Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

[Julyソウル②] 思ったより・・・ ニム編

2008-07-30 22:37:50 | K-Movie Notes


『あなたは遠いところに』
原題: 님은 먼곳에
監督: イ・ジュニク
出演: スエ、チョン・ジニョン、オム・テウン、チョン・ギョンホ、チュ・ジンモ、シン・ヒョンタク


24日に公開したばかりの 『あなたは遠いところに』 も見てきました。

これがですね、思っていたよりずーっと良かったです
『ノム』 ほど予習もしていなかったけれど、個人的には断然コチラの方が好きです。好みの問題ですが、私はやっぱりドンパチより 「人間のドラマ」 がきっちり描かれている方が好きです。

『ノム』 と比較すること自体ナンセンスですが、『ノム』 を見た後だったので余計に 『ノム』 に決定的に欠けているものが見え、『ノム』 が面白くないと感じた理由がわかりました。


イ・ジュニク監督の作品は、『王の男』 と 『ラジオスター』 しか見ていないのです。『ラジオスター』 はずいぶんとベタな Buddy 映画だなぁと思ったのですが、それでもベタさが嫌じゃなかったのは、やっぱり作品が、「人の絆」 とか 「つながり」 とかそういうものを大切にしているなぁと伝わってくるからだと思いました。


今回の 『あなたは遠いところに』(以下 『ニム』)は、ベタなお涙頂戴もありません。セリフが多いので理解できていないところは多々ありましたが、素直に笑うところは笑い、泣けるところは泣きました。


最近、韓国映画でネガティブな意味で気になっているのは、「反○」 をバネにして観客を動員しているような映画。もちろん元々制作者が意図していないのに観客が無視して勝手に突っ走っている場合や、制作時と公開時では社会情勢が異なっている場合なども多いのですが、『クェムル』 はその 「反○映画」 の代表例だし、『トンマッコル~』 もそんなカテゴリにくくられているし、最近では 『カン・チョルジュン』 も、そしてもちろん 『ノム』 も。

さらに下半期の期待作 『神機箭』 と 『モダンボーイ』 にもこうしたアンチな対象(=特定の国)が存在していて、民族主義的な匂いがなきにしもあらずで(笑)、ちっちゃいなぁと思うわけです。


『ニム』 を見て、ああー、こういうのを見たかったんだ~と思ったのは、『ニム』 がおそらくそういう国境にとらわれていないからかもしれません。それに、設定はたまたまベトナム戦争中という社会背景ですが、年代はそこでなくても通用する、時間にも縛られていないドラマであることも魅力であるような気がします。

なんといっても最後がね、ビシっ と決まっていて、そこが何とも印象的でした。

 

  
                     舞台挨拶   7 月 26 日 @CGV大学路
           (イ・ジュニク監督、スエ、チョン・ジニョン、オム・テウン)


先に予習したイ・ジュニク監督のインタビュー記事にありましたが、ミドルトーン の俳優たちが好演しています。「ミドルトーン」 ってどんなトーンなのだか、なんとなくわかるようでいて、説明できないのですが、これはこの作品を見ると感覚的に理解できると思います。

主演のスエは、いつもどこかはかなげで控え目な印象だったのですが、今回、舞台挨拶に出てきたスエを見て私の持っていたイメージがガラリと変わりました。とても誇らしげに自信を持ってこの作品を観客に届けたいという意志が感じられて、その堂々とした姿に驚きました。その自信を裏付けるかのように、完璧だったのではないでしょうか、スニという主人公は。


チョン・ジニョンはもちろん長髪もステキ(笑)。作品の中のチョンマンというキャラは独特で、イ・ジュニク監督が語っていましたが、このキャラを演じることの出来る人はそうそういないでしょうね~。スニに対するまなざしがどんどん変わっていくところがいいんですよ~。このまなざしは、とても複雑なのです。オトコがオンナに注ぐまなざしじゃなくてね
・・・

チョン・ジニョンは 『楽しい人生』 でもオッサンバンドをやっていましたが、その作品は見ていないので、韓フェスでの上映を楽しみにしてたいと思います。同じバンドでもどう違うのか確かめたいですね~。


チョン・ギョンホ、チュ・ジンモ、シン・ヒョンタクのバンドメンバーもミドルトーンで、愉快でもあります。いやー、このバンド大丈夫かい?とも思いました(笑)。チョン・ギョンホのスニを見るまなざしが、結構、カッチョよくて気になりましたが、さてどうなったかは・・・


スニの夫で、ベトナム戦争に駆り出される兵士役を演じた特別出演のオム・テウンも、ドラマとは違う顔でなかなかでした。

女性が主演だけど、女性をただの 「花」 扱いしないし、女性から支持してもらおうと描いているわけでもなくて、見かけは淡々としているのに、根底が熱いのがよくわかります。

ハイトーンがいないので、もしかしたらこの作品はあまり売れないかもしれません。でもミドルトーンをじっくり味わえる作品なのです。これこそ、日本語字幕でぜひ見てみたいですね~。

スエが歌う ♪あなたは遠いところに♪ を始めとする、70年代の音楽はとても懐かしい響きで心地よかったです。

 


[Julyソウル①] 思ったより・・・ ノム編

2008-07-28 22:56:40 | K-Movie Notes


『良い奴、悪い奴、変な奴』
原題: 좋은 놈, 나쁜 놈, 이상한 놈
監督: キム・ジウン
出演: ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ウソン、リュ・スンス、ユン・ジェムン

今夏の超大作、『良い奴、悪い奴、変な奴』 を観てきました。

思ったより・・・・
ストーリーは有るようで無いような、無いようで有るような(笑)。


 1 回目 22:20~ Primus ピカデリー 字幕なし

金曜夜遅いし、外は雨だったからかもしれないのですが、観客 15 名ほどの入り・・・
本当に 300 万動員したのか、配給会社の煽りじゃないのかと思わず疑いました。


 2 回目 14:30~ CGV龍山 英語字幕あり

『ノム』 昼間の上映回はほぼ満席。『ニム』 もさすがに初週なので満席。
『ノム』 を英語字幕で見る人はあまりいないだろうと思っていたのですが、とんでもなかった。1 時間前にしてすでに残り 10 席。チケット売り場の待ち行列長いし・・・。

「ひぇーーっ」 と一瞬固まる。この回を見逃したら、フライトの都合上あとがない。
「『ノム』 買えなかったら 『カン・チョルジュン』 にしちゃう? うふふ」 と呟いたら・・・
「『カン・チョルジュン』、あと 4 席だよ」 とすかさず同行者のツッコミ。
「ひぇっ。そっちの方がなくなりそうじゃない?」
(上映館、上映回数が激減したせいか、意外と人気の高い(?)『カン・チョルジュン』)

結局、『ノム』 チケットは買えたのですが、同行者と席はバラバラ。私の席は前方すぎて、終わった後、首が痛かった・・・。別に、英語字幕が付いていたからといってガイジンさんに好評だったわけではありません。同じ時間帯の通常回が満席だったので、英語字幕の回に流れてきただけ・・・ 英語字幕はガイジンノム用にしてほしかったわ~(って、わがまま)。



これまでもそうなのですが、私の場合、字幕の有無で最初に見た印象がガラっと変わるということがほとんどありません。「直感」 で生きているので(笑)。今回も同様で、あとから字幕付きを見たからと言って、印象が変わることはありませんでしたが、字幕のおかげで分からなかった部分が解決したということは多かったです。字幕なしで見たときに、タルくてこのシーン不要!と思ったいくつかのシーンが、英語字幕で見たら重要なシーンだったとか、そんなことはありましたが・・・。

でもね・・・ 重要なシーンなら、字幕なしでもタルさを感じさせないで欲しかった(すでにブツブツモード・笑)。


以下、感じたことを書き留めておきます(日が経つと見方が甘くなるので・・・)。
ネタバレはできるだけ抑えているつもりですが、たぶんすべてを封じることは不可能だと思うので、この作品をまっさらな状態で見たい方は、お読みにならないことをお勧めします。

       
                3 ノムの衣装展示 @CGV 龍山

 

 

とにかく、長いっ!

