倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

切望

2019-10-30 | 日記

現在、永田町では「臨時国会」が行なわれています。

しかしながら、国民 とりわけ私たち被災地の市民から見ると、被災地の復旧・復興に向けた質疑など〝今、まさに交わさなければならない 肝心な議論〟が行なわれていない、正確に言えば、その肝心な議論の入り口にまで到達していないことに、もどかしさを禁じ得ないところです。

その根本には、公然と公選法に背く行為をしていたり、着任早々軽はずみな発言が絶えないなどの 新任大臣の資質に欠ける言動があることは間違はなく「こんな大臣の下(もと)では議論などできない。」というのは正論でありましょう。

しかし 今まさに、この瞬間にも 被災地域の住民は 言い知れぬ不安と戦いながら時間を過ごしているのです。

自分たちの生活は これからどうなってゆくのか、一体どうしたらイイのか。自治体は どのような支援をしてくれるのか。もっと言えば 国民生活の根幹を成す「国」は、今回の大災害をどう捉え、どのような道筋を示してくれるのか。

 

この臨時国会は、それら国民不安に応えるため、その国民に開かれた、唯一の「発信の場」であるハズです。

国民は、とりわけ多くの被災者の方々は、今後の災害対応における国の推移を 固唾(かたず)をのんで見守っているのです。

 

どうか一日も早く、肝心な議論が行なえるよう計らっていただきたい。

切望する者の一人です。

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

対処療法

2019-10-30 | 日記

10/29 Tue.

 

台風19号で決壊した、長野市穂保地先の千曲川築堤工事が30日に完成することが国土交通省から発表されました。

工事の正式名称は「鋼矢板仮締切堤防工事」とのことです。

 

数日前、私が現場へ足を運んだ際は、まさに工事が佳境を迎えていました。

 

顧(かえり)みれば つい2週間ほど前、未曾有の大水に伴い 住民生活の安全を守ってくれていたハズの堤防が決壊、堤内の集落などに大きな被害を及ぼすに至ってしまいました。

 

その後は 関係事業者による昼夜を分かたぬ復旧工事が始まり、

 

被災から2週間余をもって築堤工事は一区切りを迎えることとなりました。

ご関係者の不断のご尽力に 心から敬意を表するところです。

 

現場では、多くの大型クレーンなどが配備され、突貫で築堤作業が行なわれていました。

 

工事名「鋼矢板仮締切堤防工事」にあるとおり、新たに造成された堤防の外側(河川側)には、巨大な「鋼矢板」が打ち込まれています。

 

千曲川 穂保地先の堤防は、10月13日5時30分頃に決壊が確認され、その後 10月17日に約70mの仮堤防が完成、10月20日から国(国交省)が権限代行して、調査と復旧を進めてきました。

完成する「鋼矢板仮締切堤防」は、決壊箇所ならび仮堤防の河川側に 約320mに亘って設置されており、この「矢板」が、再び来るかもしれない河川水から堤防を守る〝盾(たて)〟の役割を担うことになります。

 

 

この堤防の完成により、今後、本格的な堤防復旧を進める環境が整うことになりました。

 

 

 

関係者のご尽力により、ひとまず この箇所の再決壊の心配は回避されることとなりました。

しかし、これは あくまで「対処療法」に過ぎないことを 私たちは自覚しなければなりません。

今回の大規模な水害は どのようにして発生したのか。その原因と それぞれの被災箇所における〝災害発生のメカニズム〟を検証し、その抜本的な対策を講じてゆかないことには、また 同じ水害が起こることを覚悟しなければならないでしょう。

例えば、今回 堤防決壊を招いた長野エリア周辺の下流域においては、その先(下流)にある「立ヶ花橋周辺の狭窄部」の改修(抜本対策)を行わないことには、また同じ憂き目に遭うことが予想(懸念)されるところです。

 

立ヶ花橋周辺部は、左右の岸幅が いわばコーラの瓶のように狭くなっており、上流から流れてきた河川水が ここで滞留を余儀なくされ、それが上流に逆影響を及ぼし 今回のような堤防への(決壊につながるような)大きな圧力の要因になっていると言われています。

 

この状態を解消(改善)するには、左右の護岸を掘削により川幅を広げたり、本流の脇 または地下に「バイパス」を造成して河川水の滞留を防ぐなどの「抜本的な措置」が望まれるところです。

 

長野県における台風被害は、国の「激甚災害」の指定を受けるに至ったところですが、この際、先ずは被災者の救済や社会環境の復旧・復興に全力を傾注すると同時に、こと「治水事業」については、破れてから慌てて繕(つくろ)う対処療法だけに依(よ)らず、前述のような「抜本的対策」を講じてゆくべきではないかと強く思うところです。

 

ここへきて、多くの気象予報士などの気象学者が、地球温暖化に伴う太平洋上の水温上昇により、勢力の強い台風は これからも多発傾向にあること、そして、やはり太平洋高気圧の強まりにより 今までは東の洋上に逸(そ)れていた台風が、北(列島側)に押し上げられ、つまり台風本体が 列島の真上(まうえ)を通過するようになってきたことを論じるようになってきました。

 

つまり これらの見解は、今回のような 異常な多雨による大規模水害が 再び三たび発生する可能性が高くなっていることを裏付けているのです。

で あるとするならば、今のような対処療法を繰り返していたのでは埒(らち)があかないのは自明のことでありましょう。

 

堤防決壊により破壊された家屋、また 大切な家財ごと浸水した家並み、それに伴い発生するに至ってしまった 大量の被災ゴミを目の当たりにし「抜本的対策」の必要性を感じざるを得ないのは、私だけではないハズです。

 

今後、長野市議会においても 災害の検証が行なわれるであろうことから、あらゆる機会を通じて かかる「抜本的対策の必要性(重要性)」についても喚起してゆきたいと思うところです。

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする