Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

TIFF 『Rain Dogs (太陽雨)』

2006-10-27 23:42:26 | Cinema な時間


今日はマレーシア映画『Rain Dogs(太陽雨)』@TIFF。マレーシア映画って、なかなか見ることはないと思うのだけど、この作品はあのアンディ・ラウ率いる若手支援プロジェクトFocus Film Cutsで製作されたヴェネツィア国際映画祭入選作。監督:ホー・ユーハン。

 (Image source: tiff)
たったこれだけの知識だけで見に行ったのだけどね・・・うーん、面白くなかった
先日のフィリピン映画『クブラドール』の方が臨場感あふれてて面白かったのだけど、アジア映画といっても全くジャンルが異なるので、比較しても仕方ないか。

実は監督のティーチイン付きだったのだけど、私はもう今週ヘロヘロなので、スキップしてしまった。この作品、映画祭などで高い評価を得ているのだとか。たぶん私って、芸術的センスゼロなのかも・・・ それか K-Movie の見すぎで、ストーリー性がしっくりしていないとなんか物足りなくなってるみたい・・・いかん、いかん。やっぱり K 以外に他の作品観なくちゃね。

マレーシアの一青年の目を通して見た身近な人間の生活と風景が描かれている。都会でいざこざに巻き込まれて死んでしまう兄、男を家に入れる母、伯父の家で出会った姉妹、貧困な生活・・・

ストーリー性というものがあるようでない、ないようであるのだけど、言い換えると、無駄がない。小さな葛藤や悲しみが積み重なっても、感情のもつれや絡みも大きなうねりはないし、人物設定も込み入ってないし、セリフも少ない。この青年がかかわる人間関係も淡白だ。そんな素っ気なさが、マレーシアの山や田園風景に妙に溶け込んでいるのが印象的

 


TIFF 『家門の危機』

2006-10-25 19:14:54 | K-Movie Notes


(Image source: nkino)
K-Movie100本目達成 もっと他の映画も観ようよ!と自分には言い聞かせているのだけどね・・・はまると止まらないので、もうしばらくはこの勢いで見続けるかも・・・

韓流にはまる以前に見ていた K-Movie は『シュリ』と『JSA』だけ。しかも『シュリ』でなぜか気になったのは、盗聴器が仕掛けられた熱帯魚だったし、『JSA』にいたっては、イ・ヨンエssi の肌はどうしてあんなに美しくのかと見とれてしまって、かの人のことはあまり印象に残ってないし・・・あとで知ったときはもちろん愕然としたけどね・・・私は一体どこに目をつけて何を見てたのかって

『家門の危機』(2005年 監督:チョン・ヨンギ)は、家門シリーズ1作目『家門の栄光』(邦題:『大変な結婚』 2002年 監督:チョン・スンフン)をひきついだ2作目。3作目『家門の復活』はつい最近(9月)韓国で公開されたばかり。この家門シリーズ、すっかり定着しているようだ。1作目と2作目の監督は異なりストーリーも別のものだが、2作目と3作目はチョン・ヨンギ監督で、ストーリーも続きものらしい。

1作目『家門の栄光』よりずっーと面白かった2作目『家門の危機』。シン・ヒョンジュンssi 、キム・ウォニssi、キム・スミssi などコメディの上手い役者が揃っている。1作目の主人公チョン・ジュノssi もカメオ出演している。ずっと笑いっぱなしなので、後腐れなく、気持ちよく映画館をあとにできる作品。

なにしろ直球コメディ。変化球はほとんどない。面白さや可笑しさにひねりを入れすぎたり、料理で言うと下味にはハーブの香り付けをなんてまわりくどい事をせずに、正面から笑いで勝負した作品のように思える。もちろん製作側はいろんな仕込みをしているのだろうけどね・・・

