Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

東京FILMEX 『シークレット・サンシャイン』

2007-11-28 23:48:14 | K-Movie Notes


今年の東京 FILMEX で参加できたのはオープニングとクロージングだけでした。間がないっ(笑)。

オープニングは、カンヌ映画祭が60回を記念して著名監督に委嘱した短編オムニバス『それぞれのシネマ』。3分間という制限付きで、それぞれの視点で「映画」を描いた作品。居眠りする観客、続出でしたが(笑)。巨匠が並べばいいというものでもないようです。

オチのあるもの、笑えるもの、お国柄がよくわかるもの、ブラックなもの、シュールなものと… 世界中の映画館や不特定の映画観客の実態を見て回ったような楽しさはあるのですが、全巨匠の作品を知っているわけではないので、それらをすべて把握するともっと面白いのでしょうかね。


さてクロージング作・・・

『シークレット・サンシャイン <밀양>』 (2007年)
監督:イ・チャンドン
出演:チョン・ドヨン、ソン・ガンホ

この作品の主演チョン・ドヨンがカンヌで主演女優賞を受賞し、韓国メディアでは、彼女には必ず「カンヌの女王」という枕詞をつけるようになりました

同行者は mxxxxxさん。待ち合わせ場所で見つけた彼女の周囲には、何やらピンクなハート がふわふわ飛んでいるではありませんか。昼間、ファンミでダンシングする某イ氏に骨抜きにされてきたようで、見かけはクールだけど、バレバレ。うーん、まずい。こんなピンキーな彼女を、この重い作品で撃沈しちゃったら…と不安なワタクシ。

とりあえず、このピンクを薄めなくては思い、開口一番「この作品の監督、苦手なの」と言ってみました。彼女は「ええっ?それってもしかして…」と、ちょっとブルーがよぎった感じ。過去に某○ン・サンス作品で2人とも撃沈された日のことをどうやら思い出したみたい。よしよし、ピンクにブルーがまじって、ムラサキ?(笑)。

さて、個人的にイ・チャンドン作品が苦手というのは本当で、なんというか、頭で受け入れることができても、心で受け入れられないというのでしょうか。『オアシス』も『ペパーミント・キャンディ』も『グリーン・フィッシュ』も、キャストは好きな人ばかりだし、演技に問題のある人なんていないし、決して「何これ?」という作品でないことは分かっているのに、なぜか、体全体での受容バランスが悪い作品なので苦手なのです。どれも評価が高いから、わざと天邪鬼で言っているのでもなく、「ダメな人にとってはダメ」とどこかで書かれているのを読みましたが、それに近いかもしれません。

上映時間が2時間20分と聞き、ひぇーーっと、思いつつ・・・

若くして夫を亡くし、息子のジュンを抱えて夫の故郷、密陽にやってきたシネ(チョン・ドヨン)は、来る途中、車の故障を手伝ってくれたジョンチャン(ソン・ガンホ)に出会う。その街でシネはささやかなピアノ塾を開き、新生活を始める。ジョンチャンはシネが気になるが、自分に関心を持つのはやめてくれと、突き放される。ある日、ジュンが誘拐され、殺されてしまう。犯人は意外にも身近な人間だった。絶望の淵をさまようシネを救ったのは信仰だったが・・・

重い、難解と言われていた作品でしたが、私にとっては過去のイ・チャンドン作品のどれよりも、はるかにシックリくる作品でした。上映後の監督による Q&A がより理解の助けになったことは言うまでもありませんが、見ながらふと疑問に思ったことに対する自分なりの回答が、監督の意図と同じだった事がうれしく、ようやく監督と和解することができたような(笑)気がしました

自分の力ではどうにもならない時、解決できない時。たいていそれは、「生」または「死」に直にふれる時なのですが、何か大きなものに支配されていることを感じたことがあります。そんな時、心理的・精神的に打ちのめされ、感情のスイッチがおかしくなったりするものです。

若くして夫を交通事故で亡くし、幼い息子を抱えて夫の故郷に移り住んでくるシネは、すでに悲しみに馴れてしまった表情をしていました。好意を寄せてくれる隣人に対してもどこか素直になれないのは、他人から根本的な解決を見出せない事を知っていたからだと思いました。

子供を奪われたシネを絶望から一時的に救ったのは信仰。教えに従い、子供を殺した犯人と対面し、自らが赦すことで、自ら救われると信じていたにもかかわらず、犯人がすでに信仰によって赦され、平安な日々を送っていると知り、やり場のない怒りに似た絶望に再び直面します。やはりそこでも、何者かの存在の大きさにひれ伏さなければならず・・・。

すべてが、神によって準備されていたことだと納得するために、果たして信仰は支えになるのか、また隣人たちがさしのべてくれる手は癒しとなるのか・・・と、次から次へと質問を投げかけられているようでした。


印象的だったのは、最後にシネがきりっと空を見上げるシーンでした。監督によると、シネが空をにらみつけたのは、すべてが準備されたことだと言いたいのかと、(神に)問いただしているとも理解できるのだそうです。

空を見上げるという行為は、通常、願いや祈りに通じているわけですが、ここでは、ある意味、神あるいは人間の生を支配する何らかの存在に対する挑戦のようにも思えました。

見る前は、チョン・ドヨンとソン・ガンホによる男女の触れ合い話かと思っていたら、まったく方向性が違っていました。チョン・ドヨンの好演は言うまでもありません。独身のオッサンを演じたソン・ガンホの役どころは、俗物の象徴のようで(笑)、助演に近い役どころですが、自らのキャラをしっかり押さえつつ、チョン・ドヨンを引き立たせるような存在であるところが、スゴイなぁとあらためて思いました。

この作品のエンディングに、希望があるのか、ないのか、それは観客の判断にゆだねられるそうです・・・

 


どこまでも地味~な<神機箭>ネタ 3 [どうでもいい追記あり]

2007-11-27 23:49:23 | Suda on J.J.Y.


ここまで地味ならあげなくてもいいけど、もう意地だわ~

『神機箭』は、ようやく大詰めに入り、その最終撮影を安東(경북 안동시 풍산읍 계평리 일원)で行っているそうです。今月末で撮影は終わりそうな気配という記事( link to)。

この記事には写真さえもありません (笑)。記事を出すなら、写真1枚ぐらい出せ~っ。漁って出てきたのが、コレ↓。どこにも、あの人は
いない・・・・ガクッ・・・脱力。 
よくよく考えたら、戦いの場面にはいないですよね。

                  

気を取り直して・・・
そうそう、この安東といえば、河回村は、ぜひとも行ってみたいと思っている場所です。朝鮮時代の住宅様式、街並みがそのまま残っているそうで、タルチュムの里でもあります。
Tour2Korea

そこは両班ご出身の○ュ・○ウォンのご実家があることで韓流ファンの間ではよく知られているため、ファンだと思われるのはちょっと・・・

それに映画『スキャンダル』のロケ地でもあり、4様ファンと思われるのもちょっと・・・

と、二の足を踏んでいましたが、『神機箭』のロケ地近くなら、映画の公開後に行ってみるのもいいかもしれないと、来年の訪韓予定に入れておくことに・・・。地図で確認したら、ソウルと釜山のちょうど中間点にある場所。ソウルから日帰りはキツイかなぁ。

安東で有名な食べ物といえば、安東チムタク(안동찜닭)。鶏一羽丸ごとを野菜と醤油ベースで煮込んだ大皿料理。見た目赤くなくて辛そうじゃないけれど、これが結構スパイシーで、ビールによく合うんですよ~。

ソウルでのお薦めは、梨大にあるこちらのお店( link to

あれぇ~『神機箭』ネタが、どうして食べ物ネタに~


***********************************************
 追記  2007/11/29

この撮影中、ちょっとしたアクシデントが連続して発生。戦闘場面で馬が死んじゃったり、車の火災が起こってスタッフが怪我したりと。こんな終盤になって、不吉な~と思っていたら
「忠武路では、撮影現場でお化けを見たり、火事が起こると、‘興行大当たり’ というジンクスがあり、これは ’大当たりの前兆' だと慰め合っている」とか。
ポジティブシンキングだわ~。

