倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

14日 動静 =2=

2019-10-15 | 日記

10/14 Mon.

 

この日の動静を、時間系列でご報告しています。

 

◇〝救世主〟現(あらわ)る ~避難所で感謝の涙~

未曾有の台風被害から一夜が明けました。

先日来の浸水は ほとんどのエリアで水が引いた模様です。が、後には大量の泥や石砂が残されています。

 

これからは かかる泥などの撤去、また 浸水被害の住居等の清掃、道路の泥水撤去、それに「被災ゴミ」の片付けなどの難題が待ち受けることになります。

これからは「すべきこと」と「できること」に思考を巡らせ、自分なりに精一杯 尽くしてゆきたいと強く思うところです。

 

ところで・・・私たちなど〝立場のある者〟は、ときに被災者の要望などに応えようとして、すぐにでも役所にねじ込み「あれをやれ!」「あそこはどうなった!」と強弁したくなるものですが、今は どこもかしこも一杯いっぱいで災害対応に追われています。

私とすれば ただのワガママ議員とならないよう、機を見て行動してまいりたいと思うところです。

 

 

一夜明けた 千曲川の決壊現場は、昨日までの〝湖状態〟から水も引けました。が、その下からは大量の泥と石が現れていました。

 

泥の中に突っ立つ柱の数々。これ、ただの支柱ではありません。「矮化(わいか)栽培」のリンゴの支柱なのです。

 

 

人智を尽くして効率のいい栽培を果たしたリンゴの木々も無残な状態に。

農業被害もかなり深刻であることが判ります。

 

 

決壊現場では、今日も急ピッチの復旧(土盛り)作業が行なわれていました。

 

 

70mに亘る堤防の亀裂を塞(ふさ)ぐべく、南北方向から土砂を埋めてゆきます。

 

 

 

被害の無かった築堤部分から土砂を採取し、破れた堤部分を埋めてゆきます。

 

 

大型重機のキャタピラ部分を突端ギリギリに据えての危険作業。二次災害の無いよう、迅速 でも安全第一の作業が求められるところです。

 

眼下には、堤防を押し破って集落を襲った泥水の勢いのすざましさを物語る朽ちた家並みが。

 

悔しさに泣けてくるほどです。

 

 

今後、国から「激甚災害」の指定を受けることになりますが、今後の復旧・復興をどのように行なっていったらいいのか、瓦礫(がれき)を前に思考するばかりです。

今後の検証・検討の場に臨んでまいります。

 

 

災害から一日が経過したことから、こちらのエリア(北部)の避難所に車首を向けました。

こちらのエリアは災害の程度が大きかったことから、被災直後は きっと「現場」は混乱しただろうから、私のような立場の者が行って混乱に拍車をかけてはいかんと思い遠慮したところですが、やや時間も経ったことから いろんな意味で落ち着いたところで 改めて課題を検証させてもらおうと考えたところです。

 

村山橋から長野市大町エリアの集落を抜けると、そこは泥の道が続いていました。

 

泥流は庭先にまで押し寄せ、全てを茶色く染めてゆきました。

 

穂保方角から おそらく逆流の形で流れてきた泥水が、家屋の塀をねじ曲げていった様子が見られました。

 

主要幹線 国道18号線も、泥・泥・泥。です。

 

 

※ブログの掲載量に限りがあるため、続編は次葉に掲載します。

 

 


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14日 動静 =3=

2019-10-15 | 日記

10/14 Mon.

 

14日の動静を、時系列でご報告しています。

◇救世主現(あらわ)る ~避難所で感謝の涙~

北部エリアの被災者の方が身を寄せる「北部スポーツ・レクレーションパーク」に着きました。屋内運動場です。

 

大切なわが家が浸水したであろう多くの住民と家族が 施設の中で身を寄せ合っています。その心中(しんちゅう)を思うと、私も切ない思いが募ります。

 

と、入り口に一張りのテントが。

訊けば 市内で営業する「松栄寿司」のスタッフさんだそうです。

 

松栄寿司のオーナーが「避難所のみなさんに温かいものを」と、自主的にトン汁を提供することを決め、材料・調理器具・テント、それにスタッフさんまで自腹で調達してくれたそうです。

 

さらに「男気」なのは、店の名前を一切出さず、ただ単に「湯気(ゆげ)」を被災者のみなさんに届けようと腕を振るってくれたこと。

避難所でリクエストが多いのが「風呂と汁もの」と言われています。その人心に叶ったサービスを、即座に しかも匿名で実践している松栄寿司さんの心意気には、感謝しかありませんでした。