昨日は、映画祭ゆえ、これも監督のティーチイン付きだった。ラッキー
とても人のよさそうな監督。会場にはシン・ヒョンジュンさんのファンが多いだろうからって、今回連れて来れなくてすみませんと、謝ったり・・・ファンからの手紙を届けますと言ったり・・・シン・ヒョンジュンssi は、現在ハワイにご滞在で、HIFF(ハワイ国際映画祭)でアジアスター賞なるものを受賞されたそうで、しっかり近況まで報告してくれた。

監督は観客と一緒に作品をご覧になり、笑いのツボというのは文化によって通常異なるのだけど、この映画では日本でも笑うところが韓国と同じだったと嬉しそうだった。「本当に面白かったですか?」と念を押すところなど、憎めない監督だ。

今回TIFF協賛企画のこのコリアンシネマは、「家族の絆」がテーマ。この作品が描く家族は暴力団なんだけど、率いているのは母親(キム・スミ)。この母親が、古きもの(伝統)を自らの手で断ち切って、息子のために新しきものを切り開くというところが、ミソらしい。当初シナリオでは、この組織の頭は父親だったそうだけど、シン・ヒョンジュンssi のアイデアで母親が組織の頭になったそうだ。男性より女性の方が、古きものを断ち切る勇気があるイメージにぴったりということで。

「デルモンテ」と「サンキスト」が最高にウケたのだけど、見てないと意味不明だよね。日本でも公開間近なので、ゲラゲラと声をあげて笑いたい方は、ぜひ見て。そうすれば、デルモンテとサンキストの謎が解ける・・・ダヴィンチコードならぬ、家門コード

 


TIFF 『浜辺の女』

2006-10-23 23:53:42 | K-Movie Notes


さてさて、99本目はTIFF@渋谷Bunkamura の『浜辺の女』(2006年 監督:ホン・サンス)。コンペティション参加作品。昨日のこの作品上映では、ホン・サンス監督のプレスと一般とのジョイント記者会見付だった。そんな事どこにも書いていなかったのだけど、ちょとしたサプライズが映画祭の楽しみ。

(Image source: tiff)

『浜辺の女』なんてタイトルだからメロ作品だとばかり思ったら、まぁメロであるような、コメディであるような、ドラマであるような。うぷぷ

『女は男の未来だ』を見た人にしかわからないのだけど、この作品は『女は・・・』を3倍ぐらい拡張強化した作品。奥行きもある。『女は・・・』以上に、『浜辺の女』は、くっくっくと笑い始めるととまらない。男女のすれ違ったおかしな会話が、楽しめる。

ストーリーはシナリオ創作に行き詰った映画監督(キム・スンウssi)は、映画美術担当(キム・テウ)とその彼女ムンスク(コ・ヒョンジョン)と一緒に海岸へ行き、そこでシナリオ創作に没頭するはずが・・・ムンスクに惚れてしまい、三角関係になってしまう

『女は・・・』同様、ここでも三角関係なのだけど、今回は、大きな三角関係、小さな三角関係が生まれては消え、また生まれて重なりあったり、男女間の機微がなんとも心憎く描かれている。頼りなくて臆病な監督を演じるキム・スンウssi ははまり役だし、浜辺のヒロインのコ・ヒョンジョンssi は一旦芸能界を引退して最近カムバックした女優で、本作品が映画デビュー。演技を初めて見たのだけど、なかなか味のあるいい女優さん。顔は美しいけど存在感のない若い女優さんが多い中、すごい美人というわけじゃないけど愛嬌があって、この人やっぱりただ者じゃなさそう

どうして三角関係を題材に?という問いに、監督は「どうしてだかわからない」(爆)
って、あなたがシナリオ書いたのでしょう!??