 

 


From Blue Dragon

2007-11-23 23:52:09 | K-Movie Columns


ソル様目当てに第28回青龍映画賞をずっとチェックしたのですが、終盤はガンホ兄 POWER 炸裂という感じでしたね~

ガンホ兄、主演男優賞は取るわ、主演作品の『優雅な世界』は最優秀作品賞を取るわで・・・。昨年の作品賞は『グェムル』でしたから、2 年連続で主演作品が最優秀作品賞受賞って、興行面でも、実力においても、すごい POWER ですよね。

『優雅な世界』は、個人的に今年見た作品の中でも、上位にランクインしているので、よかったと思いました。『華麗な休暇』はノミネート数では圧倒していたのに、結局何も取れませんでしたね~ まぁ、このテの映画賞というのは、いつも基準がよくわからないところが、面白いといえば面白い
のですが。

監督賞が『幸福』のホ・ジノ監督っていうのが、うーん、ちょっと・・・。
だって、これまでとちっとも作風変わらないし、話のネタはベタな病気ネタですし、ファン・ジョンミン、イム・スジョン、コン・ヒョジンという個々の俳優の力量に大きく頼っていた作品のような気がしてならないのは私だけでしょうかね~ ディレクティングの力ってよく分かりませんが、「ザ ホ・ジノ ワールド」を確立しているところがいいのかしらん。他の監督賞候補だった作品を全部見たわけではないので、私の戯言は、まぁどうでもいいことで・・・

さて、お目当てのソル様は・・・
新作『けんか <싸움>』の相手役キム・テヒとレッドカーペットに登場。ステキじゃないですか。
       

個人的にはキム・テヒが苦手なので、このキャスティングにはいまひとつ乗れないと思っていたのですが、『けんか』の予告編 ( link to)
を見たら、乗れないこともないと思い直しました。これってラブコメらしく、ややドタバタ感がありますが気になります。



 


Happy Birthday, My Dear J.J.Y.

2007-11-21 00:00:28 | Suda on J.J.Y.

 

11月21日は、

チョン・ジェヨンの 37 歳(韓国では 38 歳)のお誕生日です~

ここのところずっと撮影続きで、

さらに次回作の撮影も控えていますが・・・

最近では、しばらく封印していた(笑)カッコイイお姿をさらし、

これが本来の姿だと定着しつつあるのですが、

またいつどうなってしまうかわからないところも魅力なのです。

そんな本来 (?) の生姿もしっかりこの目に焼きつけることができて

シアワセでした~。

来年はおそらく 2 本映画が公開されるであろうし、

ますます活躍してくれることを楽しみにしています。


lotusruby with

 

 


『once ダブリンの街角で』

2007-11-17 23:24:45 | Cinema な時間

 

インディーズ映画界で最近話題になっているアイルランド映画『once ダブリンの街角で』(2006 年 監督:ジョン・カーニー)。原題は『once』。たった「1回」が重要なのに、邦題にはまた余計な説明が・・・

アメリカでたった2館での上映から口コミで広がったという作品。この作品が気になったのは、私が足しげくチェックしている韓国の映画サイトでも話題になっており、韓国で上映されたインディーズ映画としては画期的な動員数 (スクリーン数 12 、5 週間、10 万人動員) らしく、絶賛されていたから。制作費は約 1,800 万円だそうだ。

アイルランド、ダブリンの街で、ギター 1 本のストリートミュージシャンの男(グレン・ハンサード)が、チェコ移民の女(マルケタ・イルグロヴァ)と出会い、音楽を通じて心を通わせるという音楽映画

この作品の主人公のハンサードは、アイルランドで国民的な人気を誇るロックバンド「ザ・フレイムス(The Frames)」のフロントマンで、イルグロヴァもチェコの新鋭シンガーソングライター。この作品に流れる楽曲が、本当にこの 2 人が書き下ろしたものというところが、なんとも心憎い。