当初編集したら上映時間は約 4 時間で前半と後半に分けるという話もあったそうですが、その長さはご勘弁を(笑)。約 2 時間 20 分、ドンパチの場面とひたすら走る場面が多いです。冒頭の列車の場面はスピード感もあってなかなか楽しいのだけれど。

4 時間を超える長尺だったかどうかは別にしても、いいとこ場面がつぎつぎと出てくるのに、場面と場面のシーケンスがちょっとぎこちなく感じられました。アヘン窟の場面などは唐突で、人物相関も今になってようやく解明。

そして・・・ ああ、今頃になって重大発見。
いやーん、アヘン窟のあのおじさん、ソン・ビョンホだったの? 全然気付きませんでした。なんということ~。

で、2 回目は字幕を読むという自分に課せられた仕事があったので、1 回目ほど時間が長く感じられませんでしたが、それでも、後半の怒涛の追撃シーンからエンディングにたどりつくまでは、セリフ少ないし、やっぱりかなり余裕(=タルい)がありました。

3 ノムのキャラ・・・

変な奴のソン・ガンホはいつもどおりコミカルで、チョン・ウソンとイ・ビョンホンもいつもどおりカッコよくて・・・ 3 ノムキャラはそれぞれ、これまで見たこともない驚きの一面とか新鮮さは特になく、それぞれが持っているものを期待通りに見せてくれたという感じでした。

もちろんソン・ガンホが主役で、そこはハッキリしていたのですが、キム・ジウン監督がこの作品を制作しようと思ったきっかけは、荒野を走るソン・ガンホを撮りたいからと言っていたその言葉通り、地平線が果てしなく広がる、息を呑むような荒野の風景の中にいるのは、いつもガンホ兄さんだけです。

3 ノムで最も漫画チックだったキャラはイ・ビョンホンですが、出番が最も少なくて、その代わりにファン向けのサービスショットありって感じですかね。同行者に指摘されたのですが、『甘い人生』 でのあのシーンのお返しとも思えるシーンは、なるほど~笑えました。リュ・スンスが演じた役がキム・レハだったらウケタのに~

そして、3 ノムで最も美味しいじゃないと思ったキャラは、チョン・ウソン。めちゃくちゃカッコよく撮ってもらっています。カンヌではキャラが薄いとか立体的じゃないとか言われていましたが、そんなことはないかも。あの音楽とともに、じゃじゃーんと登場するところで、ウソン堕ちする方、続出じゃないでしょうかね~(私は堕ちませんでしたが)。


日本軍云々のところは、別にどうということはありません。というより、日本軍に見えない(笑)。日本人の描き方が 「フジヤマ、ゲーシャ」 っぽい上に、日本語もちょっとヘン。日本人から見ると一蹴してしまうような描き方なので、そういうのを意図的に狙っているのかもしれません・・・。


私のお気に入りは、多国籍馬賊軍(笑)。

   

 

この作品で何百万人も動員する牽引力は 20 代の観客らしいのですが、20 代にとってはこういう作品が新鮮に映るのでしょうかね~。ちなみに 「만주에서...(満州で)」 と呟く悪い奴のドアップ場面で、「ブふぉっ!」 と噴きだしていた隣席の 20 代アガシの笑いのツボが私にはよく分からず・・・。

さらにお宝のアレを見て、両隣のアガシともども 「무엇? (何?)」 と声を出して反応したのにも苦笑。なんで分からないかな、20 代 (笑)。

 

期待が大きすぎたせいか、「すーーーっごく面白~~い」 という感想にはならなかったのがちょっと残念ですが、見て損するということはないと思います。

キム・ジウン監督には、超甘いです・・・


予習④ ノムじゃなくてニム (続)

2008-07-25 01:40:06 | K-Movie Columns


ニムの予習続き~

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黄金コンビ、最高の相性! 「イ・ジュニク監督、チェ・ソクファン作家」
  MovieWeek 2008/07/11

イ・ジュニク監督、チェ・ソクファン作家 「映画を見て、ご飯を食べて、考えて、生きていく」黄金コンビ! または最高の相性?  幼稚な比喩だが、少なくともこの二人を説明する場合、適切な修飾語に間違いない。 <黄山平野>、<王の男>、<ラジオスター> を経て、<あなたは遠い所に> まですばらしく息のあった呼吸を誇示しているデュオ。映画という言語で交感する二人の疎通方法を聞いてみよう。

>>共に映画を見る

7月8日、<あなたは遠い所に> のマスコミ試写会。映画が世の中に初めてお目見えした日だった。 誰よりもイ・ジュニク監督の表情に引き寄せられた。 彼の表現のとおりならば、全身がうつろに見えた。 反面、チェ・ソクファン作家は淡々としているように見えた。 監督に対する信頼が前提になっていたためそうに見えた。 その物静かな表情の中には、「思ったとおりによく作った」という無言の安堵感があふれていた。 (中略)

イ監督      映画見ると気が抜けるのよ。 私だけがそうなのか….

チェ作家  ちょっと漫然と見たら、なぜそのように死力を尽くしてみますか? 自分が作った映画を….

イ監督     いやそれが、撮影した時の状況と感情がよみがえるのもあるが、演技者の感情を追うことになって。 撮影現場では、分けてとったが、これを通してくっつけて見ると、一度に押し寄せてくるじゃない。

チョン記者 さっきの映画の中で、スニが露出の激しい服を着て軍人らに囲まれて踊る場面で、ちょっと不快に感じた人々もいたが、それは意図されたことでしょう?

イ監督      男女間の愛という感情に重点を置いてみれば、そのように感じることもあるだろう。 その場面は、祭りのような場面だ。 人間愛を感じなくちゃ。 戦場でいつ死ぬかも知れないその軍人たちが、つかの間だけでも楽しい時間を過ごすことじゃない。 美しいと感じられると良いけれど、そのように見えないのか。

チェ作家    シナリオを書く前にヒョンミ先生、キム・セレナ先生に会ったと。 その方たちによると、実際にベトナムに慰問公演に行こうとすると、怖ろしくなったり、敬遠されたりもしたそうです。 ところが実際に行って歓呼する兵士たちを見ると、そのような考え自体が、面目を失ったそうだ。 当時キム・セレナ先生はとてケチな性格だったらしく、公演後で一緒に写真を取ろうと集まる数百人の兵士たちひとりひとりと撮影をしたぐらいだと言っていたな。 人間愛、同胞愛を感じられたのでしょう。

チョン記者 チェ作家も今日映画初めてご覧になったのでしょう? どんな気分ですか?

チェ作家   今回もイ監督が俳優たちをよく引っ張っていたようです。 シナリオにもない部分をよく生かしたし。 スニがソニで、そのように変わっていく部分がすばらしいですよ。 感謝するだけでしょう。

チョン記者  シナリオと異なる部分が多かったが、そのような部分には満足してますか?

イ監督      いや、私がシナリオを見ないのは事実だが、シナリオを把握したら見なくてもかまわなくて。 とても執着すれば引きずられて行くことになると。 無視するのでなく、すでに把握していなければと。

チョン記者 チェ作家は特別にイ監督に 「こういう部分はこのように撮ったら良いだろう」 という要求をしたことはないですか? 今回のシナリオも指紋(?)など説明がなくて不親切だったので、読む人々が大変だったようですよ。

チェ作家   イ監督がよく使われる表現ですが、シナリオは物理、映画は化学ですね。 私もその言葉が気に入っています。 シナリオがブロック一つ一つ模様を作ることならば、映画は現場で泥の山で自由に模様を作って整えることだね。 また私の場合は、一度も監督を要求をしたことがなかったために、必要以上のエネルギーを使おうとしません。 それだけ両者の作業が効率的だったり。

イ監督      指紋が多いシナリオは下手すると監督を枠組みの中に閉じ込めてしまいます。 そのままクローズアップだけあって、指紋は最大限なくさなくちゃ。

チョン記者 イ監督はシナリオを読みながら、頭の中に映画を思い浮かべましたか?