主人公の職業に映画監督を選んだ理由は? ホン・サンス監督の分身か?という問いには、「映画監督じゃなくても、職業は何でもよかった。ただ身近なものだったからストーリーを展開しやすいと思った。理由はない。今度は別の職業にも目を向けた方がいいのだろうか?」
って、理由もなく映画監督を選んだ??(爆) 職業は何でもよかったと3度も強調しておられたので、かえって、やっぱりご自身の分身なんじゃないのぉぉ?? なんてアマノジャクな私は思ってしまった。
 

『女は・・・』でユ・ジテssi が演じた役もそうなのだけど、作品中、男性の存在がなんとも頼りなくて、いい加減で、臆病で、でも憎めなくて・・・ そして、女性の方はさっぱりしているようで、時々執着心も見せたりして可愛くて、でも、意外と地に足がついている。ホン・サンス監督の描く男女って、舞台が韓国でなくてもどこでも世界を置き換えられそうだ。

監督いわく、ネタは身近なところで、見つけるそうだ。作品におけるものの見方というのも、平凡で、ごく普通の生活の何気ないところを掘り下げて、何かを見つけたかったそうだ。カメラワークにもズームをあまり使わず、確かに役者の表情をどアップで撮っていないので、何かこだわりあるのかという問いにも、「理由が特にあるわけでなく、ただなんとなく(爆)、そのときの監督の感性で撮った」のだそうだ。作品を見れば、本当に感性と経験だけで撮った作品だということがすぐにわかる。

プレスと一般とのジョイント記者会見はTIFFで今回初めての企画だったらしいのだが、監督がこんな感じでボソボソ話すのでちっとも盛り上がらなかったのだけど、それがまたこの監督らしくて でも国際舞台慣れしておられるせいか、韓国語と英語とダブルの通訳はややこしいからと、自らすべて流暢な英語で話をされた。

そうそう、キム・テウssi も出演しているのだけど、どうもそのキャラのせいか、テウssi ってやっぱりそういう運命なのね・・・うぷぷ。
日本での公開予定はないそうだけど、お奨めの一品なのにもったいないなぁ・・・

 


TIFF 『王の男』

2006-10-22 02:56:16 | K-Movie Notes


PIFFまでに100本達成するはずだった K-Movie。カウントダウンでひとりで盛り上がってる。98本目のK-Movieは『王の男』。3月にソウルに行った時、字幕なくても見ればよかったと後悔した作品。ようやく、TIFF@六本木(渋谷でも・・・)に登場。

イ・ジュンイク監督とイ・ジュンギssi の舞台挨拶つき。この2人名前が似すぎて、ウケた・・・

イ・ジュンギssi のファンというのが、日本人はもちろん、韓国から、そして香港から駆けつけていてビックリ。「きゃ~」との黄色い声につつまれ、会場の雰囲気と映画のイメージがなーんか違うなぁと引いてしまった。自分がイ・ジュンギssi のファンじゃないからこんなこと言ってるけど、これって、Brian のイベントでもファンじゃない人から見ると、まったくおバカな風景にうつっていることがいまさらながらよーくわかった。気をつけようっと・・・

この作品、決して男色映画ではない。芸人コンギルを演じたイ・ジュンギssi によると、「女性のような男性でなくて、中性的な男性を演じた」という表現が面白かった。ご本人は声も低くて、背も高いし男っぽい感じなので、ちょっとびっくり。自分の勝手なイメージで、女形みたいな俳優を想像していたのだけど、全然違う。若いのにかなり演技力があるってことだよね

今さらここであらすじは書くまでもない。時代は、李朝朝鮮時代に暴君と呼ばれた燕山王の時代。一体誰が主役なのかな・・・芸人魂で一旗あげたいチャンセン(カン・ウソン)、チャンセンの相棒コンギル(イ・ジュンギ)、そして燕山王(チョン・ジニョン)。芸を通して結ばれるチャンセンとコンギルの深い絆、コンギルの妖艶さ・繊細さ、燕山王の孤独。これが三つ巴になってストーリーは展開する。宮中でチャンセンたち何か演目を披露するたびに、宮中は血の海になる。

実は、私はこの映画がまだ消化できていない。自分で勝手に解釈を難しくしているせいかもしれない。なぜかとても切なくて涙が出てきてしまったのだけど、どうして涙が出たのかわからない。

ただ俳優たちの演技はすばらしく、出演者の表情の撮り方が上手い。そして、音楽がいい。12月に公開されたらもう一度見ようと思っている。消化不良なので・・・。字幕が現代語調で少しがっかり。字幕だけ読んだら現代劇なのではないかと思うほどだけど、字数制限の厳しさなのか。

宮廷と大衆芸人とのかかわり。これは個人的にとてもひっかかった。本当に芸人を宮中に抱えていたのだろうか。身分の低い賎民と宮廷のかかわりというのは、歴史を紐解く上でとても興味深い視点。身分制度の元では、低い身分の階層と高貴な身分の階層はかかわらないはずなのに、賎民と呼ばれる社会の底辺でさまよう人々が、実は宮廷や社会を動かす力を持っていたのではないかという歴史の視点。

日本の中世史や西洋の中世史
でもこの視点がよく取り上げらており、個人的には学生時代とりあげた研究テーマだったので、李朝朝鮮にも同様のケースがあったのであれば面白いなぁ、なんて思った 。


19th TIFF開幕 ~ 『クブラドール』

2006-10-22 01:57:41 | Cinema な時間


21日(土)、第19回東京国際映画祭開幕!
毎年、PIFFに引き続いて開催されるTIFF。今年も会場は六本木ヒルズと渋谷Bunkamura。

今年もいろいろ見たい映画はあるのだけど、見たいからといって全部見られるわけもなく、自分のテーマとしてはやっぱりアジア映画。

さっそくのぞいたのが、フィリピン映画『クブラドール』
この映画を選んだ特別な理由はない。『王の男』の前についで1本見ておこうかなぁと気楽な気持ちで。そしてこれにはティーチインがついているので製作者の話が聞けると面白いと思ったから。

    (Image source: tiff)

クブラドールとは、Bet Collecter、つまり賭け事の賭け金収集屋のこと。舞台はフィリピンのスラム街。フエテンと呼ばれるナンバーゲーム(数字を当てる)の違法賭博の賭け金を街の人々から集めて胴元から手数料をもらって生計をたてるクブラドールのアメリタという女性をめぐるスラム街の人々を描いた作品。

このフエテンはフィリピンの社会問題になっていて、違法にもかかわらず、胴元が国会議員だったり、アロヨ大統領の親族がこれに関わっていて追求されている。

本当のスラム街で撮影されたということで、社会派ドキュメンタリー作品だとばかり思ったら、ちゃんと役者が演じている「ドキュメンタリードラマ」。狭くて汚くて、薄暗い路地裏でひしめき合うように暮らす貧しい人々。警察の目を盗んで賭け事に興じる。賭けごとでしか儲けることができないからだ。フィリピンの現代社会、貧困層の日々の生活をそのまま映し出している。

フィリピンの貧困層の暮らしというものは、私たちが考える貧しさとはあまりにもギャップがありすぎる貧しさである。アメリタは軍人だった若い息子を亡くしている。そんな哀しみも癒されることないまま、そして、そこで生活するしか選択肢のない人生をなかば諦めているようにも見える。スラム街の誰かが死ねば、共に涙して埋葬のための寄付金集めに奔走したりする心の余裕・優しさ・純粋さも持っているのだけど、この人たちに希望はあるのだろうか?? と生活という不条理な現実に切なさがあふれていた

ティーチインに参加したこの作品の脚本家ラルストン・ホエール氏は、このスラム街に住む人々がみな抜け出したいと思っている世界を忠実に描いたという。こういう作品は内容的に自国でも受け入れてもらえないし興行的にも難しい作品だが、海外の映画祭を通じて、経験してもらえば嬉しいと語っていた。

アジア映画といえば、韓国映画と香港映画、たまに中国映画ぐらいしか見ていない。東南アジアの国々でも映画が製作されていることは知っているけど、なかなか見ることはない。こういう映画祭でしか味わえないものかな


