相続

2020-03-07 12:38:50 | 生い立ち・家族
父は再婚しただろうか?
私には母親の違う兄弟がいるのかもしれない。
そんなことを思う。
そうであった方がいいと思う。
父にも、最期を看取ってくれる家族があればいいと思う。


以前そんなことをここに書いた。

そんな悠長なことを思っている場合ではなかったのである!!!

姉は結婚していない。
当然子供もいない。
ということは…。
姉が亡くなった時、もし他に兄弟がいたなら、
私あるいは子供たちの他に「相続人」がいるということである。

それほどお金や物に執着しているわけではない。
それでも、この歳になるまで存在も知らない「兄弟」に姉の持っているものを渡すと思うと、
心穏やかではない。
母が亡くなった時にも、母の持っていたものをどう分けたって、
いずれはうちにくるのだくらいに思っていた。
姉が自分で築いた財産だけならともかく、
祖父から受け継いだ家屋敷がある。
それが父の身内に渡るようなことになったら、母はどんなに嘆くことか。
もちろん、私がその兄弟の立場だったら、相続は放棄するだろう。
私の周りの人間関係を考えても、たいての人は放棄するだろう。
でも、そればっかりはわからない。
兄弟にとっては正当な権利なのだから。

ある時ふとそのことに思い当たった。
姉とはそんな類の話をほとんどしたことはなかったが、さすがに言ってみた。
誰か詳しい人に聞いてみた方がいい。
母が亡くなった時お世話になった司法書士さんに聞いてみると姉は言った。
でも、実際に行動は起こしていないだろうと私は思っていた。

それから半年くらいたったろうか?
聞くとはなしに聞いていたテレビからの音声。
「兄弟には遺留分がないので、なんたらかんたら…」。
ふと気になって調べてみる。
姉が亡くなった時に父が生きていたら…。
相続人は父一人である。
その父はどういう状態かわからない。
認知症がひどくて正常な判断ができる状態でないということもあり得る。

姉にその話をした。
案の定、姉は司法書士さんと連絡を取ってはいないと言った。
ずっと教員として忙しくしていた姉は、私のようにワイドショーやバラエティ番組を見ることはあまりなかっただろう。
だからそういった知識はあまり無いようだった。
私がいろいろ言っても、そんなバカなことはあり得ないという感じ。
「でも、法律っていうのはそういうものらしい」。
さすがに姉もすぐに司法書士さんに連絡をしたようだ。
「みなみの言うとおりだった」。
それでも実感はないようだ。
父はともかく兄弟にそんな権利があるなんて…。
それで、二人で司法書士さんに会いに行った。

「一番簡単なのは、みなみさんがお姉さんの養子になることですよ」。
「はあ!?」
その時はその「簡単」の意味がわかっていなかったと思う。
でもいろいろお聞きして、とにかくは姉の遺言があればいい。
公正証書遺言というのを作れば、お金はかかるけど後が楽。
紙に書いて実印を押しておくだけでもいいけど、お姉さんが亡くなったらそれを持って家裁に行って…。
父には遺留分があるが、兄弟にはないので、
父が亡くなっていた場合、兄弟のことは心配しなくていいとのことだった。

私はせめて自分の他に相続人がいるかどうかくらいは知っておきたい。
そう言うと、
兄弟の戸籍を取ることはできない。父のならできる。
父の戸籍を取れば、子供が産まれていれば記載されているからわかると。
そこで司法書士さんがおっしゃる。
母が亡くなった時に、父のハラ戸籍は取っている。
女性なら、再婚すれば夫の戸籍に入るから、それ以降のことはわからないが、
男性は、妻や子供が自分の戸籍に入ってくるのだから、
平成の改籍が行われた平成18年ころまでのことは記載されている。
自分はおせっかいな性格なので、もしそこにお父さんが再婚したり子供が産まれたりしていれば、
それを一言言ったと思う。
でもそんな記憶はないので、多分お父さんは再婚されていませんよ。

それを聞いてほっと気持ちが楽になった。

帰り道に姉が言う。
「再婚してないはずはないと思う」。
私もいろいろ考え合わせればそうかなと思う。
とにかく家に帰って戸籍を調べてみると。

夜連絡がきた。
父の戸籍は、母と離婚した1年くらい後に「消除」とあった。
送ってもらった写真では、読みにくいし、戸籍の見方もよくわからないが、
頭に書かれていた住所は私の知っているものではなかったので、
母と結婚している間は、本籍は実家とかの現住所とは違ったところだったのかもしれない。
素直に考えれば、再婚した時に本籍を変えたと考えるべきか?
とにかく何もわからなかったのである。

戸籍を取ってみるかと聞いてみた。
元々姉はそういうことをしたくないということは知っていた。
必要なら行ってくれと言われた。
父のことには関わりたくないのだろう。

なんだか私も気持ちが萎えた。
とにかくは、姉が遺言を書いておいてくれれば何とかなるのである。
そのことを確認してはいないが。
また気がそっちに向いたら、父の戸籍を取ってみようと思うかもしれない。


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