喜劇集団“開心麻花”（カイシンマーファー）がリメイク

ごめんなさい。三谷幸喜脚本、監督「ザ・マジックアワー」（０８）は未見です。街を牛耳る暗黒界の顔役、天塩幸之助（西田敏行）の愛人…

高千穂マリ（深津絵里）に手を出してしまった手下のホテル支配人、備後登（妻夫木聡）は、天塩に捕まり絶体絶命。助かる唯一の条件は…

５日以内に幻の殺し屋“デラ富樫”を連れて来ること。期限が迫り、無名の三流役者、村田大樹（佐藤浩市）を雇って殺し屋に仕立てるのですが…

というストーリーとか。ネットって便利！日本の巨匠（！）三谷さんの作品ですから、面白くないはずは絶対ない！邦画を見ない自分のせいです。

この作品を、中国のシン・ウェンション監督がリメイク。脚本も。それが「トゥ・クール・トゥ・キル 殺せない殺し屋」（２２）です。

中国映画というと人間ドラマのイメージ、コメディなら香港映画を思い浮かべます。カンフー映画のイメージが強い香港も中国。当たり前ですが。

万年エキストラの売れない役者ウェイ・セイコウ（ウェイ・シャン）は、俳優の夢を追い続けています。ある日、大スターの女優ミラン…

（マー・リー）から主役に抜てきされ、伝説の殺し屋カールという役を演じることに。大きなチャンスに役に入り込んでいくウェイ。

しかし、ミランとその弟で映画監督のミラー（ホアン・ツァイルン）が画策した芝居計画はやがてコントロールを失い、予期せぬ展開に…

巻き込まれていくのでした。果たして？ボス役にチェン・ミンハオ、カール役にアレン・アイ共演。中国の人気コメディ映画、見ましょ。

ホームレスから生きるために海兵隊へ

インスペクションとは、精査・点検・視察のこと。監察、検閲、査閲も。マイブログの最近の映画の中で、意外と多いなと感じるのが…

同性愛をテーマに、またはベースにある作品。フランソワ・オゾン監督「苦い涙」（２２）、トッド・フィールド監督「ＴＡＲ／ター」（２２）、

これから公開のゼバスティアン・マイゼ監督「大いなる自由」（２１）もそんな作品。エレガンス・ブラットン脚本、監督の長編デビュー作…

「インスペクション ここで生きる」（２２）も同じ。海兵隊在職中に映像記録担当だった監督の実体験を基に、脚本を書き、映画にしました。

イラク戦争が長期化していた２００５年のアメリカ。ゲイであることで母に捨てられ、１６歳から１０年間、ホームレス生活を送っていた…

青年フレンチ（ジェレミー・ポープ）。自分の居場所やアイデンティティーを探し求める彼は、海兵隊に入隊志願します。しかし、訓練初日から…

教官から強烈なしごきを受け、さらにゲイであることが周囲に知れ渡ると凄絶な差別を受けることに。暴力を振るわれ、嫌悪の目を向けられても…

果敢に立ち向かうフレンチ。孤立を恐れず、決して他者を見限らない、その姿が徐々に周囲の意識を変化させていくのでした。

主演を務めたジェレミー・ポープは、歌手としても活動しているそう。製作はあのＡ２４。「ミッドサマー」（１９）や「パール」（２３）とは違う…

Ａ２４のドラマをぜひ。あっ、今年のオスカー受賞作「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」（２２）もＡ２４でした。