DVD鑑賞 『永遠の片想い』

2006-10-11 23:55:06 | K-Movie Notes


(Image source: nkino)
『永遠の片想い』(2002年 監督:イ・ハン)、原題は、『恋愛小説(연애소설)』、英題は『Lover's Concerto』。
邦題は、また、なんてベタなタイトルなのかしら。いかにも韓流。ええ、今の自分だって、もう永遠の片想いそのものだわ(爆)。

原題の『恋愛小説』っていうのは、しっくりこない。作品中、「写真」とか「手紙」が重要な小道具になっているのに、「小説」っていうと、なんだかまったく違う響きだわ。英題の方がまだ作品全体のイメージにあっているような気がする。

しかしこの作品の出演陣がすごい・・・ チャ・テヒョンssi、イ・ウンジュssi 、ソン・イェジンssi、ムン・グニョンssi、キム・ナムジンssi ・・・イ・ウンジュssiは残念だったけど、いまやどの方も主役を張っておられる方ばかりで・・・

無二の親友のギョンヒ(イ・ウンジュ)とスンイ(ソン・イェジン)。ある日、カフェでアルバイトをしているジファン(チャ・テヒョン)はこの2人に会い、スンイに一目惚れし告白するが、スンイに断られる。3人良き友達でいようと楽しい日々を送るうちに、微妙な愛情と友情の間で3人の関係が揺れ始め、2人はジファンから去ってしまう。それから5年後、この3人は再会できるのだろうか・・・ 

出ました、必須エレメントの「病気」。韓流はこうでなくちゃ??ってことはないけど・・・
だいたい、女1人に男2人という設定が多い中、男1人に女2人の三角関係。こうなるとやっぱり、男女間に友情はあるのだろうか、そして女友達の友情は? みたいな方向かとだいたい想像もつくけど、結局「病気」でカタがついてしまうのはちょっと手っ取り早くないかしら。俳優陣のキャラのおかげで、見ていてくどくどしていないところがいいのだけどね。

この作品、字幕がいまひとつ。せりふに余韻がまったくないの。話しているハングルわからないけど、映像から感じ取るものとなんか違ってて・・・「ん??」ってひっかかるところが多かった。頻繁に時間軸が行き来したりするので、その流れがうまくつながってないというか、私の理解がトロいのか・・・
ああ、ハングルが直接、全部理解できたらなーって、こういうときに切に思うのだけど、いつも「思う」だけなんだよねぇ・・・


DVD鑑賞 『ワニ&ジュナ~揺れる想い』

2006-10-10 21:05:58 | K-Movie Notes


(Image source: nkino)

『ワニ&ジュナ~揺れる想い~』(2001年 監督:キム・ヨンギュン)。この作品をピックアップした理由は特にない。ずっと録画したままだったので、とりあえず見ることに・・・。
 
ワニ(キム・ヒソン)は、アニメーターで、シナリオライターの恋人ジュナ(チュ・ジンモ)と同棲している。ある日母親から弟ヨンミン(異母弟)が留学先から帰国するという電話をもらう。実は、彼女の初恋の相手は、この弟(チョ・スンウ)なのである。今でもそれを少なからず引きずっている。弟の存在が気になって、恋人との関係をギクシャクさせてしまう。

だから「揺れる想い」のようだ。ストーリーはたいした話ではないので、結論は最初から見えているでしょ!って言いながら見ていたのだけど。病気やら、貧富の差やら、韓流の必須エレメントがないのがいい

弟役のチョ・スンウssi。この作品に出ていたとは、知らなかった。まだデビューしたての彼なのだが、この人は若い頃から何を演じさせてもぴったりはまってしまうという特技があるようだ。なんだか天才的だ

アニメーターとシナリオライターのカップル。両人ともクリエーターのカップルなんだけど、このカップルは、物事を生み出す職業のわりには、冷静というか、エネルギッシュな部分を感じさせないのがなぜか不思議に思えた。微妙に屈折した感情はあるのだけど、衝突もないし、感情の起伏が大きくうねることもほとんどない。1場面だけかな・・・。

そんなキャラクターがよかったのかもしれないのだけど、キム・ヒソンssi はこれまで見た作品ではあまり好きじゃなかったのだけど、この作品の彼女はとてもよかった。

ジュナを演じたチュ・ジンモssi。
この人カッコいいのにあまり見かけないのはどうして?