 

 

館内には、日赤奉仕団の方々が 提供品を希望者に頒布してくださっていました。

 

伺えば、各方面から様々な寄付の品々が寄せられているとのこと。

ホワイトボードには「ニーズ調査」も示され、必要に応じて物資の調達が行なわれているそうです。

 

被災者からのニーズに応じて スタッフさんがリクエストを記入。

 

私が行った頃には「靴下が届きました!」とのアナウンスが流れていました。

「はい、どうぞ。ゆっくり休んでください。」日赤奉仕団の女性が、温かな言葉を添えて 提供品を手渡ししていました。

 

 

ところで、この「北部スポーツ・レクレーションパーク」の運動場は、そもそも ゲートボールやテニスに興じるスポーツ施設で、床面(ゆかめん)は、表には人工芝が張ってあるものの、その下はコンクリートなのです。

 

つまり、めっちゃ、固い。

私は常々、避難所の環境整備を声高にする中、固い床に毛布一枚での雑魚寝を強いる状態を改善すべきと思い、段ボールベッドなどの製品を装備すべきことを訴えるところでしたが、そこに発生した台風被害・・・長野市民が被災者になってしまった現実を前に、しかも この避難所の床の上に立って、こんな固いところで雑魚寝を強いるのか と、忸怩たる思いを重ねんとしていた矢先でした。

 

施設の一隅で、何だかゴムボートのようなものを膨ませている方々がおられたのです。

 

 

その実(じつ)は、何とエアーマット(ベッド)だったのでした。

 

伺えば こちらの団体は、愛知県みよし市から駆けつけてくださった「原田車両設計株式会社」の 代表取締役 原田久光さん以下スタッフのみなさんだそうです。

 

原田さんらは、かねてより被災地支援、それも避難所の環境整備に心を砕いておられ、今回の長野市の災害にあたっては 同じく災害支援に取り組むネットワークの情報交換を通じて長野行きを決められ、その中でも(支援物資/エアーベッドに限りがあることから)特に(コンクリート床で)条件の悪い この体育施設を選択して来られたとのことでした。

現場では 原田社長自らポンプを動かし、一枚、また一枚とベッドを膨らましておられました。

 

 

場内での呼びかけを聞き、固い床に往生していた避難住民の方々が集まり、喜んでエアーベッドを受け取ってゆきます。

 

 

固い床で一夜を過ごすことを 半ばあきらめの境地で迎えようとしていたみなさん、さっそくエアーベッドを床に敷いてゆきます。

 

快適な寝床の出来上がりです。

 

ちっちゃな子供も大喜び。手触りを確かめたり、ぴょんと跳ねたり。

 

 

私は、私の忸怩たる思いを理解してくれたかのタイミングで 物品を供してくださった原田社長をはじめとするみなさんの善行に、感謝の涙を流すばかりでありました。

 

 

正直いって、長野市の避難所の支援体制は 不十分と言わざるを得ません。

でも、今は災害の渦中にあります。できることと できないことがあるのが厳しい現実です。

 

それを、心ある方々が 具体的にフォローしてくださいました。

 

私たちは、この善行に心からなる感謝を申し上げると同時に、この 不足していることも含んだあらゆる経験を、今後に活かさなければなりません。

それこそが、ご厚情に応えることにつながるのではないでしょうか。

 

この度の 原田車両設計㈱さまのご厚情を目の当たりにし「避難所の環境整備」このことに力を尽くそう。改めて心に誓ったところです。

 

 


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14日 動静  =1=

2019-10-15 | 日記

10/14 Mon.

 

この日の動静を、時間系列でご報告いたします。

 

 

◇台風被害を契機に、みんなで整備「アカシアの杜」

この日の朝、住民パワーで造成した 犀川南マレットゴルフ場(愛称「アカシアの杜」)の整備作業が行なわれ、多くの愛好家が 普段は持つスティックを道具に代え参加されていました。

 

 

今回 多方面に甚大な被害を及ぼした台風19号は、ここ「アカシアの杜」にも 倒木などの被害を及ぼしました。

 

 

それらを踏まえ、予(あらかじ)め予定されていた整備作業について、プレーヤーの安心・安全を更に重要視したうえで、樹林の間伐を進めるという賢明な判断の下、この日の作業に臨んでいるということです。

