Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

『いかさま師』(韓国版DVD)

2007-07-27 01:23:39 | K-Movie Notes


(Image source: cine21)

日本での配給もついておらず(たぶん?)、フィルムフェスティバルなどでも上映されそうもないので、やっぱり見ておかなくてはということで、『いかさま師(타짜)』(2006年9月 監督:チェ・ドンフン)。
出演:チョ・スンウ、キム・ヘス、ユ・ヘジン、ペク・ユンシク、キム・ユンソク

花札の賭博「ファトゥ(화투)」は「花闘」と書くらしい。なんだか、有閑マダムのお稽古事みたい。

さて、あちらこちらでレビューを拝見して、感想は「絶賛派」、「思ったほど・・・派」と一様でないところが面白い。もちろん究極的には個人の好みや、受け入れ方なので・・・

この作品、2時間20分もある長編だが、そんな時間の長さを感じさせないテンポのよさ。同監督の『ビッグ・スウィンドル(原題:犯罪の再構成)』もテンポが良かったけれど、私的には『ビッグ~』はカラクリがすぐわかってしまったのであまり楽しめなかった。

『いかさま師』の原作は漫画のせいか、ストーリーや登場人物の人間関係がしっかり組み立てられているという印象。映画の中では、それぞれの人物像を深く掘り下げて見せるところまで至っていないのか、それとも、わざと見せずに、それは見る側で掘り下げられるように自由な裁量を与えているのか、いずれにしろ受け取り方によるのかな。

ストーリーの展開も、ごく普通の若い労働者が、家のお金を持ち出して花札に手を出したら、賭博師に騙されてなけなしになってしまい、取られたお金を取り戻すために、タッチャ(賭博のプロ最高位)に奥義を伝授してもらいながら、賭場を渡り歩いていくという渡世話に過ぎないと言っチャ、それまでなのだけど

「ここで泣いてくれ」、「ここで笑ってくれ」と涙や笑いを強要するような場面はどこにもないので、観客に擦り寄るようなところがなく、情感的にベタベタしていない。それなのに、ぐいぐいと引っ張っていく躍動感があって、エンターテインメント(娯楽性)に徹しているところが何よりもよかったと思う。

要は、個人的には結構引き込まれて、楽しんでしまったので花マル。
衣装や背景などの色彩感覚が面白い。一体いつの時代なのか、時代設定が不明(って私が知らないだけかも)なのも、ミステリアス。

それにしても、役者が揃いすぎ
どの役者も注目したい役者ばかりなので、こっちもあっちもと目が離せなくせわしない。きっとそのせいで時間の長さが気にならなかったのかしら?

チョ・スンウは、これまで見た作品の中では、これが一番輝いて見えた。カッコイイと思ったことなかったけど、ここではなかなかどうして。何かが吹っ切れた?

この作品で私の目が はあと に近かったのは、ペク・ユンシク。すてき。この方の語る映画論とか演技論とか、難しいお話をうっとりと聞いてみたいなぁ(わからなくたっていいの・・・)。

惜しげもなくナイスバディをさらしたキム・ヘス。「結局、女が一番ワガママでワルなのよね」というような役は彼女にぴったりだわ。
 
ポップコーンの袋を漁っていた姿から、凶暴な(?)姿へに豹変したのは、キム・ユンソク。その豹変ぶりが、かなり人気のようで・・・

ユ・ヘジン。どうして、あんたはそこにいるの?というシチュエーションに登場して、若干おじゃま虫的存在なのだけど、憎めなくてね。しゃべる、しゃべる(笑)。「しぇーっ!!」の人に似てる。

余談ながら、キム・ヘスのナイスバディより気になったのは、チョ・スンウが身に着けていたバックルが「H」のベルトで、あれは、本物のエルメスなのか、偽物なのか・・・と、なぜか作品中ずっと気になった。

Cine21 DB