『フラガール』鑑賞

2006-10-05 01:29:15 | Cinema な時間


(Image source: yahoo)

忙しいと言いつつ、今日はあまりにも嫌なことの韓定食状態だったので、レイトショーに飛び込んだ。妻夫木君の『涙そうそう』とどっちにしようかなぁと迷ったのだけど、某ブログ主さんのレビューで、よかったと絶賛されていたので・・・

蒼井優ちゃんとしずちゃんの出演で話題だけど、主演は松雪泰子。松雪さん、好き嫌いは別にして、どうしてあれだけ完璧な顔を持っているのだろうか。どこか一部でいいから分けてぇ~っていうのもヘンだけど、相変わらず美しい

彼女はずいぶん表情豊かになったと思う。以前は、皺になるとイヤだからと言ったか言わないかわからないけど、表情なかったもの。

蒼井優ちゃん、かわいい。フラダンスもお上手。最初、ぎこちない訛りに大丈夫かなぁ?と思ったけど、最後は気にならなくなった。松雪さんと対照的な存在だからこそ存在感があったような気がする。松雪さんがいてこそ蒼井優ちゃんが新鮮に輝いてみえ、蒼井優ちゃんがいてこそ松雪さんの艶っぽさが光っていた。

しずちゃん、迫真の涙の演技にびっくり。場内、号泣だった
豊川悦司を見たのはなんだか久しぶり。こんなもったいない使い方していいのかぁと思ったけど、炭坑夫の彼もやっぱり素敵。

常磐ハワイアンセンターの成り立ちについて知らなかった。炭鉱の町の人による、炭鉱の町の人のための施設だったのね。フラガールに一番なりたがっていた「さなえちゃん」の夢が叶わないのが、私は一番悲しかった。最も切望している人の望みが絶たれるのは切ないし、それが最も現実に近かったりするものだから、余計に悔しかったりもする。

ハンカチ王子みならって、映画館にはぜひハンカチ持参で・・・


DVD鑑賞 『連理の枝』

2006-10-01 12:57:33 | K-Movie Notes


(Image source: nkino)
ちょっと数えてみたら、これが韓国映画鑑賞95本目にあたる。釜山国際映画祭までには100本到達は達成できそうな予感・・・って、そんな目標を立てていたのかと突っ込まれそうだ。ちなみにこのブログのカテゴリ「韓国映画」での紹介と、鑑賞本数は一致しない。このブログを立ち上げる前に観たものとか、観てもレビューがかけないほどお粗末だったものとか、観てみたら思い切りエロだったとか・・・そんな作品も含まれている。

さて、『連理の枝』(2006年 監督:キム・ソンジュン)。本国でも興行的にはコケて、日本でも映画館に行くほどの作品ではないとチングからアドバイスを受けていたけど、やっぱりDVDでOK。

どこかのTV番組で観たけど、チェジュ島にある連理の木って、本当にある木ではなく、造りものだそうだ。もちろん映画でも、どうしてもその造りものの木に目がいってしまって、枝ぶりやら、風になびく葉っぱの流れが気になって、気になって・・・ あそこに1本だけあるなんて変だよね、あの木は・・・。 

韓流コンテンツに不可欠なエレメント「病気」。チェ・ジウssi ほど、これにぴったりくる人はいないだろう。彼女ははぜか病人役が多いというのもあるだろうけど、それなりに病人役にあった役づくりを陰でしているのだろう。ピチピチな白血病患者など(例:「秋の童話」)を観ると、観る方はげんなりしてしまう。

