は日清食品とのコラボですでに商品化されていたのですね。カップラーメンなんて何年ぶり?でしたが、食べてみたら懐かしい味でした。

            


 


ユ・ジテ×別所哲也 「日韓ショートフィルム事情の現在」 トークイベント 

2007-07-04 01:19:59 | Cinema な時間


当初予定されていなかったのだけど、急遽決まったショートショート フィルムフェスティバルでのユ・ジテと別所哲也のトークイベント「日韓ショートフィルム事情の現在」(司会:古家正亨)@ラフォーレミュージアム原宿。

別所哲也は、このフェスティバルを10年前に立ち上げ、米国アカデミー賞公認短編映画祭に育て上げた、このフェスティバルの功労者であり、主催者なのですね。
さて、いざ記事を書こうと思いPCに向かったのはいいのだけど、ゲゲっ、メモがぁぁ~
よくよく振り返ってみると、会場のラフォーレミュージアム原宿は数百人しか収容しない、つまり舞台と至近距離なため、イベント中ほとんどずっーとジテの顔を見て、ジテに酔いしれていたため、自分で書いたメモが意味不明・・・

以下は思い出せる範囲のメモとその肉付けなのであしからず。


  映画製作の人材の育成について

韓国は映画製作に関する高等教育機関が整備されているが、日本はまだまだ。大学では理論を、大学院では実践をというカリキュラムなのだそうです。
大学院はポイント制で、(短編)映画を1本撮影すると30点、他の学生の制作スタッフとして参加すると10点と加算される仕組みだそうです。

ちなみに、ジテの大学院在学当時の担当教授の1人がパク・チャヌク監督でベストなものを出さなくては、と苦労したとか。

ただ、韓国では映画学科卒業という人は沢山いるし、学生を製作現場でアルバイトに使うこともあり、製作現場ではそれが問題になっているとか。今秋(?)、製作スタッフの労働組合が結成されることになり、それが映画のクオリティ維持にどれだけの役割がを果たすかということが問われているそうです。


 短編映画の良さについて

短編というと、新人監督の登竜門的位置づけだったり、ステップアップの機会だったり、実験的、パイロット的というイメージがあるけれど、作品として出来上がったものが、たまたま長いものだったり、短いものだったりするだけで、本来は上映時間の長さと作品の質は関係なく、自由に挑戦できる表現方法であるというのが、ユ・ジテと別所哲也の共通認識でした。

そもそも、短編映画という定義づけは曖昧なもので、たとえば、ショートショート フィルムフェスティバルでは出品作品の評価基準として、一定の上映時間を規定しているだけであり、20分だから短編で、40分だから中編というくくりにはならないと考えているそうです(別所哲也)。

ちなみに、ジテの最初の短編『The Bike Boy (自転車少年)』は上映時間41分、『How Does the Blind Dream(盲人はどんな夢をみるのか)』の上映時間は42分、次回作は43分か?という冗談も飛び出しました。個人的には両編とも未見ですが、会場で話をしたジテペンによると、昨年ショートショートで招待作品として上映された後者の作品は、「短編なのに眠りそうになった」とか(笑)。

映画は絶対的なものではなく、相対的なものであり、短編映画は文化の多様性の一部であると考えているそうです。


 日韓それぞれ短編1編ずつを鑑賞後、またトークへ

韓国 『ブラボー、ミスター・キム』(監督:チョン・ソンク) ヒューマンドラマ?
日本 『LINE』(監督:中尾浩之) コメディ?

作品性、ジャンルが違うため一様に比較はできないけれどもという断りを入れた上で、別所哲也が両作品の共通点を、ユ・ジテが各作品の長所と短所を、2人ともポイントを押さえた評価でした。

『LINE』は、とっても面白い短編でした。短編映画が配給されることはあまりないですが、機会があったらチェックしてみてください。隣に座っていた映画青年の話によると、この監督は今、大注目株なのだそうです。


 韓国映画界について

韓国映画界は今、ルネサンスと呼ばれているそうです。以前は年間70本程度だった製作本数が、ここ数年は150本近くになり、その損失額は1000億ウォン(約130億円)。量産されすぎて、ディテール(質)の問題が大きくなり、揺れているのが現状。今年の製作本数は50本ほどに絞られ、労組の結成も、今後の映画界に影響がありそうだということです。

ユ・ジテ自身は、現在 7(俳優):3(監督) の割合で仕事をしているが、将来的には 5:5 ぐらいにしたいそうですが、「とりあえず食べていかなくちゃいけないので俳優をやっています(笑)」


                           

私自身は、短編そのものをわざわざ選んで見るわけではないけれど、オムニバス映画好きなので、おのずと短編の集合体という形で、短編にも触れていきたいなぁと思うイベントでした。

短編2編込みで、密度の高い2時間トーク、1000円也って美味しすぎます。単純なお金の問題じゃないけれど、こんな満足度200%のイベントはなかなかないような気がします


