Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

悲しひお知らせ、だから 『舞妓Haaaan!!!』

2007-07-04 22:21:40 | K-Movie Columns


体調は絶不調、仕事はトラブル続きで、心身ともに弱っている私に追い打ちをかけるかのような、ちょっと 悲しひ お知らせ。

『正しく生きよう』の公開ずれ込みに加え、『神機箭』も公開が遅れそうな気配。当初、年末に公開予定という話でしたが、それはちょっと無理じゃないの?と思っていたら、やっぱり無理らしい。現在のところ、公開予定は来年初め。またどうせ変わるんだろうな。

記事( link to)によると、この 悲しひ お知らせの原因は、怒涛のごとく押し寄せてくるハリウッド映画に韓国映画界が振り回されている状況が影響しているらしいのです。それにしても、これまでだってハリウッド映画は輸入されていたわけだし、韓国の人たちはそんなにハリウッド映画に飢えていたわけでもないと思うのですが・・・。

韓国内の総観客動員数が増加しているならともかく、以前と同程度の総動員数でハリウッド映画に有利な配給システムだと、国内映画の出る幕なしって感じがします。5月に訪韓した際、 Mega Box COEX の20近いスクリーンはハリウッド映画で占領され、国内映画は4スクリーンぐらいしかありませんでした。

これってもしかしてスクリーンクォータ(SQ)枠削減のせいなのかしら。保護産業の後退的イメージから脱却するには、「SQ枠の廃止は必須でしょ」と、よそ者の私はエラソーに考えていたけれど、いざ自分の見たい映画が現地でさえ公開されないという、個人的事情がクローズアップされてくると、俄然、SQ 枠維持に傾いたりして(なんてご都合主義な・笑)。ともあれ「淘汰の時代」のようです

悲しひ お知らせで、さらに弱った体には、コメディが一番ということで『舞妓Haaaan!!!』を観賞。

仮にこの作品が韓国で紹介される時には、脚本は「日本のチャン・ジンこと、宮藤官九郎」とでも紹介されるのでしょうか  違和感アリ・・・。同世代の2人には共通点があるため比較対象にされやすいのかもしれませんが、チャン・ジン監督が日本で「韓国のクドカン」と紹介されるのも違和感あるので、その逆もまた然りということでしょうか。

ストーリー性とか小難しいことを突き詰めず、ハイパーテンション な阿部サダヲ君にただひたすらついて行けばよく、ガハハと思い切り笑ってスッキリしました。

ところで、「あんさんのラーメン」は日清食品とのコラボですでに商品化されていたのですね。カップラーメンなんて何年ぶり?でしたが、食べてみたら懐かしい味でした。

            


 


ユ・ジテ×別所哲也 「日韓ショートフィルム事情の現在」 トークイベント 

2007-07-04 01:19:59 | Cinema な時間


当初予定されていなかったのだけど、急遽決まったショートショート フィルムフェスティバルでのユ・ジテと別所哲也のトークイベント「日韓ショートフィルム事情の現在」(司会:古家正亨)@ラフォーレミュージアム原宿。

別所哲也は、このフェスティバルを10年前に立ち上げ、米国アカデミー賞公認短編映画祭に育て上げた、このフェスティバルの功労者であり、主催者なのですね。
さて、いざ記事を書こうと思いPCに向かったのはいいのだけど、ゲゲっ、メモがぁぁ~
よくよく振り返ってみると、会場のラフォーレミュージアム原宿は数百人しか収容しない、つまり舞台と至近距離なため、イベント中ほとんどずっーとジテの顔を見て、ジテに酔いしれていたため、自分で書いたメモが意味不明・・・

以下は思い出せる範囲のメモとその肉付けなのであしからず。


  映画製作の人材の育成について

韓国は映画製作に関する高等教育機関が整備されているが、日本はまだまだ。大学では理論を、大学院では実践をというカリキュラムなのだそうです。
大学院はポイント制で、(短編)映画を1本撮影すると30点、他の学生の制作スタッフとして参加すると10点と加算される仕組みだそうです。

ちなみに、ジテの大学院在学当時の担当教授の1人がパク・チャヌク監督でベストなものを出さなくては、と苦労したとか。

ただ、韓国では映画学科卒業という人は沢山いるし、学生を製作現場でアルバイトに使うこともあり、製作現場ではそれが問題になっているとか。今秋(?)、製作スタッフの労働組合が結成されることになり、それが映画のクオリティ維持にどれだけの役割がを果たすかということが問われているそうです。


 短編映画の良さについて

短編というと、新人監督の登竜門的位置づけだったり、ステップアップの機会だったり、実験的、パイロット的というイメージがあるけれど、作品として出来上がったものが、たまたま長いものだったり、短いものだったりするだけで、本来は上映時間の長さと作品の質は関係なく、自由に挑戦できる表現方法であるというのが、ユ・ジテと別所哲也の共通認識でした。

そもそも、短編映画という定義づけは曖昧なもので、たとえば、ショートショート フィルムフェスティバルでは出品作品の評価基準として、一定の上映時間を規定しているだけであり、20分だから短編で、40分だから中編というくくりにはならないと考えているそうです(別所哲也)。

ちなみに、ジテの最初の短編『The Bike Boy (自転車少年)』は上映時間41分、『How Does the Blind Dream(盲人はどんな夢をみるのか)』の上映時間は42分、次回作は43分か?という冗談も飛び出しました。個人的には両編とも未見ですが、会場で話をしたジテペンによると、昨年ショートショートで招待作品として上映された後者の作品は、「短編なのに眠りそうになった」とか(笑)。

映画は絶対的なものではなく、相対的なものであり、短編映画は文化の多様性の一部であると考えているそうです。


 日韓それぞれ短編1編ずつを鑑賞後、またトークへ

韓国 『ブラボー、ミスター・キム』(監督:チョン・ソンク) ヒューマンドラマ?
日本 『LINE』(監督:中尾浩之) コメディ?

作品性、ジャンルが違うため一様に比較はできないけれどもという断りを入れた上で、別所哲也が両作品の共通点を、ユ・ジテが各作品の長所と短所を、2人ともポイントを押さえた評価でした。

『LINE』は、とっても面白い短編でした。短編映画が配給されることはあまりないですが、機会があったらチェックしてみてください。隣に座っていた映画青年の話によると、この監督は今、大注目株なのだそうです。


 韓国映画界について

韓国映画界は今、ルネサンスと呼ばれているそうです。以前は年間70本程度だった製作本数が、ここ数年は150本近くになり、その損失額は1000億ウォン(約130億円)。量産されすぎて、ディテール(質)の問題が大きくなり、揺れているのが現状。今年の製作本数は50本ほどに絞られ、労組の結成も、今後の映画界に影響がありそうだということです。

ユ・ジテ自身は、現在 7(俳優):3(監督) の割合で仕事をしているが、将来的には 5:5 ぐらいにしたいそうですが、「とりあえず食べていかなくちゃいけないので俳優をやっています(笑)」


                           

私自身は、短編そのものをわざわざ選んで見るわけではないけれど、オムニバス映画好きなので、おのずと短編の集合体という形で、短編にも触れていきたいなぁと思うイベントでした。

短編2編込みで、密度の高い2時間トーク、1000円也って美味しすぎます。単純なお金の問題じゃないけれど、こんな満足度200%のイベントはなかなかないような気がします