ここであえてあらすじを言わなくても、もうだいたい予想がつく展開。「最後の愛」とかそういうキーワードに弱い方、涙に飢えている方は、観てもいいかも。そして、悲しいことに、実は病気がたたみかけてやってくるのだけど、ここでは言わないことにする。お楽しみというか、えっ? はぁ??? そんなぁ?? それはちょっと・・・という展開でもあったりする。また、ミンスとヘウォンを取り巻く人々が、コメディタッチに描かれているのが、なんだか消化不良のコメディで余計なような気がする。


ミンス(チョ・ハンソン)とヘウォン(チェ・ジウ)は、2本の木が絡み合って1本の木になるような、そんな連理の枝ほどの強い「愛」をどこで確信したのかよくわからなかった。なんとなく、最後に流れるシン・スンフンssi の「The 韓流」的な歌声にうっとり騙されて終わってしまった。


DVD鑑賞 『クライング・フィスト』

2006-10-01 11:58:48 | K-Movie Notes

(Image source: nkino)

参りました!
この作品『クライング・フィスト』(2005年 監督:リュ・スンワン)を観た感想の第一声。
原題は、『拳が泣く』。昨年4月『甘い人生』と同時に公開され、興行を競った作品。軍配は、『拳が泣く』にあがったのだったが、それは仕方ないかも。
2005年カンヌ国際映画祭で、国際批評家連盟賞を受賞。
コブシものは好きじゃない。お互いボコボコになるまで殴りあうでしょ。ヤクザの闘争なら理解できるのだけど、これがスポーツと言われてもどうしても理解できなくて。それに、男にしかわからない世界、女ははじき出されるような世界のような気がするから。ドラマ『美しい彼女』もコブシものだから、個人的には、Brian が出ていても好きになれない作品。

ところが、このコブシものは、よくできている。作品としてとてもよかった。コブシものが好きじゃないのに、手を出したのはやっぱりキャスティングかな。チェ・ミンシクssi とリュ・スンボムssi。この最強コンビには叶わない。また、この2人の周囲を固める俳優陣もいいのだ。イム・ウォニssi (『cut』に出ていたエキストラ )、オ・ダルスssi、キ・ジュボンssi (ドラマ「オールイン」のサンドゥ)・・・個性派俳優が続々顔を出す。

ダメな父親、哀愁漂う堕ちこぼれ中年を演じさせたら、チェ・ミンシクssi の右に出るものはいない。破壊的で爆弾のような気性、それでいて繊細すぎるほど繊細な若者を演じさせたら、リュ・スンボムssi の右に出るものはいない。 この2人、映画の中では小汚い(笑)。精悍とか端正という言葉とも無縁。

元ボクサーのテシク(チェ・ミンシク)。事業が失敗して路上で殴られ屋となって生計を立てることに。妻や息子からも見捨てられそうになる。もう失うものもないぐらい、社会のどん底に突き落とされた彼が、人生の再起をかけて勝負に出る。

貧しい環境に生まれ強盗で刑務所に送られるサンファン(リュ・スンボム)。刑務所に入っている間に、父親が不慮の事故で死んでしまい、祖母も病気で倒れてしまう。親不孝ばかりを重ねた自分に腹立たしさが募る。ボクシング部に入部することにより、自分の目標を見つける。

作品を観ていて、この2人はなかなか絡まない。一体、どこで絡むのかと思っていたら、実は最後のリング上まで絡むことはない。リング上で、この2人は戦うのだ。何のために戦うのか・・・これがこの作品のテーマなのかな。

「わけありの人生は、お前だけじゃない」と食堂の主人(チョン・ホジン)が、酔っ払ってからんでくるテシクに言うのだけど、確かに年を重ねるごとにどんどん「わけあり」が増えていったりする。「わけあり」のない人なんて確かにだれもいない・・・

苦手なコブシものに泣かされるとは思いもよらなかった・・・