イ監督      もちろん。シナリオを読んだ瞬間に映画をまるごと一本見てしまった。

チョン記者 それは一種の感覚というものでしょう?

イ監督      それは何の感覚だ。 湧いた感覚がなくて。 哲学ならば分からないだろうか。 何の話をどのように、どんな方法で作り出すかに対する悩みがあることだね。

チェ作家   現場で見るとイ監督は何か魔法を使っているようだというから。 スタッフたちが奇蹟のように動きます。 一日に別々のバージョンの公演シーンを二つ撮ってしまうではないか。 そうそうたる助監督たちがいたが。 それでもイ監督の現場はいつも楽しいです。 よく考えてみれば、現場でイ監督が何もしないからなのではないかと。

イ監督       そう。 監督がでしゃばると滅びると。 毎度、冗談でもそうするだろう。(笑)

チェ作家    イ監督がしないからスタッフたちはさらに熱心にしたよ。(笑い)

チョン記者   イ監督独自のやり方でしょう。

チェ作家    私の場合は、監督イ・ジュニクより自然人イ・ジュニクを尊敬します。

イ監督        そうだろう。監督イ・ジュニクが見ることに何があるか。(笑)


>>共に考える

(中略)

チョン記者  今回の作業過程でお二人が最も多く対話をされた部分があるならば? 

チェ作家   どうしてもスニの感情だろう。 最も意見が入り乱れていた部分で。 夫を愛したのか、いったいなぜ戦場まで行くのかという話が多かっただろう。 

イ監督      私たち二人は合意をしようとすることもなくて。 意が通じたんだろう。 スエにも、こんな理由だと決めつけて言うより状況を説明した。 スニの状況について。 

チョン記者  結末の部分が良いですよ。 前のシナリオにあったエピローグの部分がひょっとして出てくるのか思ったが。 結末を見ながら、ぴったりそこまでが良くて「ここで切るべきなのだから、お願いだからエピローグは出てきてくれるな」と。そのとおりでしたよ。 

イ監督     最初から撮るまでもなかった。 いたずらにお金がかかって。 必要もなかったようだ。 

チェ作家    その場面を撮影するのを見ていて、エピローグは必要ないだろうと思いました。 また撮るとしても、そこまでで俳優たちがすべてのエネルギーを使い尽くした状態なので難しかったでしょう。 

チョン記者  最後のシークエンスで、スニの行動に大きな力が載せられていたのです。 そんなに苦労して会った夫との対面でする行動が。 その場面を撮った時、俳優たちにはどんな注文をしたのですか? 

イ監督      スエには 「反省なき20世紀に一発をかませろ」、テウンには 「いよいよ君が反省の機会の洗礼受けた」 と言った。 一種の反省と容赦のシーンというのだろうか。 心理のディテールで作り出したよ。 台詞で説明をせず、人物の心理で説明をすることだね。

チョン記者  俳優のキャスティングについて話をお願います。 

イ監督      チョン・ジニョンが引き受けたジョンマン キャラクターがとても大変で。 ハイやローでなくミドル トーンで。 中間トーンの演技をそのようにやり遂げる演技者があまりいなくて。 私にはホン・ミョンボのような守備型ミッドフィルダーというのだろうか。 スエは、やはりこれからアジアを代表する俳優に成長しそうな可能性を見た。 中間トーンの演技がとても好きだったよ。 

チョン記者  それでもスニが戦場まで行くことになる過程については理解できない人々が多いと思います。 もう少し親切な部分を望む観客が多いことも事実でしょう。 

イ監督       この話が私の中に入ってきた時から、理由は充分でした。 スニの心がスニを動かすようにしたことでしょう。 憂慮する人々は、夫が小さな証票でも一つ残すことと設定すればどうかと。何か、指輪と同じ程度…。 あ、指輪のようなこと一つのために、それに頼ってあちらまで行く方がもっと軽薄でない? 

チェ作家    シナリオを書きながら、私はスニが夫を絶対に愛していないと考えました。 それは「意地」でしょう。 

イ監督       初めから、人々には平凡な愛の物語を期待しないでくれと言っている。 これは、そんなことよりも複雑なのよ。 女性らしさ(性)の偉大さを語ることだと。 もう少し率直に言うと、男たちがそのように外に出て行っても、世の中が維持されたのは女性がいたためであること。 そのように世の中を、自分の周辺を抱くことができる女性の包容力、そのような話をしようとしていた。また女性が20世紀の間、男性中心のパターンに抑えられていた。 21 世紀はそれ以上に良くなろうとする状況がきたということだ。 この映画を通じて、以前の 20 世紀を許して反省しようという意味も考えてみた。 

チェ作家     イ監督は映画の中のスニのようです。 実際にも困難なことになると「私が行くから」と。そうしながらすばやく飛び出すので、大変な過程でも踊って歌いながら出て行きますね。 この映画は、私には幸せな感じでした。 チョ・チョルヒョン代表、チョン・スンヘ代表とイ・ジュニク監督、長年共にしたこの三人がまた集まって作った作品であるだけに、歳月を整理する感じであり、共にした後輩は成人式を行った感じでした。

チョン記者   今回の現場は本当に考える現場だったとすべきことのようですね。 <あなたは遠い所に>という題名と映画の中の歌を設定することになった背景が気になりますが、説明をちょっとお願いします。 

チェ作家     初めてこの内容を考えて話をしたら、チョ・チョルヒョン代表が「おもしろい。 題名は <あなたは遠い所に> だ」と言ったのです。 そう聞いたら、歌の歌詞がまさにシノプシスに近づきましたよ。 

チョン記者   私も当時の歌に接する機会が少しありましたが、最近の歌とは違って加工されない自然な声が印象的でした。 特別に選曲されることになった理由が他にあるんですか? 

チェ作家     本来シン・ジュンヒョン師団が好きなこともあって、映画の中に使われた歌手キム・ジョンミの歌は当時では珍しいダンス曲でした。 ユン・ポクヒのリサイタル映像を見て、そこ出てきたキム・ジョンミの姿を見て躊躇なしで映画に入れました。 また公演中に爆弾が飛んでくる場面は、キム・セレナ先生、ヘリコプター中でマスクを当てて歌う場面はヒョンミ先生の実際の経験談を入れたのです。 

チョン記者   本当におもしろいですね。 ところで今回の作品にはとても大きな意味が含まれているのではないかと…。 

チェ作家      私たちが映画を企画すると、社内では若い人々が緊張をします。 仕方ありません。 世代が違うんだって。 代わりにあえて私たちの意を知らせようとするより、真心を入れようと努めます。 最善を尽くして、気持ちで作ること。 そうした後に観客と疎通できるならば、とてもうれしいことではないでしょうか。 

イ監督        私は道ばたで世の中を知った人間ですが、チェ作家は本で世の中を知った人間であって。 こういう人を私が利用して金を儲けているのではないのか(笑)。

ソウル劇場前の庭、パラソル ベンチに座って、一杯のコーヒーと一服のタバコで進行したインタビューが終わった。 イ・ジュニク監督はヘルメットをかぶり、バイクにエンジンをかけ、チェ・ソクファン作家は3号線の地下鉄の駅に歩いていった。 楽しい人生を生きていく二人とそうして別れた。

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公開日確定 <神機箭>

2008-07-23 22:59:44 | Suda on J.J.Y.