アイルランドの音楽というと、バグパイプの音色やリバーダンスで流れる伝統音楽とか、U2 ぐらいしか思い起こせないのだけど、この作品の音楽はなかなか味わいのある魅力的なメロディラインが印象的。

ハンディカメラで撮影したような、まるでドキュメンタリーを見ているような映像なので、この 2人のカップルの実話じゃないよね?と思わせるようなリアリティも感じさせてくれる。と思ったら、なんと、実際にこの 2 人は交際しているそうだ。

ミュージカル映画のように唐突に歌い出したりせず、音楽がセリフを代弁するようなストーリーとして構成されているため、音楽の挿入も自然で、ミュージカルがちょっと苦手でも安心。

男がギターで奏でる自作の曲に、女がピアノ伴奏で合わせていく場面や、男が作曲したメロディに女が詩をつけて歌いあげる場面、仲間を募ってスタジオでレコーディングをする様子など、音を作り上げていく過程は盛り上がってなかなか楽しい

男も女も名前がないところも、また意味深。「1回きり」の男女には名前が不要ってことなのかしら。この「1回きり」は、一気に燃え上がってしまう肉体的な意味の1回ではなく、出会いのチャンスは1回、そして音楽も同じ。同じ音ははないということなのかな。触れ合いそうで触れ合わず、交わりそうで交わらず、寄り添いそうで寄り添わず、音楽が 2 人の言葉に取って代わるという手法。感傷的な切なさは控え目で、惹かれあっているはずなのに、手繰り寄せきれない距離感にかえってグッ ときてしまった・・・

さっそく O.S.T.をポチり、毎日ヘビロテで聴いている。日本では先月の TIFF で紹介され、2人とも来日していたのね~。

 Fox Searchlight Official Site


地味~な<神機箭>ネタ 2

2007-11-16 23:30:51 | Suda on J.J.Y.


『神機箭』ネタはいつも地味です。9月には撮影は80%程度終わっていると聞いたような気がするのですが、クランクアップしたというニュースも聞かないし・・・

さて、2008年上半期話題の映画というニュース( link to)で、『宿命』、『神機箭』、『良い奴、悪い奴、変な奴』が取り上げられていました。
この中でも、もちろん私のイチオシ は『神機箭』ですが・・・。

これまで公開された『神機箭』のスチールは4枚ほどしかなく、このニュースで『神機箭』で動いているジェヨンを初めて見ました。アップで映してくれてないけど、何気にかなりカッコいいじゃないですか。

史劇においては、王族や貴族は美しく着飾ってもらえるけれど、商人や一般市民はどうよと、『黄真伊』でユ・ジテを見たとき不安がよぎったのですが、それどころかキラーに次ぐカッコよさで、悪い虫がつきそうで心配になりました
(笑)。

史劇出演は初めてだけど、そういえば以前コスプレ(?)がありましたね(笑)。

新羅の王だった頃 ⇒ 
(『マイキャプテン、キム・デチュル』)



『京義線』

2007-11-13 22:30:27 | K-Movie Notes


『京義線<경의선>』 (2007年)
監督:パク・フンシク
出演:キム・ガンウ、ソン・テヨン

NHKアジアフィルムフェスティバルで見てきた『京義線』。邦題は『キョンイセン』となっていたけれど、これ、ハングル読みなんだか、日本語読みなんだか(笑)。

この作品については、昨年の PIFF で初めて知った。キム・ガンウとソン・テヨンがたまたま海雲台の野外舞台挨拶に出ていたのを見かけ、そのときは作品のことも知らなかったし、何を話していたのかよくわからなかったけれど、その後にチェックしてみてずっと見たいと思っていた作品。あれから1年以上も経つのか・・・

地下鉄の運転士マンス (キム・ガンウ) と大学講師のハンナ(ソン・テヨン) は、それぞれ心に重荷を抱えている。2人とも京義線に乗りあわせ、国境の駅に降り立つことに。

現在と過去を行き来する手法で話が進む。列車という乗り物にはまさしく時間を走っているような錯覚が起きるし、駅の風景はどこかノスタルジックでもあり、いろいろな想いが駆り立てられる。

この作品では前半はややテンポが遅すぎるけれど、後半はぐっと盛り上がっていくので、前半は助走だと思えばそれはそれでいいのかもしれない。

地下鉄のトンネルが延々と続くシーンは、やはりどんと重苦しい感じがしたけれど、却ってキム・ガンウの好青年ぶりや爽やかさが一段と引き立っていた。

地下で働く男と地上で働く女。男は地下鉄の運転手という労働階級で、女は博士号を持ち大学の非常勤講師というインテリ階級という、こんな社会格差もここでは現しているそうだ。

全く接点のない男と女が偶然に京義線で出会うという設定に、南北間で途切れてしまった京義線と重ね合わせて、途切れたものを再びつなぎ合わすという意味合いがこめられているそうだ。この男女が出会うまでと、その偶発的な出会いが丁寧に描かれている。

やはり南北統一の甘いユメが含まれているところは、太陽政策下で作られた作品だなぁという感じがするが、こめられた想いが人間的で気取りがなく、厭味もない。それに比べて、同じく分断された京義線をストーリーに盛り込んだ『韓半島』が、京義線をいかに薄っぺらく扱っているかがよくわかったりする(毒吐)。

当日サプライズで登場したソン・テヨン。細~い。手足が長~い。オフはキャピキャピしたキャラなのに、作品の中ではしっとり感のある女性を演じていたので、このギャップはなかなかステキだと感心した

          
            

 


過去記事からの誘惑

2007-11-12 23:49:15 | Suda on J.J.Y.


わが家には、韓流棚と呼ばれている棚があって、その名の通り、そこには、DVD やら、VCD やら、雑誌やら、韓流関係のあれこれが詰め込まれています。

もう、満杯になってきたので、棚を増やそうかと思いましたが、とりあえず整理整頓が先ですよね。DVD などソフトコンテンツは捨てられないので、ハードコピー類の雑誌から手をつけることにしたものの、なぜか読めもしない韓国の雑誌は手元においておき、日本の雑誌の大処分を断行しようと・・・ 雑誌などは、普段あまり買わない方なのですが、気がつくと増えてしまうという厄介なシロモノです。



 ◆ 過去記事 その1 ◆ 

 棚の奥にいたこの HOT CHILI PAPER vol.24(2004年SEP.)、表紙が○ンハだし要らないかと思ったのですが、むむむ。見出しが「韓国演劇との遭遇」って、もしやと思ったら・・・

今、一部で話題になっている「演劇熱戦 2」の前回バージョン「演劇熱戦」で上演された、チョン・ジェヨンとカン・ソンジンのダブルキャストによる「タクシー・ドライバー」の記事がありました。

      

こんな記事があったのね~と、読んだ記憶は消え失せていました。このキャストと演目で、今後上演されることがあったら、私は毎週ソウル通いかって感じになっていまいそうです(笑)。
  

ジェヨンの迷言、あにぃ、名言。
「演劇が自分を俳優として産んでくれた母なら、映画は俳優として育ててくれた母」



 ◆ 過去記事 その2 ◆
 

 もうひとつ。こちらは、PREMIERE プレミア日本版(2005年3月)。2004年末のプレミア韓国版に掲載された韓国映画ベスト&ワースト記事で、過小評価されている男優、堂々の No.1 に輝いているのは ・・・
過大評価よりはマシだけど、と慰めつつ・・・


 とはいうものの、ここにリストされた人々、この直後から、一様に話題になったり、ブレークしたりした人ばかりじゃないですか。PREMIEREさん、見る目ある?!

1.チョン・ジェヨン → 『トンマッコルへようこそ』(2005年8月公開)
2.カム・ウソン → 『王の男』(2005年12月公開)
3.チョ・スンウ → 『マラソン』(2005年1月公開)
4.キム・ジュヒョク → ドラマ「プラハの恋人」(2005年9月放映)
5.イ・ボムス → 『相棒』(2006年6月公開)


こうやって読み返したりしているうちに、処分される運命だったはずの雑誌たちは、またもや棚の中に押し込められることになり、いつまでたってもスペースが足りないのでした。

 


ちょっと B 系

2007-11-08 22:55:34 | K-Movie Notes


最近見たもので B 級系だと思った映画 3 本。あくまでも個人的所感です。
でも、 本当の B 級の定義って、よくわかっていません。「安っぽさ」とか「薄っぺらさ」が鼻についたものと、大雑把にくくってみただけす。

ただ、3 本に共通していることは、演者が B 級に貢献しているわけではないということです。それどころか、イイ役者さん揃いで、なんとも惜しいというか・・・


『顔のない女 <얼굴 없는 미녀>』 (2004年)
監督:キム・インシク
出演:キム・テウ、キム・ヘス

                   

サスペンスなんだか、サイコスリラーなんだか・・・結局ホラーだったのか・・・

人格障害で自殺未遂をはかったジス(キム・ヘス)が、催眠療法を得意とする精神科医ソグォン(キム・テウ)の前に患者として現れる。ソグォンは、妻を亡くした喪失感から精神が不安定になり、魅力的なジスを催眠療法の中で抱いてしまう。しかし、催眠療法で彼女の体を得られても心は得られず、ソグォンの精神状態はだんだんと壊れていく。

精神を病んだ精神科医の役という難しい設定で、キム・テウらしい熱演が光りました。でも、キム・テウが精神的錯綜の世界を彷徨い、あれほど苦しんでいるのに、最後のあのホラーな「顔のない女」にはドン引きでした。あんなに露骨な「顔のない女」が出てくると、それまで繰り広げられていた観念的、幻想的な世界が台無しになってしまうような気がします。まったくもって製作者の意図がよくわかりませんでした。あそこまでは、追い詰められていく緊迫感とか、冷んやりした感じや、ゾクゾクする感じが伝わってきてよかったのに・・・。



『礼儀なき者たち <예의없는 것들>』 (2006年)
監督:パク・チョルヒ
出演:シン・ハギュン、キム・ミンジュン、ユン・ジヘ

                  

某所ですでにプチ暴言を吐いておりますが・・・

舌が短いために話すことがままならない「キラー」(シン・ハギュン)。ナイフの使い手である彼はマタドールになることが夢。ただ人を殺すのではやりきれず、礼儀なき者だけを殺すというルールを作る。そんなある日、バーで何も話せない彼が好きという「彼女」(ユン・ジヘ)に口説かれる。「キラー」は「バレエキラー」(キム・ミンジュン)とともに依頼された殺人で別人を処理してしまい、ヤクザから追われることに・・・

この作品、100万人近くの観客を動員しているのですね。私の理解力不足かもしれませんが、ツッコミどころというより、何だか不可解なところが多くて、笑うところも素直に笑えずじまいでした。途中で、もしかしてこれはコメディなの?とも思ったけれど、とにかくチグハグな感が否めず、最後には1本につながるのだろうかと危ぶんでいたら、的中・・・

あのオチは一体   ハギュの涙のサランへ熱演にもかかわらず、笑ってしまいました(そこは笑うところじゃないのに)。記憶を巻き戻して、「短い舌」と「礼儀なき者」と「純愛」と「マタドール」の整理をつけようとしてみましたが、ナイフの先からこぼれる血の色だけが目に焼きついていました。

いろいろなストーリーをつぎはぎしてみたけれど、つぎはぎ部分の綻びが多すぎちゃったという印象です。冒頭でも述べましたが、この作品が B 級だとしても、決してハギュのせいでないことは確かです。ある意味、印象深い(?)作品になっていたりして(笑)。

 

『韓半島 <한반도>』 (2006年)
監督:カン・ウソク
出演:チョ・ジェヒョン、チャ・インピョ、アン・ソンギ、カン・シニル、ムン・ソングン

ブロックバスター作品なのに B 級と言ったら、KWS のお叱りを受けそうですが・・・。見ていないと何も言えませんが、見てしまったからには、今後 KWS には思い切り悪態がつけるような気がします(笑)。

                 

シルミドかと思わせる音楽、シルミドな人もそうでない人も顔を出し、ハリウッド風の戦のお膳立て、お決まりのコミカルな人々、お宝探し、政治抗争、抗日感情・・・何でも取り揃えて見せてくれます。(*あらすじ省略)

「アホちゃう」(実は関西育ちというのがバレる) と思わずつぶやいてしまうような始まり方なので、最後まで荒唐無稽さを貫いた娯楽映画だと言い切ってくれるなら、OK ではないでしょうか。ところがそんな潔さは持ち合わせていなかったようです。

民族主義を弄んでいるのではと問われると「商業映画の顔」を強調し、商業娯楽映画 (フィクション) に徹したのかと問われると「史実と思われる部分を取り入れ」、まるで国民の総意を反映したかのように「個人的な感情(抗日)もこめた」とは・・・この一貫性のなさに呆れてしまいました。多方面に
「甘え」を見せた製作姿勢に対する B ですかね (エラソーですが・・・)。映画人のお遊びにしては、少々遊びが過ぎた作品と思われても仕方ないかもしれません。

あれこれとツッコミどころもありますが、いちいちムキになるのも大人気ないのでやめておきます。KWS お気に入り組のソル様とジェヨンが出演していなかったことが、私にとっては救い・・・かな


チケットパワーの謎

2007-11-07 22:51:41 | Suda on J.J.Y.


チャン・ジン監督の発言のせいで、すっかり「ケチ」のレッテルを貼られてしまった某ジェヨン氏。ところが、自分の映画のためなら、意外にも太っ腹なところもあるらしい・・・というネタ。

『神機箭』のスタッフによると、ジェヨンは「…最初のうち、本当に、周囲のスタッフに、映画を見て半券を持って来てくれたら 3,000 ウォンをキャッシュバックする…」と公言していたそうで、なんと太っ腹な。ただし、最近は、みんながあまりに数多く見に行くので、お小遣いが足りなくなったのか、キャッシュバックはやめたとか。公開前はよほど自信がなかったのでしょうかね。その後、「…BOX OFFICE 1位になってよかったねって声をかけたら、“当然でしょ” と返された(笑)…」そうです。( link to source

こんなに『正しく生きよう』の興行成績がいいとは予想していなかったという製作会社って・・・。Film It Suda の反応の方がよっぽどコメディネタになりそうだと思うのですが・・・
弟子の活躍が喜ばしいと同時に、「やっぱり僕は映画の演出をしない方がいいのね 」って肩を落としたかどうか知りませんが、チャン・ジン監督は来月演劇界に復帰しますv。

そして、あの人気TV番組 (「무릎팍도사」) に関係者が出演すると、その作品がアタルというジンクスがとりあえずできてしまったので、映画製作会社はTVを無視できませんね。でも、ジン様の言うとおり、興行をマーケティングに頼るには限界があると思いますが・・・。

さらに、オフシーズンに予想外に善戦した『正しく生きよう』と『食客』が引き合いに出されて、チケットパワーの話がまた出てきました。トップスターが出演しなくても、コンテンツさえよければ作品は売れるというお話。でも、それって結果論でしかなく、当たり前のようで当たり前ではないから、一体だれが、何が、チケットパワーを引き出すのかという話は尽きないのではないでしょうかね。( link to source)

ここ数年、韓流スター主演作品は軒並み惨敗で (『夏物語』、『外出』、『連理の枝』、観客動員数が巨額の投資に見合わなかった『台風』)、最近では、PIFF であれほどメディアを騒がせた『M』と『HERO』が揃って事実上惨敗していることも引き合いに出されています。騒いでいたのはメディアだけかもしれず、メディアはどこの国でも同じで、目先のことしか書かないじゃない?と思うのです。FILM 2.0 の  Critic’s Choice では『M』と『HERO』にグッドマークが右へ倣えとばかりに並んでいますよ(苦笑)。参考にはなるけれど、決して当てにならない批評家たちの弁。

製作会社や配給会社が必死にマーケティグに心血を注いでいるにもかかわらず、観客が映画を見に行く行かないを決める基準って、本当のところは何なのでしょうかね。

私の場合、おおかた「その日の気分」なのですけれど・・・