エクストレイル

2016-08-20 10:39:30 | ストロベリークォーツ
整形の職員駐車場。
Mくんの車はどれだろう?
何度そう思って眺めたか知れない。
眺めていてもわかるはずもないのに。

これじゃないかな?
ボードキャリーの乗った、赤いエクストレイル。
半信半疑でそう思う。

そう思って眺めていると、その車は、毎日同じ場所に駐車されるようになった。
「ここは俺の場所!」と言いたげに、ドン!!!と置かれたその車に、
ふてぶてしさを感じて、本当にそれがMくんの車のような気がした。

そしてあの日、本当にそれがMくんの車だったことがわかった。
Mくんの車が特定できた。
それ以来、駐車場に置かれたその車を見るだけで嬉しかった。
道路際のスペースに置かれていた時、そっと手でペタっと触ってみた。
指紋ついちゃったかな?
それだけで嬉しかった。
無邪気な55歳。

どうして神様は、あんなにもすごい偶然を起こして、
私にMくんの車を特定させてくれたのだろう?

車でちょっと出かけたついでに、エクストレイルを見に行ってみた。
あった!
Mくんは、今日も元気で出勤している。
私がそう思うことができるようにかな?

でも…。
でも、通りすがりに眺めたエクストレイルは、私とは何の縁もない車なんだ。
そう感じて打ちのめされる。

乗ってみたかったな。
エクストレイルの助手席。
行ってみたかったな。
Mくんとカラオケ。
別に、他の人と一緒でもいいから。

友達っていう選択肢はないんだろうな。
元々友達だったわけじゃないんだから。

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