オモオモっ、ノムとかニムとか言っている場合では・・・

ワタクシにとって今年の真打とも言うべき一本(笑)

『神機箭 <신기전>』 の公開日がようやく 9月4日 に確定

撮影はすでに昨年末で終わっていたのに、公開するまでが長かった・・・

9月は休みが多いから、見に行ける可能性も大(むふふ)。

これもノムみたいに英語字幕で上映してほしいなぁ。

 『神機箭』 公式ブログ

 


予習③ ノムじゃなくてニム 

2008-07-22 01:34:55 | K-Movie Columns


まだ予習中(笑)。ノムより気になっている 『あなたは遠い所に<님은 먼곳에>』 のイ・ジュニク監督インタビュー記事から抜粋。個人用覚書き(私流訳)。


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[イ・ジュニク]  「叙事は観客のための総合ギフトセットだ」
Cine21 No.653 2007/05/14)

         

イ・ジュニク監督は <楽しい人生> が封切るやいなや次の映画 <あなたは遠い所に> の撮影に入った。 封切ったばかりの映画の興行を調べる余裕もなく、次の話に向かって走り始めたわけだ。 彼は <王の男> で 1 千万観客を突破して以来、毎年一編づつ映画を撮り、世の中に送り出したし、世の中がその映画に対してあれこれと話をする前に、次の映画に取り掛かっていた。 勝率は高く、<黄山平野> 以後とった 3 編の映画中 2 編が興行で成功し、残り 1 編 <楽しい人生> も大きな損失はなかった。

世の中の声に無頓着な男、意志の固い男。 イ・ジュニク監督はトレンドを知らない。 いや、知ろうとしていない。 熱心に観客の心を読み、そこに合わせて話を描かない。 盛りが過ぎたロックスターの話、役者たちの切ない事情、なまりで冷やかした三国時代の権力関係。 これが、どこの 21 世紀商業映画の感覚というのだ。 だが彼の映画は世の中の後頭部を殴るように興行に成功した。 <黄山平野> の衝撃、<王の男> の意外な暴発、<ラジオ スター> の底力。 <楽しい人生> で失敗しても、彼は相変らずトレンディーではない。

<あなたは遠い所に> は、ベトナム戦争を背景に、スニという名前の 1 人の女性が、戦場に徴兵された夫を探しに行く話だ。 やぼったい名前から、男を探して戦争に入って行く女キャラクターまで、本当に古くさい (オールド)。 だがどうだろうか。 それがイ・ジュニクであることを。 イ・ジュニクの映画の後頭部はトレンディーでないことから出てきたのではないか。 <あなたは遠い所に> の後半作業にあるイ・ジュニク監督を映画会社 朝 の事務室で会った。 彼は相変らずまた次の映画を深く考えていた。


▼ 後半作業はどれくらい進行したか。

ほとんどみな終わった。 昨日スエが歌うところを録音した。 2 時間 5 分になった。


▼ 今回も製作費が余ったというニュースが出てきたよ。 70 億ウォンの予想が、3 千万ウォン少ない 69 億 7 千万ウォンで終えたと。

製作費を残そうとして残したのではない。 計画通りに合わせながら撮ったら残った。 私はいつもシナリオを書いた通りに撮るから。 今まで作った 5 作品みな製作費が余った。 シナリオに書かれた以外の追加場面を撮ったことがない。 もちろん過度なジャンプがある時はブリッジシーンを現場で追加するけれども。


▼ それでも今度はタイ ロケーションが多かったのに、56 回ですべての撮影を終わらせるとは驚くべきだ。

早く撮るから。 私が急ぐ。 スタッフらと、手足もよく合わせて。 私はただコールの時間定めて、始めよう、終わりにしよう、と言うだけだ。


▼ 予想できない変化の要素はなかったか。

予想できないことが発生したら、それを施行しようとはしない。 また緻密に予想をすることもなくて。 精巧で緻密に進めて上手くできる場合より、よくできない場合がもっと多い。 それで準備をいい加減にする。 現場に行くと、ごちゃごちゃに準備ができていて。 その船の上で精巧に撮ることだね。 だから 56 回 撮ることができた。


▼ ベトナムが舞台だが、タイで撮った。 タイの方がロケーションがしやすかったのか。

ベトナムは撮影許可を取るのが大変だから。 タイはすべてのことがとても気楽だ。 カンチャナブリという、クウェー川鉄橋で有名な場所で撮ったがそこには軍の部隊が多い。 そして助け合いが良い。ほら、ハリウッドでベトナム背景にした映画も、大部分タイやフィリピンで撮ったのではないか。 そのため、タイのスタッフはハリウッド システムで動く。 反面、ハリウッドで作業することと違う私たちが中心になって動くことができて良かった。 ハリウッドで作業すれば、私たちはマイナーになるほかはないから。 あらゆる事を効率的に活用できたようだ。 後日、映画を見れば分かるだろうが、映画に動員された物量、人材の規模は、70 億ウォンではとうていまかなえないくらいだ。


▼ <あなたは遠い所に> は、歌が重要だったか。 <あなたは遠い所に> は、<ラジオ スター> の時 <雨の中の女性> とともに何を流そうか、悩んだ最終候補曲だといった。

そうだ。 <ラジオ スター> の時、キムさんママが好む歌でシナリオに <あなたは遠い所に> を書いておいた。 ところで度々 <雨の中の女性> にさらに引かれたよ。 それで撮影一日か二日前にスタッフら呼んで話して、同意を求めて変えた。 今回にいよいよ <あなたは遠い所に> を使ったことだ。 スエが二度この歌を歌うんだけど、あー、良かったよ。


▼ どんな感じが良かったのか。

「あなた(님)」 は、この言葉が持っている意味が良い。 価値ある存在を示すではないか。 男の立場では、愛する女が 「あなた」 であり、女の立場では反対に男であることもあって。 また親孝行できない息子にとってはお母さんが「あなた」である事もあるし。 「あなた」 は常に遠方にある。 「あなた」 という概念がそうしているのだ。 近くにいると 「あなた」 でなく「奴」 であって (笑)。個人的にはそうだ。 遠くある存在に対して感じる。 映画でもスニは夫と離れている。 男性中心社会で長男の嫁が持つ伝統的な位置もそうではないのか。 ひとつ屋根で横になっていても、夫を遠く感じる。 そうするうちにスニはもう物理的にも夫と離れる。


▼ スニが夫に会いにベトナムに行くという設定は、初めからあったか。

そうだ。 初めからあった。 ほら、この頃、韓国映画はシチュエーションに依存的だというのではないか。 文学でもいったい叙事はどこへ行ったかと。 私はもう少し叙事的であることをしたかった。 映画 100 年史を見ても、はるか遠く旅することは、人間が自分自身の人生を振り返ってみる一つの契機になってきた。 房 (방) 文化になじむ韓国の人々は、カラオケだ、PC喫茶店だと言いつつなかなか部屋を離れないけれど。 <あなたは遠い所に> を通じても、遠い道を行ってみろといいたかった。 私にとって、叙事は観客に向かった一種の総合ギフトセットだ。


▼ 初めて女キャラクターが主人公だ。 女キャラクターが貧弱だという批判は、常に女をよく分からなくするため、そうだと答えていたが、やっと女が分かるようになったのか。

知ることができる気がした。 この前に 「スクリーン」 編集長の結婚式に行ったが、ペ・チャンホ監督が媒酌人だった。 監督がおっしゃるには、結婚前には自分の目だけで世の中を見たとすると、結婚以後には目が二つさらにできたそうだ。 その一節が心にささった。 妻を通じて、見る目ができたと。 驚くべきことだった。 私は今回の映画を通じて、スニという女の目を通して世の中を見たようだ。 これまで男の映画だけずっと撮っていたら、無意識のうちに男性を代弁することになっていたが、スニの目を通じて彼らの偏狭さが見えた。 自分たちは正当だと思っているけれど、決して簡単に容赦されはしないこと。 女性観についてまだ分からないことがあまりにも多くて、男たちのそのような偏狭さが永遠に受け入れられることなのか分からないだろうが、容赦してくれるということが分かった。