プラープダー・ユンのトークイベント

2007-07-02 23:07:49 | Cinema な時間


シネマート六本木の亜細亜娯楽講座 『インビジブル・ウェーブ』の果てに~タイを変えた作家が語る、“タイカルチャーの新しい読み方” に参加してきました。

ゲストのプラープダー・ユンは、タイのマルチアーティスト。作家、編集者、脚本家、グラフィックデザイナー、フォトグラファー、作詞家、ミュージッククリップ制作と、その肩書きは多様です。

映画の脚本家としては、ペンエーグ・ラッタナルアーン監督の『地球で最後のふたり』(2004年)と『インビジブル・ウェーブ』に参加。どちらの作品も、撮影監督はクリストファー・ドイルで、主演は浅野忠信(私は『地球で最後のふたり』は未見)。

以下は思い出せる範囲の私のメモ書きです。
トークの前半は『インビジブル・ウェーブ』の話で、プラープダー・ユンさん自らが撮ったロケ地のスナップ写真を見ながら、撮影の舞台裏を追っていきました。


 ペンエーグ・ラッタナルアーン監督×クリストファー・ドイル×浅野忠信×プラープダー・ユンの競作2作品について

『地球で最後のふたり』はもともと映画のために書き下ろしたものではなく短編作品用だったが、『インビジブル・ウェーブ』は最初から映画のために書き下ろしたので責任重大だと思った。1作目は制作には一切タッチしなかったが、2作目はロケハンとの旅にも同行し、制作に関わることができスタッフと親しくもなれたが、この組み合わせで、次の機会があってももう一緒に仕事したくない(笑)。親しくなりすぎちゃって・・・

 浅野忠信のイメージは?(@『インビジブル・ウェーブ』)
浅野が演じるキョウジのイメージは自分が思っていたのとまったく違った。外見は、短髪で清潔感があるが、カッコよくない主人公というイメージだったが、作品ではカッコよくなってしまった(笑)。

 作品の舞台について
香港から始まり、マカオ、プーケットと脚本を書きながら、実際に舞台となる場所を旅した。どの街にも類似性があり、場所が変わっても、人間の気持ちは変わらないというテーマ、特にこの映画では、どこへ行っても罪悪感から逃れられないというテーマに沿うものだと確信した。ドイル撮影監督は、いろいろとアイデアを提案してくれたが、彼のアイデアは予算的にはスピルバーグ並みだった(笑)。

プーケットのホテルの場面は、最初なかったがドイルのアイデア。古い学校のような不思議な場所だったが、フェリー船内の部屋とホテルの部屋のインテリアを同じイメージにした。

撮影準備に1年、実際の撮影は8ヶ月間。

 主人公が日本人なのはなぜ?
それは浅野さんが日本人だから(笑)。この作品は、ペンエーグ監督のアイデアで始まり、プロデューサとも話し合って、浅野さんのキャスティングがまず決まった。自分自身も日本とは交流があるので(来日は20回以上)、日本人が主役なら書きやすいだろうということになった。NY留学中には日本人からインスパイアされることが多かった。

 『インビジブル・ウェーブ』の根底に流れる罪の意識について
宗教に興味はあるが、とくに仏教だとかキリスト教ということを意識していない。自分が伝えたかったのは、社会に対する、もっと社会の全般的な罪悪感。タイ社会では、罪を問わない、罪を助長するような風潮があるため、何かを投げかけたかった。


後半は、アーチストとしてのプラープダー・ユンについて、日本で撮った写真も披露してくれました。

 マルチアーチストとしての活動について
アメリカではアートを学際的に学んだ。ところが社会では、何かひとつに特化することを良しとする風潮がある。色々な分野に手を出せば出すほど、呪われるような気分(笑)。色々と手を出すと軽く見られてしまう。他の分野に少しでも足を踏み入れると、領域を侵したかのように、越境してきたかのように見られてしまう。自分は作家からスタートしたが、最初にやったことがその人のアイデンティティのように思われてしまう。

 書くということ
自分はアートに関わる仕事をしたいと思っている。「書く」こともその表現のひとつ。作家は孤独で、作品を書き上げるプロセスは、外から見えにくく、始まりも見えにくいが、挑戦しがいのある仕事である。書くことは演技に近い。自分ではない人間を描くことができる。

                          

タイカルチャーにはまったく無縁なので、新鮮なお話でした。プラープダー・ユン氏は、海外で教育を受け、タイのインテリ層を代表するカリスマ的存在なのだそう。外見はスキンヘッドで怖そうだけど、笑顔はお茶目で、とても洗練された感じでした。ユーモアもたっぷりだし。

マルチタレントを持っているからこその悩みのあるようでしたが、「何かこうでなければならない」と縛られたり、「ここからここまで」と行動の範囲を設定されてしまうことが、彼にはとても窮屈そうでした。

『インビジブル・ウェーブ』については、私的には流れるような映像がヨカッタという方が先に目に付いてしまって、ストーリー的には面白さがやや物足りないなどと言ってしまったのだけど、やはり実際に脚本を書いた方の生の言葉を聞くと、それこそインビジブル(見えない)部分がビジブル(見える)になってくるのが不思議です。それに、『インビジブル・ウェーブ』というタイトルは、本当に何かがヒタヒタと押し寄せてきそうなタイトルだなぁと改めて思いました。

           Entertainment Magazine Cinemart vo.1 (free paper)  より