10/15 Tue.
未曾有の台風19号の爪あとは、地区内の至るところに及んでいます。
この日は、先日 篠ノ井塩崎地区に行った際、パイパスのアンダーパスが完全に水没していたことから その先(西側)にあるNさんのお宅の様子が気になり 慰問に足を運びました。
当夜はパイパス及びアンダーパスは 完全なる湖状態でした。
そこで奇しくも〝隠れた大災害〟を目の当たりにすることになったのでした。
この日は このアンダーパスは通行止めになっていたことから、迂回して線路の西側に回りました。
鉄橋の下を流れる千曲川、穏やかな流れに戻っていますが、河原部分は先日の濁流の痕跡をとどめていました。
ほどなく かかる塩崎は上篠ノ井地区に南側(川の方)から入ろうとすると、そこにはいきなり一階部分が全壊した家屋が。
そうです、こちらの上篠ノ井地区も、集落ごと 越水による大きな被害を被っていたのでした。
とりも直さずNさんのお宅を訪ねると、自宅と自営の工場が床上浸水の被害を受けておられました。
にも拘わらずNさん「ウチの被害はさることながら、議員には、この水害の根本的な部分をぜひ見てってもらいたい。」と口を真一文字に結び、地区のまとめ役のTさんと共に「現場」に案内してくださいました。
現場は、集落の南端 すなわち堤防沿いにある閑静な神社です。
そこには、大きな板状の部材が、まるで板チョコを折ったように倒してありましたが、これは何と 堤防の法面(のりめん)。法面が 水圧でそっくり引きはがされ 倒されていたのでした。
「これは・・・」と息を呑(の)む私。これほどの損壊は、国交省の所管レベルです。
と、そこに何というタイミングか、衆議院議員の篠原 孝代議士のO秘書さんから電話が入り、聞けば 何と被災地見舞いで塩崎エリアに居られるというではありませんか。
そこで事情を話すと、時間があるので現地を見てくださるとのこと。渡りに舟とはこのことです。
ほどなく代議士と合流し、共々に現場を見ていただきました。
今回の越水被害の現場は、そもそも、北へ向かう千曲川が 東へ方向を変える〝曲がり角〟になっているのです。
通常の流れであればゆるやかに右へ舵を取る川の流れが、大量の水を運ぶことにより その舵が効かなくなり 北方向へ直進し、結果 この堤防にまともにぶつかったことで越水すると同時に、水の勢いで法面をなぎ倒していったのでした。
そして、越水した濁流は堤防際で「渦」を成し堤防自体を大きくえぐり取ってゆきました。
その えぐり取り幅は 堤防全幅の半分近く。もう少し削りの幅が大きければ、穂保クラスの決壊となり、塩崎地区はもとよりエリア全域を水に沈める大災害になるところだったのでした。
背筋が寒くなるとは このことです。
説明者のTさんは「ニュースでは 実際に決壊した穂保に注目が集まっているけれど、ウチの方も紙一重の事態でした。このことについて「この程度で済んだから」として過ぎたことにせず、これを契機に抜本的な堤防整備に取り組んでもらいたい。」と語気を強めておられました。
それに対し、篠原代議士は「今回のことを契機として〝道路行政より堤防行政を〟をキーワードに 議論を深めてゆきます。」と応じてくださり、今後も片や市民は住民要望などのアクションを、代議士は国会で議論を と協調してゆくことで一致したところです。
私の立場でも、住民の合意形成や議会・委員会での意見具申など「ボトムアップ」の先陣を務めることをお伝えいたしました。
ここにも、台風の爪あとが。
※他にも諸事ありますが、追って別葉にて掲載します。