▼ <黄山平野>、<王の男> が主流に対する嘲弄の側面が強かったとすれと、以後の2つの作品 <ラジオ スター> と <楽しい人生> は少数に対する憐憫がさらに強い作品だ。 ベトナム戦に対する話と聞くと、<あなたは遠い所に> はまた <黄山平野>、<王の男>の側に旋回する感じがするけれど。

そうではない。 <あなたは遠い所に> は、私の作品をみんなチャンポンした作品だ。 <黄山平野> の戦争、<王の男> の叙事性、<ラジオ スター>、<楽しい人生> の公演。<あなたは遠い所に> もスニが歌手で慰問団に入るから。 私は、ある女性が同年輩の男性たちの前で、ビキニ同然の姿で歌を歌うというのは、羞恥心を越えた崇高さがあると考える。もどかしい愛も、スペクタクルな戦争も、この映画に期待してはいけない。 <あなたは遠い所に> は、ひとりの女性を通じて、男性らしさ (性) と対比される女性らしさ (性) の偉大さを追いかけて作った映画だ。 男は世の中の一部であるが、その世の中を表わすことができるのは女性の性しかない。 フェミニズムに対して深く考えてみたことがないが、この映画は男性らしさ (性)、マッチョ性の弊害を通じて、女性らしさ (性) を考察した映画だ。 女性を中心においた視線で見られる男性の世界が気になったし、自身の行動を正当化するために力を持つ男性のの卑怯さを見たかった。 その卑怯さが 1 人の女性の前で崩れる時、はじめて自分の中で真実が出てくる。 そのラストのために戦争もして、飛行機も乗って、何でもやったよ。

(以下省略・・・ 新作の話、所有するギャラリーの話など・・・)


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予習② ヨンファガ ミッチョッソヨ~

2008-07-17 23:21:37 | K-Movie Columns


本日『良い奴、悪い奴、変な奴』 公開 記念 !
個人的な覚え書用記事(私流訳)。


キム・ジウン監督 「狂気じみた娯楽映画。狂ったように撮った」(インタビュー)
(  Star News)


キム・ジウン監督は淡々とした姿だった。 悪戦苦闘の中に撮影を終えた <良い奴、悪い奴、変な奴> の封切りをわずか 3 日後に控え、自分自身ができるのことは尽くしたという様子であった。

170 億ウォンを越える製作費で、韓国映画の復興を担わなければならないことのように <奴奴奴> が位置付けられても彼は意に介さなかった。 <甘い人生> のように木が風に揺れても心は揺れない境地にも達したのか?

14 日、キム・ジウン監督に会って <奴奴奴> について聞いた。


 封切りを控えた心情はどうなのか。

- 常にそのようにしてきたが淡々としている。前に手がけた作品より製作費が大きいが... 何故、1 編作るたびに韓国映画が難しくなるのか(笑)。他の映画よりやや負担が大きくなるのは事実だ。


 知人らにカンヌ バージョンは見ずに韓国バージョンを見ろと「お勧め」したというが。 カンヌ バージョンよりわかりやすく変えたのか。

- カンヌの時より、冒頭と最後のほかにはさらに多く入れていない。 初めて見る観客は早く感じられるだろう。また 3 人のバランスをさらにうまくとった。


 ソン・ガンホ、イ・ビョンホンよりチョン・ウソンのキャラクターが立体的ではないという指摘がカンヌであったが。

- チョン・ウソンにどんな線を求めるのかということはあった。 3人の俳優のバランスには、初めから大きな欲 (興味) をかきたてられた。各人の魅力は明らかで、(それを) 見たいことは明確だったためだ。チョン・ウソンは今まで「ホット」に描かれたことを「クール」に表現しようと努力した。 語り口や語尾まで互いに相談した。 私も西部映画をたくさん見たが、チョン・ウソンの力走シーンのように美しくて優雅な姿は、これまで見たことがなかった。


 タルパラニ(?)が編曲した主題曲がカンヌ バージョンより減った。西部映画にはいつも耳元に残る主題曲があるものだが、なぜ 1 回に減らしたのか。

- もともと 1 回その曲を映画に挿入しようとした。 ところがカンヌには編集ができていない状態で行ったので、2 回かけたのだ。 音楽監督もチョン・ウソンが登場するたびにその音楽が流れることに負担を感じた。


 韓国ウェスタン ジャンルが <奴奴奴> で復活することができると考えるか。

- 曳光弾を撃って、多連発が出てこないかと期待する。 西部映画が好きで私よりさらにジャンルの特性を発揮することができる監督は多くいると思っている。 オ・スンウク、チェ・ホ、イ・ミョンセ、パク・チャヌク、キム・ソンス、リュ・スンワン監督などは西部映画を愛する人々だ。


 キムチウェスタンという西欧言論の評は、ジャンルの変種で、さげすむように感じられたりもする。 むしろキム・ジウン式ウェスタンが明確な表現であるようだが。

- キム・ジウン式ではなくてもキムチウェスタン、味噌ウェスタン、韓牛ウェスタン、ドンドン酒ウェスタンと呼ばれても良い。 彼らと違った韓国的な気質とダイナミック感を見たようだ。 キムチの 「ホット」 な感じを愛嬌たっぷりに表現していると受け入れている。


 ウェスタンというジャンルに新しい解釈があったとすれば。

- 観客が 2 時間、歓呼して興奮する大型娯楽映画を作ろうとした。 当然私たちにウェスタン精神はないが、韓国人特有の活力と活気を入れた。時代的な痛みがあってもエネルギーがあふれていて...


 ジャンル映画に対するキム・ジウン監督の挑戦は、それ自体が評価されなければならないが、一方で 「キム・ジウン ワールド」 が形成されていない理由になったりもするけれど。

- 若干の誤解があることと、私が下手だということだろう。 表向きは、ジャンルにスタイルを追求して見たらそのように見える。 だが前作を通じて、明確に一貫したものを伝えてきた。 私自身も監督の世界を定めなかった部分もある。 まだ私は映画青年で、学んでいる。 今までジャンルのバリエーションを通じて学んだことが <奴奴奴> で集大成となり、まだそれをふろ敷に包んで、具体化させる仕事が残っている。 次からはジャンルを先に決めずに、話から探してジャンルを探すつもりだ。


 <奴奴奴> には <オールドボーイ>、<夕陽の無法者> など多様なパロディがあるけれど。

- 私が好きな映画を通じて、観客に楽しみを与えたかった。 同じ材料、同じやり方で料理を作っても腕が良いね、という声を聞くのが、今私が最も聞きたい声であるようだ。


 <奴奴奴> は、キム・ジウン監督にとってどんな映画なのか。

- この 10 年間の総決算として、次の新しい 10 年を準備する映画。後日、これぞキム・ジウン世界というものを見せることができて、そうなるためにこんなふうにしたんだということを、私が分かるようにする映画。


 壮大な企てだが、どんな瞬間に <奴奴奴> に対する確信を持つことができたか。

- 大平原の追撃シーンを撮った時だ。 馬が疾走して俳優がエネルギーを注ぐのをモニターで見ながら、この現場の気勢を観客に伝えることさえできればと考えた。


 何より派手なキャスティングで注目されたが。

- 3 人とも難しくなかった。 新しいジャンルに挑戦するのに魅力を感じてくれたようだ。出演する俳優をよく理解する監督として残りたい。 俳優達もそうした部分をよく見ていたようだ。


