AちゃんとBちゃん②

2016-08-20 11:47:36 | ねこ部
仔猫の貰い手探しをする。
子供たちも学校で友達にあたってくれる。
私も友達に聞いてみたり、職場に張り紙をしてもらったりする。
〇〇さんが多頭飼いをしたがっていたという情報を聞いて、お伺いをたてに行ったりする。
なかなか見つからない。
野良猫の貰い手なんて滅多にいるもんじゃないよな。

その間に、仔猫たちはどんどん大きくなる。
最初は、敷居の段差も上れなかったのが、階段も上れるようになる。
うちの猫たちとも仲良くなる。
ミルクも卒業して、離乳食を与える。

性格もはっきりしてきて、
ぐるぐるちゃんはおっとりしている。
しましまちゃんは気が強い。

ある晩、私の布団の中に我が家の飼い猫2匹が入ってきて寝ており、
私の布団の上に、仔猫が2匹くっついて寝ていた。
なんて至福の時!!

そのうち、娘の同級生の男の子が2匹一緒にもらってくれることになった。
ところが、その友達は下宿生!?
下宿先では飼えないので、実家で飼ってもらうという。
でも、飼いたいのは実家のご家族ではなく、本人の下宿生。
というよくわからない話だった。
実家の親御さんは、「飼いたいなら飼ってもいいけど、自分で面倒みてね」とおっしゃり、
「無理」と言うと、お兄さんが面倒を見てくれるという話になったそうである。

ある土曜日、彼の実家まで連れて行くことになった。
我が家に来てから、1ヶ月半くらいたっていた。
前の晩、夫がお風呂に入れると言い出す。
我が家から80kmくらい離れているだろうか?
夫と、長男と3人で連れて行く。娘はバイトで行けなかった。

2匹を一緒にキャリーに入れる。
最初泣いていたが、すぐに眠ってしまう。

ナビで近くまで行って、わからなくなったところで相手先に電話を入れる。
猫よりも先に実家に帰っていると言っていたご本人様はまだ帰っていないとのことで、
お母様とお話をするのだけれど、よく話が通じない。
「え!?ここまで来て空振り!?」と一瞬思うが、お話しているうちに、理解してもらえる、
猫をもらいたいという話は聞いていたが、いつ誰からとかは聞いていなかったらしい。
男の子ってそんなものかな?

回りに田んぼや畑が広がる中の、なかなか広いおうち。
お父様は、最初「この辺りにも野良猫はいっぱいいますよ」と、
何でわざわざそんな遠くから…、と思ってみえる様子だったが、
仔猫を抱き上げ、相手をする優しそうなお顔。
このお宅なら大丈夫だ。そう思って安心した。
猫たちも、知らない家で緊張するかと思いきや、早速あちこち探検して回る。
長居もできないので、お兄様が駅まで迎えに行っているという息子さん(娘の友達)の帰りを待つこともなく失礼してくる。

後日、娘が友達から聞いた話によると、
その日帰った彼は、まだ仔猫に名前もつけないで一旦下宿先に帰ったそうだ。
名前を考えてはいたようだが、次に帰ったら、もう名前はつけられているんだろうと思っていたそうだ。
そして、帰ると、案の定名前はつけられていた。
ぐるぐるちゃんは、Aちゃん。
しましまちゃんは、Bちゃん。
2匹合わせて、エビちゃん。

その後、何回かエビちゃんの写真を見せてもらったことがある。
写真の写り方のせいもあるが、大きくなってどっちがどっちかもよくわからない。
でも、AちゃんとBちゃんは、今も幸せにかわいがってもらっているようだ。


 仔猫を捨てて行った人は、どう思っているだろう。
 きっと、あの後何度も我が家の様子を伺っていたのじゃないだろうか?
 いつまでたっても、我が家で散歩させる猫は前からいる2匹だけということにも気づいているのじゃないだろうか?
 自分が捨てた仔猫がどうなったか、気になっているのだろうか?