ＩＭＷ２０２３／ＰＡＲＴ１

「インド大映画祭２０２３」に続いて、「インディアン・ムービー・ウィーク２０２３」が開催されます。インド映画ファンにはうれしい限り。

ＩＭＷ（インディアン・ムービー・ウィーク）の公式サイトはまだ２０２２なので、リンクは劇場の方。しかも今回はパート１。２もあるみたい。

ボリウッドことインドの映画製作本数は、２０１８年には１９８６本。ちなみにアメリカ６６０本、中国８７４本、日本５９４本だとか。

インド映画は劇場公開作が限られていて、随分見逃しています。御贔屓の俳優の作品はたくさん見たいです。映画祭のラインナップを見ると…

つくづくそう思います。で、今回は…リティック・ローシャン主演『火の道』（１２／ヒンディー語）プリヤンカー・チョープラー共演。

シュリー主演『狼と子羊の夜』（１３／タミル語）、シャーヒド・カプール主演『Ｒラージクマール』（１３／ヒンディー語）、

アジット・クマー主演『兄貴の嫁取物語』（１４／タミル語）、アイシュワリヤー・ラージェーシュ主演『私の夢、父の夢』（１８／タミル語）、

デジタルリマスター版『シャンカラーバラナム 不滅のメロディ』（７９／タミル語）、サウビン・シャーヒル主演『ジャパン・ロボット』（１９／マラヤーラム語）。

ヴィジャイ特集として『ビギル 勝利のホイッスル』（１９／タミル語）、『サルカール １票の革命』（１８）、『マジック』（１７）、

『ジッラ 修羅のシマ』（１４）、そして昨年公開された「マスター 先生が来る！」（２１）の１２本。ああ～、全部見たいです。

ハッピーランドのバービー、ロスへ行く

持っていました。バービー人形。１９５９年３月アメリカのマテル社から発売された、身長３０ｃｍの着せ替え人形、ファッションドールです。

大昔のことでいったいどうしたのか、今はありません。初期のバービー人形は日本で作られたそうです。だから買ってもらえたんですね、きっと。

とにかく素晴らしいボディラインで、色々な服を着せることができて、女の子に大人気でした。もちろん、服以外のファッション小物もあります。

その後、１９６７年には日本のタカラトミーが２１ｃｍの着せ替え人形リカちゃんを発売。こちらは持っていませんでした。やはりバービー。

そんなことはどうでもいいんですが、そのバービーが映画に！しかも実写版。なんでもＣＧアニメ版があるらしいのですが、知りませんでした。

女優で脚本家で監督のグレタ・ガーウィグ、「バービー」（２３）です。主演した「フランシス・ハ」（１２）のノア・バームバック監督と…

脚本を担当。ガーウィグは、シアーシャ・ローナン主演「レディ・バード」（１７）や「ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語」（１９）で…

監督を務め、女の子映画はお得意。ピンクで彩られた夢のようなハッピーランドで暮らす、おしゃれ大好きなバービー（マーゴット・ロビー）。

ある日、バービーの身体に異変が！世界の秘密を知る変わり者バービーに導かれ、恋人のケン（ライアン・ゴズリング）と人間世界へ行くことに。

果たして、バービーは自分の持ち主を見つけることができるのでしょうか？ウィル・フェレル、ヘレン・ミレンと意外な俳優が共演。見ましょ。

原作とは違う「裸のランチ」

昨年８月から始まった『１２ヶ月のシネマリレー』。１年を通して名作１２本を上映していくプロジェクト。マイブログでも何作か取り上げましたが…

スケジュール変更となった作品がありました。それがウィリアム・Ｓ・バロウズ原作、デヴィッド・クローネンバーグ監督「裸のランチ」（９１）。

レストア作業の遅れで昨年１２月上映が、ようやく公開。しかもプロジェクトの最後を飾ることになった「裸のランチ ４Kレストア版」です。

原作者のバロウズは発明家の父の遺産から信託財産を受け撮り働く必要がないとか、医学や精神分析への関心、ドラッグ依存症、アルコール依存症、

バイセクシャル＆同性愛者、離婚問題、果ては１９４９年には当時の妻を射殺する事件を起こします。とにかくそのすべてが作品に反映されています。

９２年の公開時、クローネンバーグ監督の作品はクリストファー・ウォーケン主演「デッドゾーン」（８３）、ジェフ・ゴールドブラム主演「ザ・フライ」（８６）、

ジェレミー・アイアンズ主演「戦慄の絆」（８８）を見ていて、映画の予想はなんとなくついていたけど、「裸のランチ」は難解でした。

１９５３年のニューヨーク。害虫駆除員のビル・リー（ピーター・ウェラー）は小説家志望で、寸暇を惜しんでタイプライターに向かっています。

妻のジョーン（ジュディ・デイヴィス）は麻薬に手をだし、廃人一歩手前。彼は誤って妻を射殺してしまいます。かつて中毒者だったリーは…

怪しげな殺虫剤を試し、恐ろしい幻覚に襲われ…果たして？イアン・ホルム、ジュリアン・サンズ、ロイ・シャイダー共演。みんな怪しい…。

大人になったハイジは、復讐の鬼

善人の代表サンタクロースが、実はダメダメの困った人だったという「バットサンタ」（０３）。演じているのはビリー・ボブ・ソーントン。

聖ニコラスがモデルと言われているサンタ・クロース。シーズンムービーのジョージ・シートン監督「三十四丁目の奇蹟」（４７）が有名。

でも「バットサンタ」は、ハートフル・ブラックコメディ。さらにメル・ギブソン主演「クリスマス・ウォーズ」（２０）はサンタのおもちゃ工場が…

米軍からの依頼とはいえ、兵器工場になってしまうアクション・コメディだし、デヴィッド・ハーバー主演「バイオレント・ナイト」（２２）では…

プレゼントを届けるために入った家で強盗団と戦うことになるバイオレンス・コメディでした。いずれも、本物のサンタが予想外の人物像を見せます。

スイスのヨハンナ・シュピリの児童文学『アルプスの少女ハイジ』（１８８０年）は、アニメにもなっていて日本や世界中で愛されています。

実写や劇場版アニメ映画もたくさんあります。ところがハイジの本国、スイスからとんでもない映画がやって来ました！それがヨハネス・ハートマンと…

サンドロ・クロプフシュタイン監督「マッド・ハイジ」（２２）。チーズ製造会社のワンマン社長でスイス大統領のマイリ（キャスパー・ヴァン・ディーン）は…

自社製品以外のチーズを禁止する法律を制定。２０年後。アルプスの女性ハイジ（アリス・ルーシー）の恋人ペーター（ケル・マツェナ）が…

闇のチーズ販売で処刑されます。アルムおんじ（デヴィッド・スコフィールド）も爆死。愛する者を失ったハイジは、復讐に立ち上がります。果たして？

ホラー初主演ラッセルのエクソシスト

ニュージーランド、ウェリントン出身のラッセル・クロウは、「アンボンで何が裁かれたか」（９０）や「ハーケンクロイツ／ネオナチの刻印」（９３未）、

「人生は上々だ！」（９４未）などに出演後、サム・ライミ監督「クイック＆デッド」（９５）でハリウッドへ。カーティス・ハンソン監督「Ｌ.Ａ.コンフィデンシャル」（９７）、

リドリー・スコット監督「グラディエーター」（００）でオスカー俳優に。ロン・ハワード監督「ビューティフル・マインド」（０１）でもノミネート。

「インサイダー」（９９）、「プルーフ・オブ・ライフ」（００）、「マスター・アンド・コマンダー」（０３）、「シンデレラマン」（０５）、

「プロヴァンスの贈りもの」（００）、「アメリカン・ギャングスター」（０７）、「３時１０分、決断のとき」（０７）、「ワールド・オブ・ライズ」（０８）、

「消されたヘッドライン」（０９）、「ロビン・フッド」（１０）などお気に入りがいっぱい！ファンなので。しかし、この頃から太り始め…

（過去に自分でも太りやすい体質と言っていました）出演作品にも変化が。現在５８歳ですが「アオラレ」（２０）はショック＆がっかり。

『グラディエーター』の続編出演はなさそうですが、最新作は楽しみ。オーストラリア出身ジュリアス・エイヴァリー監督「ヴァチカンのエクソシスト」（２３）です。

カトリック教会の総本山ヴァチカンのチーフエクソシストとして、数多くの悪魔払いを行ったガブリエーレ・アモルト神父の実話の映画化。

１９８７年７月、サン・セバスチャン修道院にアモルト神父（ラッセル・クロウ）がやって来ます。ある少年の悪魔祓いを行うためでした。果たして？

Ａ２４初の３部作、第２弾

１４年前に公開され、大ショックを受けたジャウマ・コレット＝セラ監督「エスター」（０９）。以来、大のお気に入りの作品に。

さらに驚きの１４年ぶりに製作された続編（前日譚）、ウィリアム・ブレント・ベル監督「エスター ファースト・キル」（２２）が公開。

ジェラード・ジョンストーン監督「Ｍ３ＧＡＮ／ミーガン」（２３）もあります。最近、女の子を主人公にしたホラー、サスペンス映画が続きます。

タイ・ウェスト脚本、監督「Ｐｅａｒｌ パール」（２３）も『映画史上、最も無垢なシリアルキラー誕生』が、キャッチコピーなんです。

しかも本作は「ミッドサマー」（１９）のＡ２４が製作。「ミッドサマー」はＡ２４の冠で、マイ・トラウマ映画。未見の方はお急ぎ下さい。

それはともかく、本作は「Ｘ エックス」（２２）シリーズの第２弾。１９７０年代テキサスが舞台だった「Ｘ」の６０年前を描く前日譚。

「Ｘ」に登場した極悪老婆パールの若き日を描いています。１９１８年、華やかな世界に憧れるダンサー志望のパール（ミア・ゴス）。

厳格な母親と病気の父親と、人里離れた農場で暮らしています。夫は戦争へ出征中。ある日、買い物に出かけた町で内緒で映画を見た彼女は…

ますます外の世界に憧れます。ところが母親から『一生農場から出られない』と言われ、抑圧されてきたパールの狂気は一気に暴発！果たして？

まるで「オズの魔法使い」みたいな世界で、繰り広げられる血みどろのミュージカル！特殊メイクの老婆役から、少女に大変身。ミアは脚本にも参加。

サントメール、実際の裁判劇

渋谷文化村６階にあったル・シネマは渋谷界隈の再開発のため、４月１０日より２０２７年まで長期休館中。移転先は２２年１２月６日に…

閉館した渋谷ＴＯＥＩ跡、６月１６日よりＢｕｎｋａｍｕｒａ ル・シネマ渋谷宮下（７階、９階）となります。７月７日からは…

セバスティアン・マイゼ監督「大いなる自由」（２１）、７月１４日からはアリス・ディオップ脚本、監督「サントメール ある被告」（２２）が上映。

本作は実際に起きた事件の裁判を描き、セリフは実際の裁判記録をそのまま使用。第７９回ヴェネチア映画祭銀獅子賞（審査員大賞）と…

新人監督賞を受賞した注目作です。フランス北部の町サントメール。若き女性作家ラマ（カイジ・カガメ）は、ある裁判を傍聴します。

被告は生後１５ヶ月の娘を海辺に置き去りにし、殺人罪に問われたのはロランス・コリー（ガスラジー・マランダ）という女性でした。

セネガルからフランスに留学、完璧なフランス語を話すロランス。被告のロランス本人や娘の父親である男性も証言台に立ちますが…

真実はまったくわかりません。やがてラマは偶然にもロランスの母親と知り合います。果たして？スイスのジュネーブ出身のカイジ・カガメは…

本作が長編映画デビュー作。他にヴァレリー・ドレヴィル、オーレリア・プティ、グザヴィエ・マリ共演。知らない俳優ばかりですが…

裁判劇ってどういう展開になるのか、興味津々で大好きなジャンル。それにリニューアルした渋谷ＴＯＥＩとル・シネマ、ぜひ行きましょう。

未完の「キングダム」からの脱出

日本では製作から劇場公開されるのは約１年後。ラース・フォン・トリアー監督の場合、「ハウス・ジャック・ビルト」（１８）から約４年。

ちなみにこの作品、トラウマです。それはさておき、最新作「キングダム エクソダス＜脱出＞」（２２）が公開！もう、びっくりです！

うれしすぎます。ＴＶのミニシリーズを２本のＴＶＭにまとめ、「キングダム」（９４）と「キングダムⅡ 第３章／第４章」（９７）として公開。

本作は続編、２５年ぶりの最終章なのです。すごい！全話５時間以上をつないだ、上映時間３１９分の映画なのです。見ずにはいられません。

キングダムこと、デンマーク国立病院のスティグ・ヘルマー医師を演じたエルンスト・フーゴ・イエアゴーが亡くなり、中断されていた第３部。

夢遊病者カレンは夢の中で助けを呼ぶ声に導かれ、巨大病院キングダムに辿り着きます。用務係ブルザーや心臓外科医ユディットとともに…

病院の呪いを解こうとするカレン。しかし、悪魔の力に反撃されてしまいます。一方、キングダムに赴任してきたばかりのスウェーデン人医師…

ヘルマー・ジュニアは、亡き父スティグ・ヘルマーの秘密を探るのですが…果たして？出演はボディル・ヨルゲンセン、ミカエル・パーシュブラント他…

ステランの長男アレキサンダー・スカルスガルド、マッツの兄ラース・ミケルセン、オリジナルメンバーのウド・キア、常連のウィレム・デフォー主演。

オリジナルに惚れ込んだスティーヴン・キングのリメイク版、クレイグ・Ｒ・バクスリー監督「キングダム・ホスピタル」（０４）。ソフト持ってます。