 3 人の俳優の魅力が映画に与えた点があるならば。

- ソン・ガンホがドラマの呼吸を担当して、イ・ビョンホンが緊張を与えたし、チョン・ウソンがアクションの快感を与えた。 3 人の俳優の魅力が極大化されたようだ。


 各俳優の画面配分が違ったが・・・。 イ・ビョンホンにクローズアップが多くて。

- そうだ。 各俳優の役割が違うから初めからそのように意図した。 イ・ビョンホンはどうしても目で語り声に酔う俳優ではないか。彼は私が閉じ込めておくよりはるかに大きな長所を持った俳優だ。


 チ・チュンヒョン武術監督が不慮の事故に遭うなど困難な瞬間も多かったが。 どんな瞬間が最も大変だったか。

- まさにその時だ。不慮の事故は予期せずやってくるが、あまり荷が重かった。 情熱を持っていて熱心に、互いに仕事をした人なのに。 すべての人々が楽しく仕事をしていたのに、すべての人がダウンした。 それ以前の状態に戻すのが容易ではなかった。 <甘い人生> の時に母親が事故で亡くなったが、その時は私だけが気をしっかり持てばよかったが、今回はそうではなかった。 私の映画人生の中で、最も大変で孤独な瞬間だった。 そのためにもスタッフと俳優に、この映画の功は全て配分されなければならない。


 娯楽映画でだけ強調されるのが嫌ではないか。

- ぜひとも娯楽映画として見てくれたら嬉しい。 私はこの映画で作家的野心を満たしたり認められようとするつもりはない。 この映画はスタッフと俳優の慰労になるためにも、興行にならなければならない(笑)。


 <奴奴奴> がダメだったら、韓国映画のIMFが来るとか、話はいろいろあふれるけれど。

- 韓国映画は、1 人の監督の映画で左右されないという信念を持っている。


 <奴奴奴> に対する評価の中で、最も印象深かったことは。

- キム・ヘス氏が話していた 「この映画は狂ってる」(笑)、狂気じみた娯楽映画という評。本当に私たちは狂ったように撮ったんだなと改めて思った。


 3 人の俳優の中で、だれか 1 人に主演男優賞を与えるべきだとすれば。

- 本当に困難な質問だ(笑)。たぶん全員に与えなければならないだろう。 3 人の俳優のうち、1 人でも欠けたらこの映画の魅力は半減しただろう。



寄り道その 1 :  ミッチョッソな現場 ( 動画 VIP 시사회 현장


寄り道その 2 : 「韓国映画、今すぐシナリオに投資しなければ」( link to)

ちょっと意識しすぎじゃないか (笑) と勘ぐってしまいそうな、カン・ウソク監督のインタビュー記事。 キム・ジウン監督とは正反対、対極のスタイルを持っている監督なのでしょうかねぇ~。『カン・チョルジュン』 動員700万が目標とか・・・目標は高くしないとね~ 最初は1000万とか言っていたらしいけど・・・ 以下、名(迷?)言抜粋。

「私が一番嫌いなことは撮ったものをカットすることだ。 俳優たちにも申し訳ないし、それはみなお金捨てることになるのだから。」

「編集前分量で3分程度カットして封切った。 DVDに別に入れるバージョンのようなものもない。」

「名作に残る映画は「映像」でなく、ドラマと俳優の演技に残ると考える・・・見ている時は絵が美しくても、過ぎて見ればそうでもない。」




予習① Good Point, Bad Point, Weird Point

2008-07-15 01:40:12 | K-Movie Columns



『カン・チョルジュン』 を見に行ったときのこと。

『カン・チョルジュン』 の公開初週末だっていうのに、なぜか映画館の中はどこも 1 ヶ月先公開の 『놈놈놈』 一色で、ちょっとカチン ときました(笑)。

壁はもちろん柱だってノム仕様
、映画館の外の看板だって 『カン・チョルジュン』 より上にあるし大きいし、地下鉄の交通広告までもが・・・。トップスターを 3 人も揃えているのに、こんなに広告宣伝費かけて、もしかして自信ないのかな~~なんてアマノジャク(笑) 。

『カン・チョルジュン』 は観客動員 400 万人突破で、2 塁打の責務は果たしたらしいので、あとは損益分岐点が動員 800 万人以上との噂の 4 番打者 『놈놈놈』 の本塁打を待つばかり。ぜひぜひ不振な韓国映画界に一発逆転をお願いしたいものです。

カンヌ映画祭のときはお祭り気分でハシャギすぎとおぼしき記事が多かったノム関連記事。いよいよ公開を数日後に控え連日ガンガン記事があがってきていますが、特に目新しい情報もないような・・・

それよりも、ストーリー性が手薄という評価について、「スケールの大きな娯楽性とキャラクターに注目してほしい」 となんだかすでに守りに入っているコメント記事が目につきました。娯楽性とキャラクターにはもちろん注目したいけど、それってストーリーと連動していないの?と素朴な疑問が・・・ジウン監督・・・(笑) 

エンディングは 4~5 バージョン用意したとか。どんなエンディングにも合わせられる着せ替えストーリー? 大丈夫か・・・4 番打者・・・ (←大きなお世話です)。

そんな賑わいの中で、CINE21 に掲載されている映画評論家の 「100 字評」 は意外と冷静( link to)。評論家の評もアテにならないことが多いけど、それこそ Good ポイント、Bad ポイント、Weird ポイントが手短に押さえられていると思います。

先日の試写会ツアーに参加された方に、ネタバレ ジュセヨ~ とお願いして、(カンヌ版)エンディングまで教えていただいたのですが 「うむむむむ~」 と思わず唸ってしまいました(爆)。

ともあれ気になるポイントが満載で、楽しみであることには変わりません。


    


映画 『後悔なんてしない』 (韓国)

2008-07-13 23:42:17 | K-Movie Notes



『後悔なんてしない』

原題: 후회하지 않아  (2006 年)
監督: イ=ソン・ヒイル
出演: イ・ハン、イ・ヨンフン、チョ・ヒョンチョル、キム・ドンウク
公式HP(日本) 
link to


東京 L&G 映画祭 @ 新宿バルト 9 のオープニング当日に上映された 『後悔なんてしない』 を見てきました。前売り券が即完売だったので、当日はもちろん満席。

同性愛をテーマにした映画祭だし、レイトショーだし、新宿だし、 妖しげな要素に呑み込まれそうな気がしましたが、別にどうということはありませんでした。

上映後の Q&A では、登壇予定だったイ・ハン改めキム・ナムギルが当日撮影のため来日できずちょっと残念でしたが、スクリーンの中からそのまま飛び出してきたような姿のイ・ヨンフンを囲んでのちょっとしたトークがありました。

MC の方 (オカマのマーガレットさん) がどうしても、アチラの方へ話を持っていくので、イ・ヨンフンもやや戸惑い気味?のようで苦笑しましたが、映画祭なので盛り上げないとね・・・。 

この作品、公開当時韓国でも話題になったインディペンデンス映画ですが、最近では、『ブロークバック・マウンテン』 を初め、同性愛を扱った作品そのものが各地で増え、評価を受ける機会も少しずつ増えてきていますね。チョ・インソンとチュ・ジンモ主演でユ・ハ監督の新作 『雙花店 <쌍화점>』 も同様のテーマだったかと思います。

『後悔なんてしない』 は、最近久しくお目にかかることのなかった心揺さぶられるメロとでも言うのでしょうか、とにかく切ない作品でした。お決まり純愛メロなどとは比べ物にならないぐらい深みがあって、予想に反してガッツリ持ってかれてしまったそんな作品でした。

オトコ同士の愛に、果たして私は同情したり、共感できたりするかなぁと思っていたのですが、同情とか共感とか超えたもの、究極的なものを見せてくれたような気がします。

イ・ヨンフンとイ・ハンがお互いを見つめる目がウルウルで、涙を流す場面や、互いをおんぶする場面があるのですが、それを見ながら、もらい泣きという受動的なものではなくて、根本的な何かが切なくて(うまく説明できないのですが)能動的な涙が流れてしまいました。