AちゃんとBちゃん①

2016-08-20 11:47:11 | ねこ部
まだ毎日猫を散歩に連れて行っていたころのことだ。
その日は、東京に行った息子が帰ってきていた。
彼女さんと一緒に車で出かけて行く。
私も仕事に出ようと外に出ると、玄関ポーチの途中に小さなポーチが落ちている。
彼女さんが落としていったのかな?
彼女のものにしては、かわいげのない安っぽいポーチだけど…。
と思いながら、中を確認してみる。
「なんと!!」
そこには、小さな小さな仔猫が2匹。

毎日猫散歩などしているものだから、
我が家の猫好きを知って、誰かが捨てていったものと思われる。
中から出してみると、本当にまだ小さな仔猫で、1匹の子など、まだちゃんと立てない。
一瞬、足の悪い子なのかな?
だったら、貰い手も見つからないだろうな、などと思うが、
単にまだ小さ過ぎて立てないだけのようだった。

どうしても仕事に回らないといけないところがあった。
家の中に入れておくと、うちの子たちが何をするかわからない。
それで、取り敢えず玄関先に段ボールを置いて、その中に入れておく。
出かけると、すぐに息子から電話がかかってくる。
「家の前に、仔猫がいるんだけど…」。
事情を説明して、どうしても行かなくちゃいけないところだけ仕事を済ませて家に帰る。

仔猫は、息子と彼女が見ていてくれた。
ノミがいる。
うちの子たちにノミがうつると困る。
取り敢えずシャンプーしてみる。
(あまりに小さいので、シャンプーもプローもなんて簡単にできること!!)
ノミは取りきれない。
仕方ないので、動物病院に連れて行って処置してもらう。
生後2週間くらいだろうと言われる。
ミルクの与え方や、排泄のさせ方なども教えてもらう。
困ったら、ここの動物病院でも里親探しを手伝ってくれるという話である。

困ったなあ。
我が家には2匹の猫がいるのに、この上あと2匹なんて飼えない。
貰い手を探さなければならない。
実は、私はそんなことばかり考えていて、厄介事を背負い込んでしまったという思いでいっぱいだった。
でも、夫や子供たちは、純粋に仔猫をかわいがっていた。
ちょっと反省した。

2匹ともよく似た茶色と白の混じった子。しっぽが長くて真っ直ぐである。
男の子は、うちのちゃーちゃんと同じようにお腹にぐるぐるがある。
それで名前は「ぐるぐるちゃん」。
女の子は、「しましまちゃん」。

くーちゃんとちゃーちゃんは、パニックである。
仔猫に向かって威嚇する。
穏やかな性格のちゃーちゃんが、「シャー!!」と言って怒るのを初めて見た

実際、仔猫育ては大変だ。
哺乳瓶を買ってきて、ミルクを作っては飲ませる。
1匹ずつしかやれないのだけれど、1匹に飲ませていると、もう1匹が欲しがって、人の手を登ってくる。
仔猫の爪は、細くて尖っていて、手は傷だらけだ。
でも、こんな小さな仔猫の世話ができることなんて滅多にない。
ものすごく貴重な体験をさせてもらっているんだなと思う。

エクストレイル

2016-08-20 10:39:30 | ストロベリークォーツ
整形の職員駐車場。
Mくんの車はどれだろう?
何度そう思って眺めたか知れない。
眺めていてもわかるはずもないのに。

これじゃないかな?
ボードキャリーの乗った、赤いエクストレイル。
半信半疑でそう思う。

そう思って眺めていると、その車は、毎日同じ場所に駐車されるようになった。
「ここは俺の場所!」と言いたげに、ドン!!!と置かれたその車に、
ふてぶてしさを感じて、本当にそれがMくんの車のような気がした。

そしてあの日、本当にそれがMくんの車だったことがわかった。
Mくんの車が特定できた。
それ以来、駐車場に置かれたその車を見るだけで嬉しかった。
道路際のスペースに置かれていた時、そっと手でペタっと触ってみた。
指紋ついちゃったかな?
それだけで嬉しかった。
無邪気な55歳。

どうして神様は、あんなにもすごい偶然を起こして、
私にMくんの車を特定させてくれたのだろう?

車でちょっと出かけたついでに、エクストレイルを見に行ってみた。
あった!
Mくんは、今日も元気で出勤している。
私がそう思うことができるようにかな?

でも…。
でも、通りすがりに眺めたエクストレイルは、私とは何の縁もない車なんだ。
そう感じて打ちのめされる。

乗ってみたかったな。
エクストレイルの助手席。
行ってみたかったな。
Mくんとカラオケ。
別に、他の人と一緒でもいいから。

友達っていう選択肢はないんだろうな。
元々友達だったわけじゃないんだから。

エネルギーの使い道

2016-08-20 10:29:42 | 日記
山田くんが、以前にも言った言葉を繰り返す。
「恋愛も、エネルギー使いますよね
 恋愛初期も、最盛期も、失恋というか終わりの、ときも。
 あのエネルギーは、もう時間捻出も、お金も、体力もないです」
私は軽く応える。
「使い果たしましたー!」

でも、本当は違う。
使い果たしたわけじゃない。
神様は、私にまだそれだけのエネルギーがあると教えてくれたのだと思う。
このエネルギーを、何か他のことに向けなさいと。