Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

『ファミリー』(DVD)

2007-07-09 23:52:58 | K-Movie Notes

(Image source: cine21)
『ファミリー』という邦題の韓国映画は2つあるようで、私が観たのは原題『家族(가족)』(2004年 監督:イ・ジョンチョル)。

スエが、2004年 第25回 青龍賞 新人女優賞、2004年 第3回 大韓民国映画大賞 新人女優賞、2005年 第41回 百想芸術大賞 新人演技賞、と新人賞を総なめにした作品。

刑務所を出所したばかりの娘ジョンウン(スエ)と、元警官の父親(チュ・ヒョン)との葛藤を描いた作品。
母親が死んだのは父親のせいだと思っているジョンウン。出所しても、笑顔ひとつ見せてくれない父親にますます反発。反発しながらも、幼い弟(パク・チビン)を想うと家とは縁を切れず、独立することを夢見つつも、家族と一緒にいたいという想いも錯綜する。
しかし、かつての仲間で腐れ縁のチンピラ チャンウォン(パク・ヒスン)は、地元のヤクザのボスとして幅をきかせ、顔なじみのドンス(オム・テウン)は No.2 の座におさまっており、ジョンウォンはチャンウォンから過去の清算を要求される。その頃、父親が白血病に冒されていることを知る。


スエが出演した3本の作品の中では、これが一番ヨカッタ。以前にも書いたけど、私はこの人の声が好き。お譲さんっぽくなく、媚びがない。彼女の「清楚」というイメージが先行してしまいがちがだが、この作品では言動が荒んでいてとげとげしく、男から殴られっぱなしでも睨み返すような激しさと、内面の優しさの両面が
にじみ出ている。

この作品は、演技達者そろい。父親役にチュ・ヒョン、弟役にパク・チビン。ジョンウンを脅迫する縁の切れないチンピラのボス役にパク・ヒスン、その手下にオム・テウン。

噂どおりパク・ヒスンが、怖~い 。着ていたスーツが演歌歌手の舞台衣装みたいだったので、オチャメでちょっと笑えるのだけ、とんでもない、笑ったりしたら、殴り殺されるぐらい怖い奴。

オム・テウンが一番ワルなのか。ジョンウン(スエ)を見る目が最もアヤシイので、パク・チャンウォン(パク・ヒスン)から解放してやりたかったのか。実はその当りがちょっとわかりにくいのだけど、結局そういうことだろう・・・と思う。

父娘物語だし泣けるかと思ったら、泣けなかった。泣けなかったのは、おそらく、ストーリーの先が見えていたのというのと、父と娘が抱える葛藤というテーマは、シリアス度はそれぞれ違っていても、どこの一般家庭にもあるような、平々凡々すぎるテーマで特段の目新しさや際立った着眼点もなかったからだ。平凡で単純なテーマだからこそ、丁寧な描写は光っているるが、この場合はひとえに役者の良さでもった作品だと思う。