単に同性愛だけを扱ったわけでなく、格差社会や、都会に生きる人々の苦悩みたいなものもキッチリ描きだされていて、面白い内容でした。ペ・ドゥナのお母様、キム・ファヨンが、ジェミン(イ・ハン)の母親役で出ていて、へぇこんなところに・・・と楽しめたり。

同性愛のテーマが苦手な方にはお薦めできません。描写もかなりリアルなので・・・

7月19日より後悔、じゃなくて、公開・・・

 


久々K-Movie 4 本立て (後半)

2008-07-10 22:28:31 | K-Movie Notes

明日は金曜日じゃないですか~。あっー、1 週間がまたたく間に過ぎようとしています。今週はちょっとヘタバリ気味~


『浮気するのにいい日』
原題: 바람 피기 좋은 날 (韓国 2007年2月)
監督: チャン・ムニル
主演: キム・ヘス、ユン・ジンソ、イ・ジョンヒョク、イ・ミンギ

           

主婦の不倫がテーマだけに、性の解放だとか、女性の家庭での役割やら社会的地位が云々と、そういう一律的なお堅いとらえ方をするとつまらないかもしれません。私の第一印象は、ああでもない、こうでもないと着かず離れずのアンニュイな男女や、不思議ワールドを抱えている女性を描いたフランス映画のような作品だなぁと

料理も苦手で家庭向きではなく、子供のいない奔放な主婦にはキム・ヘス。夫の浮気に対抗して自分も浮気。このキャラに彼女以外のキャスティングはなかなか考えられないほどぴったりですが、相手となる童貞の大学生役がイ・ミンギ。またなんてウブなカワイイ男子を・・・。

8 歳の娘と無口な警察官の夫と暮らす平凡な主婦にはユン・ジンソ。ネットで知り合ったプレイボーイと付き合うことに。この証券マン役にはイ・ジョンヒョク。

どちらの主婦も不思議ちゃんモード全開。見るからに相手の男性とかみ合わなそうなところがオカシイ。見る人によっては面白くないのかもしれませんが、私は最近このテの不思議ちゃんモードはお気に入り。特に、ユン・ジンソのキャラは見ていてなかなか楽しいです。

不倫を扱っている割には深刻な修羅場があるわけでもなく、だからと言って、不倫をアバンチュールとして美化するものでもありません。一緒に暮らしているのに心が通じ合えない日常は、家庭生活の落とし穴で、寂しさや渇きが一層増すものだと思うですが、そういう繊細な感性の部分が上手く描かれているような気がします。



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『里長と郡守』
原題: 이장과 군수 (韓国 2007年3月)
監督: チャン・ギュソン
出演: チャ・スンウォン、ユ・ヘジン、ピョン・ヒボン、チェ・ジョンウォン

         

ちょっと笑いたいなぁと思ったので、この 2 人なら笑えるに違いないと思って見てみたら・・・

これほど肩透かしを食らった作品は久しぶりかも。だって、ユ・ヘジンとチャ・スンウォン、この 2 人がタッグを組んだら面白いに決っていると、自分の勝手な思い込みがいけなかったようです

見始めてしばらくして、うっそぉ、コメディじゃないのかぁぁ~、と気付きました。コメディっぽく仕立ててあるのですがコメディとは言いきれない歯切れの悪さが目立ちます。基本はヒューマンドラマなのでしょうか? 

小さい頃はチョ・チュンサム(チャ・スンウォン)がリーダーだったのに、大人になったら子分だったノ・テギュ(ユ・ヘジン)が郡守で、里長のチュンサムより社会的な立場が逆転する設定。ヤッカミ半分のチュンサムがテギュに楯突く展開なのですが、そこに、都市と地方の社会格差やら、財源のない地方都市がいかに生き残るかというような社会経済問題が見え隠れします。その間、ユ・ヘジンがずっと真面目顔で演技するので、こりゃコメディじゃないぢゃない。

チャン・ギュソン監督は、素朴な田舎の風景や人々の暮らし、純真な子供の姿を描くことにこだわりを持っておられるようで、この作品にもそういう部分は多く含まれています。前々作の 『僕らの落第先生』 は、とても自然な描写で、好きな作品だったのですが・・・。

田舎と下ネタ(お色気話ではなくお粗相)はなぜか切り離せない組み合わせだったりしますが、そんな 「型」 に無理やりはめこんで笑いを誘わなくていいのに、と見ているうちにだんだんと文句タラタラモードに突入

最後がこじんまりまとまっちゃっているものだから、そんなこじんまりなら、核廃棄物処理場とか大げさな問題を持ってこなくても、『僕らの~』 みたいに普通の人々の人間関係をじっくり描いてくれてもよかったのにと、余計なお世話モードに。もちろん、主演俳優 2 人に罪はありません。

ともあれ、笑いたかったのに笑えなかった題材にガックリしたことが、こんな駄文レビューになってしまった要因で、読んでしまわれた方はすぐにメモリ消去してくださいませ

 


久々K-Movie 4 本立て (前半)

2008-07-08 00:42:29 | K-Movie Notes


週末に DVD/VCD の整理をしていたら、同一作品の重複買いを 2 作品も発見!
ショックぅ~
作品を見てみたら、内容がそれほどでもなかったのでダブルショックぅ~
それも、これも、溜め込んでさっさと見ない自分が悪いのだと思い、反省の勢いついでに、一気に 4 本見てみました。

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『M』
原題: M (韓国 2007年10月)
監督: イ・ミョンセ
出演: カン・ドンウォン、イ・ヨニ、コン・ヒョジン

         

公開前にとても話題になり、昨年の PIFF ではチケット即完売。なのに、いざ公開されると、ネチズンから 「意味不明」、「つまらない」、「途中で寝た」、「眠い」 と酷評され興行成績も惨憺たる結果だったことがまだ記憶に新しい作品。

イ・ミョンセ監督だから映像に凝りに凝りすぎちゃって、ストーリー性は薄いのかなぁと思い、大して期待せずに見たのですが、これがですね、意外と (って、とても失礼ですが) 良かったのです。個人的には好きです。

確かに導入部からして分かりづらいのです。(英語)字幕が付いていても、映像とどう絡み合っているのかよく分からなくて「何なの?」と何度も躓き、スーッと入っていけないというか、入っていくことを拒まれているような映像なのです。字幕があってもそんな感じなので、なかったら絶対に訳がわからないだろうなぁと思いました。

普通のシーンはないの?と思うぐらい、すべてのシーンが複雑で迷宮という感じ。これが頭を混乱させる要因だったりするのかもしれません。セリフは少ないのですが、その分、セリフがキーなのかなぁと。

この作品、純愛劇だとは聞いていましたが、実に韓国的な 「超」 純愛劇だったことに驚かされましたが、こういう撮り方はやはり興味深く感じられました。美しい色彩、多様な照明、陽と陰のコントラストにも、きっといろいろな意図があるのでしょう。ぜひスクリーンでちゃんと見ておきたいですね。


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『食客』
原題: 식객 (韓国 2007年11月)
監督: チョン・ユンス
出演: キム・ガンウ、イム・ウォニ、イ・ハナ

         

『M』 と同じような時期に公開され、こちらは現地で大ヒットし、続編まで企画されているという作品なので期待していたのですが・・・ 

見てみないとわからないものですね。期待していたほどは面白くありませんでした(「食客」ファンの方、ごめんなさい)。料理対決という題材そのものが、「美味しんぼ」 やら 「鉄人」 やらでそれこそすでに食傷気味、目新しい題材ではないということもあるけれど。

一番がっかりしたのは、キャラクターの画一的、平面的な描き方でしょうか。漫画が原作だからか、そのままストーリーだけをなぞった感じ。ずる賢い野心家料理人オ・ボンジュ(イム・ウォニ) vs 善良な天才料理人ソン・チャン(キム・ガンウ) の対決が話の主軸

対決しなくてももう最初から勝負がわかっているような展開。オ・ボンジュの料理人としての苦悩みたいなものや、ソン・チャンの天才肌の感覚や情熱みたいのものが、もっと深く掘り下げていたらよかったのに・・・ 料理対決においても、オ・ボンジュとソン・チャンの作った料理(所作)に込められたものの違いがあまり明確に描写されておらず。

せっかく、この 2 人の演技派俳優を起用しているのに、もったいない演出の仕方だなぁと思いました。ソン・チャンの祖父(チョン・ジン)の話が、一番印象的だったのですが、そこが話の核だったりして?

