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年初の妄想から2006年をふりかえる -2006年回顧
2006年のはじめに、ある会合で報告する準備のために、つぎのような文章を残しておいた。読み返してみると、誤りを正し発展させなければならないところはあるにせよ、当時何を考えていたのかが分かって、1年をふりかえることにも役立ちそうに思える。ライブドア事件はこんにちの日本資本主義の一面を映し出すものであったが、事件は現在の政治のあり方と少しも無縁ではなかった。要するにライブドア事件をとおしてわれわれの前にあきらかになった堀江の生き様は、今日の格差社会のいわば集中的な表現だといえなくもない。
安倍政権発足後、3カ月を経過した。政権にとっての、課題山積の現在の状況をみて、おそらくは安倍に懐疑的であった人たちの多くは、さもありなんと思っているだろう。私もそうだ。なかには当時、安倍が政権について短命だと論じた評論家もいた。果たしてそうなるかどうかは措くとして、最後のカードでもあったと以下で表現している、その小泉が辞める際、たとえれば、我が亡きあとに洪水よ来たれの状況であったと私は理解した。そして、替わって安倍が政権についたのだ。
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構造改革の後押しをうけて急成長してきたライブドアへの強制捜査は、2006年の幕明けを象徴するものとなった。ライブドアをこれまで率いてきた堀江は小泉首相より40歳若い、1972年生まれである。その彼は、高度成長の末期に生まれ、「行革」、構造改革のレールがしかれた時期に育った世代である。「人の心はお金で買える」「金を持っているやつが偉い」と豪語してきた、その堀江が証券取引法違反の容疑で逮捕された。
この堀江の波長は、構造改革をすすめる小泉、竹中のそれと共鳴しあった。だからこそ、昨年の総選挙では自民党執行部が前面にでて「改革」をかかげた堀江の支援に回ったのだ。小泉がつぎのように語って彼を応援したのをわれわれは忘れない。「新しい時代の息吹というかな、若い感覚をこれからの日本の経営に与えてくれるんじゃないかな」。そして昨年12月にはライブドアは経団連への加入を果たしている。堀江が強制捜査を受けたときの、(加入は)早すぎたという奥田経団連会長の姿に失笑を禁じえない。まさに堀江の政界進出は、一方では自民党の打算があったことも事実であるが、逮捕劇の中であきらかになったように自社の利益確保のための手段にされたのだった。堀江を象徴する先の言葉は、一言でいえば弱肉強食の肯定であり、実際の彼の行動は、これを見事に証明するものだった。
だが、この論理には重大な陥穽がともなう。堀江はこのことに気づくべきであった。それは、堀江のなす1つ1つの商行為-錬金術とよばれている-は必ず犠牲者をつくるという根本的原理に由来する、論理の結末―食べる肉がなくなればどうするか-だ。商行為を重ねるごとに、つぎつぎに犠牲者はふえ、ついには自ら犠牲者になる、犠牲者にかわってしまうのだ。この論理は止まることなく自らをとぎすます以外に、いいかえると自らの身を削りながら周囲を掘り崩していくことなしには存続しえない。より正確にいえば、この論理は、他者を否定しつづけることによってのみ自ら存続し、また自ら費え去るのだ。私たちは同じ構造を、「小さな政府」をめざす構造改革にみることができる。堀江が描き出す弁証法的な構図のなかにあって同業者、ライバルはもとより、系列会社内、そして自社内にすら、これを快しとはしない勢力が存在したことは想像にかたくない。だが、このこと自体はそもそも彼らの競争に不可避のものであり、競争が新たな敵をつくることはいわば承知の上であった。規制緩和と自由競争がもたらす現象とその結末を、われわれは堀江をとおして見せられたにすぎない。まさに今回の逮捕劇は新自由主義のいう規制緩和と競争原理の延長線上にあった。
チャップリンは、フォード(フォーディズム)とヒトラーを解読し、『モダンタイムス』と『独裁者』を世に問うたのだった。それから70年、『モダンタイムス』と『独裁者』をテクストにして、われわれは構造改革と小泉、またはライブドアショックと堀江を、以上のように読み直すことができるだろう。チャップリンの想像力はまさに現代をみすえていたのだ。
話をもとに戻そう。首相の任期切れまで9カ月ほどになり、後継者選びが耳目を集めている。そのなかで後継者の候補者たちが、小泉路線の正統的継承者と目されるものにたいして異論を唱え、主張のちがいを強調し、揺さぶりをかけている。既定の政権末期、それは任期を全うする最終盤という意味であるが、この時点で、今回のライブドアショックを自ら引導したとは、つまり権力の座にある小泉がライブドア捜査の指示を直接だすことは考えにくい。しかも、ライブドアショックだけではなく、耐震偽装問題にも小泉の出身派閥・森派、そして政権与党・公明党が深く関与しており、一面では政権を揺るがしかねない事態に発展してもよい状況にあることをわれわれはすでに知っている。何らかの力が働いている。
ここでいま、私は、堀江の逮捕劇を政局に置き換えて考えをすすめている。つまり、こうである。堀江はこれまで、いくつかの企業を買収、自らの系列におき、またメディアをも巧みに利用した株式分割-捜査がすすむにつれ経営困難時に株式分割などで経営の軌道修正を図っていることも明らかになった-などによって、ライブドアを表面上、成長させてきた。この過程自身が彼の論理に不可分の、そのなせる業であった。逮捕劇はそのなかで演じられた。自民党の退潮のなか、いわば最後のカードの役割を担って登場したのが小泉だった。小泉は、堀江とおなじ論理で政治のかじをとり、堀江が時代の寵児ともてはやされたように、小泉は総選挙をへて「後世に名を残す首相」とおそらくそう自認しているが、ふるまっている。それを裏返しにしてみるならば、ライブドアの成長の陰に幾多の庶民株主らの犠牲があるのと同様に、小泉が断行した構造改革の陰には国民のそれがあった。
ならば、堀江の逮捕を、われわれはどのように置換できるか。耐震偽装事件も、ライブドアショックもその置き換えをうながすアクセルにおそらくなっている。小泉の本意であるかどうかは別にして、再び語らなければならない。我が亡きあとに洪水よ来たれ、と。ライブドアへの強制捜査が2006年の幕明けを象徴するものといったのも、この意味であった。
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つまるところ、2006年は格差社会という切り口でまた、振り返ることができるのではないか。
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