そして、料理もそれほど美味しそうに見えないのです(笑)。「チャングム」 の方がよっぽど美味しそうに見えました。料理の撮り方のせいなのか、どうも素材を 「切る」 場面がやたらに多くて、そりゃ 「切る」 ことは料理の基本かもしれませんが、料理の過程が単調だったことも作品の膨らみにつながらなかった一因かもしれません。この監督さんって、料理に興味があるのかしら?とちょっと首をかしげたくなりました。

動物の話に滅法弱い私。ちょっと、ちょっと、こんなところで泣かせないでよね~ と、牛の涙に涙しました(笑)。

日帝時代のエピソードの描き方云々で、日本の配給会社がカットを要求し、輸出するとかしないでモメた報道がありましたが、別にどうということはなく・・・ その部分をカットしてしまったら、作品全体の構成がゆがんでしまうので意味がないと思うのです。カットを要求してまで、どうしても日本で上映してほしい作品かどうかは、ご覧になった方の判断にお任せしますが・・・

 


[追記] また、公開先延ばし・・・ <神機箭>

2008-07-05 00:27:05 | Suda on J.J.Y.


大作なのに、派手さが控えめ=奥ゆかし~い 『神機箭』。

昨日、CGV アックジョンで、オープニングショーケースを開催したそうですが、イベントでもやっぱり地味だわ。

この地味なイベントの模様は、公式ブログでどうぞ ( link to [이벤트] 欄)

      

公開も来月に迫り、地味ながらもプロモにもエンジンがかかるのね~と思っていたら・・・
予告編でも 8 月大公開!って言ってたのに・・・

どうやら公開は 9 月上旬に先延ばしにになるようです。
 maxmovie 記事

CJ の HP でも、公開予定は 9 月中に変更されていて、それに伴い 『モダンボーイ』 も 10 月公開予定に。

当初 3~4 月公開予定だったのに、⇒ 5 月⇒ 6 月⇒ 8 月⇒ 9 月 どんどん先送り。
8 月に身動き取れない私は、9
月に公開先延ばしと聞き、ちょっと小躍り、内心歓迎なのですが、予定は未定ですから油断なりません(笑)。


 追記 [2008/07/10]
9 月 14 日秋夕シーズンに合わせて公開を予定しているそうでーす。


最高の場面、でもネタバレ

2008-07-03 23:45:06 | Suda on J.J.Y.


『カン・チョルジュン』 はもう見たから、私の中ではほぼ終了!と思っていたのですが、なんだかんだで、まだ立て続けに記事が出てくる中で・・・

「作品全体の中で、最も自信のある場面をあげるとしたら」 という問いに対して、カン・ウソク監督が答えた場面が、チョン・ジェヨン vs ムン・ソングンの対決場面。

そう、そうなの、そこがお気に入り って私も鑑賞記で書いたのに・・・
ということは、私は完全にこの監督のツボにはまっていたというかことでしょうか?
そんな・・・微妙・・・ (ワタクシ、絶対チャン・ジン派なんだけどなぁ~

ともあれ、ココは好きなのでメモ代わりにあげておきます。
思い切りネタバレ映像なのでご注意ください。
 link to

このあと、ちゃんとオチがあるんですけどね(笑)。


映画 『ぼくの大切なともだち』 (フランス)

2008-07-03 01:35:38 | Cinema な時間


『ぼくの大切なともだち』

原題: Mon Meilleur Ami (フランス 2006年)
監督: パトリス・ルコント
出演: ダニエル・オートゥイユ、ダニー・ブーン、ジュリー・ガイエ


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自分勝手な美術商フランソワ(ダニエル・オートゥイユ)は、自分の誕生日のディナーに集まった仲間から「お前の葬式には誰も来ない」と言われショックを受けるが、反論しているうちに10 日以内に親友を連れてくるという賭けをする事に。早速、友人たちにコンタクトを取るフランソワだが、自分が思っていただけで、誰も自分を友人だとは思っていなかった事を知る。そんな時、誰とでも仲良くなれ、親しみやすいタクシー運転手ブリュノ(ダニー・ブーン)に出会い、彼から人と仲良くなるコツを学ぶ事にするが…。

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「友情とは?」 という大命題を抱えた映画というよりは、思いっきりコメディだと思った。面白くて笑ったあとに、そういえば自分の友人って・・・と、振り返るかもしれないけど。

そもそもこのストーリーは、スタートからして滑稽なのに、なんとなく見る者を納得させているところが面白い。

葬式に参加してくれる人の数でその人の交友関係の価値なんて決まらないし、友人は探すものじゃないし、期限を決めて友人を連れてくるという賭けをすることにも(恋人ならありそうだけど・笑)、連れてきた友人を 「親友」 だと周囲に認定してもらうことにも意味がない。

・・・と、わかっているのに、なんだかフランソワの調子に引きこまれて、友人探しのフランソワの奇行(?)につられて笑ったり、そりゃ違うだろう!とツッコミを入れたりしつつ、嫌味な奴なのだけどなぜか見守ってあげたくなってしまう。

もちろんこの親友探しの賭けに夢中になっているのはフランソワだけで、賭けに同調していたフランソワの仲間たちも、観客と同じ視線で、賭けそのものが無意味だとわかっているし、ちょっと嘲笑っているようにも見える。フランソワだけが、何もわかっていない。そこに、やや辛らつな皮肉ともとれる滑稽さが込められているような気もする。

中高生じゃあるまいしとは思うけれど、年齢にかかわらず、人と人との関係というのは難しいのかもしれない。

うまくやっていけそうだと思っていた人とは、付き合い当初は盛り上がっても、だんだん遠ざかったり、またその逆もありで、ちょっとダメかもしれないと思っていた人と、後になってわかり合えたりと、いくつになっても、たぶん、そんなことが繰り返されるのだと思う。

自分が賭けの対象だった事を知ったブリュノが激怒し、ブリュノを傷つけたかもしれないとフランソワがなんとなく悟った瞬間、そして、仕事上のパートナーであるカトリーヌ(ジュリー・ガイエ)から 「あたなの親友になりたかった」 と言われ、はじめて自分のもっとも身近な存在への無関心さに気づいた瞬間、フランソワは救われたなぁと思った。

フランソワは自分勝手な人間というよりは、友人に対しても、仕事の同僚に対しても、娘に対しても、恋人に対しても、「無関心」 だっただけである。

ダニエル・オートゥイユはもちろんだけど、ダニー・ブーンがとても良かった。誰とでも仲良くなれる明るさをもっているのに、繊細でどこか寂しげなところがホロリとさせられる。かなりお気に入り。

ダニー・ブーンは、もともとコメディ専門の舞台俳優だそうだが、最近では、フランス映画史上最大のヒットを記録したコメディ映画 「Bienvenue chez les Ch'tis (シュティの地へようこそ)」 の監督&主演で話題をさらい、ノリに乗っているとか。要チェックだわ
~。

ところで、パトリス・ルコント監督のインタビュー記事を読んで笑った。監督には、親友がいないそうだ。親友がいないので、親友とはどういうものかわからないそうだ。自問自答の作品だったのか

 パトリス・ルコント監督 インタビュー