 

もとより根が浅いニセアカシアは、強風などの影響により倒れやすいことから、この際 (倒れるかも、と)怪しい樹木は思い切って伐採することにしたそうです。

 

 

参加者の多くの方が「チェーンソー」を持参し、手際よく細断してゆきます。

 

 

切った幹枝は 人海によって片付けられてゆきます。

 

 

元〝業界人〟のH愛護会々長は、自ら重機を駆使し、抜根作業を進めておられました。

 

 

近代兵器と歩兵部隊のみなさんが見事に同調し、効率よく作業が進められてゆきます。

 

 

コースの中では、強風により散乱した枝葉を 女性愛好者の方々を中心に こちらも多くの方々が片付け作業に臨んでおられました。

 

コース内の異物は プレーの妨げにもなることから、一枝 々 丁寧に集められます。

 

 

作業のコツは「細分化」倒した樹木を一定のサイズに切り、

 

広がった枝は選定鋏で細分化され、

 

コース脇の指定地に積み上げられてゆきます。

 

 

「人海戦術」とはヨク言ったもの。一人ひとりの協力でコースは整備されていったのでした。

 

 

ところで この日の整備作業にも「長野東高 女子駅伝班」のメンバーが参加してくれていました。

 

彼女らは、このマレットゴルフ場に隣接するランニングコースで練習に励んでおり、コースの一部がマレットゴルフ場と共用していることや、普段から応援してくれていることへの感謝の心をもって参加してくれているようです。

いつもながら「ただ 速いだけではない」彼女らの心ある行動、それを指導するT監督の教育観に敬意と感謝を表するところです。

 

来る11月には大きな大会を控えるも、つかの間の奉仕活動。あらゆる意味で成長の糧となることを期待したいと思います。

 

 

整備作業の進捗に合わせて、ホールに再びフラッグが立てられてゆきます。

 

 

明日からまた、健康寿命の延伸の拠点として 笑顔の輪が広がることを期待いたすところです。

 

 

 

◇非常時なのに その認識? ~お母さんの訴え~

市内を移動中、公私共に親交のあるTさんから電話が入り「意見」を共有することになりました。

訊けば Tさんの元(もと)に、7才の男の子をもつお母さんから電話があったそうです。ことの顛末は次のとおり。

日曜日の朝 子供の体調がすぐれなくなったことから、新聞の「緊急医」の掲載を見たうえで、若穂で開業する小児科医に電話したところ「午後2時までに来てください。」と言われたそうです(新聞の表記は「9時~18時」)

電話に従って午後2時に病院を訪れると、何と「もう受付・診察は終了しました。もうウチではできないので、日赤病院(若里)へ行ってください。」との対応を受けたとのことです。同様に来院した保護者が抗議していましたが、対応に変わりはありませんでした。

お母さんは 具合が悪くなる一方の子供を抱え、仕方なく日赤病院に行くと、そこには 台風被害の影響で、それぞれのかかりつけ医で受診できなかった多くの患者で溢(あふ)れ返っていたそうです。その後は待たされるなんてもんじゃない、このまま子供の容態が悪化したらどうしよう、と心配心が募るばかりだった、とのことでした。

 

私は Tさんと同様、くだんの若穂の小児科医院の対応に怒りを覚えると同時に、他人様(ひとさま)の生命を預かる医師の認識、ひいては医師会全体の認識がどうなっているのか 大いに疑問に思わされたところです。

 

今回の台風19号が未曾有の災害であったことは 誰もが認識するところです。

そんな中、被災地の医療機関が機能不全に陥ることは往々にして想像できるところであり、患者や医療ニーズは 自ずと大きな病院に集中せざるを得ないことは、われわれ素人にも考えられるところでしょう。

で あるとするならば、地域に遍在する開業医においては、普段以上に患者の受け入れに努め、大病院に集中しがちな患者の「分散受け入れ」に協力し、ひいては長野市全体の医療サービスが遅滞しないように計らうことこそが「医者の努め」ではないでしょうか。

 

今回の 若穂の小児科医の悪しき対応は、災害時(非常時)に 地域医療機関が取るべき対応の〝真逆〟をいくもので、到底容認できるものではありません。

この後 近々に、今回の災害対応の 第一次検証が行なわれることになろうことから、この件も災害対応の悪例として捉え、医師会を初め 関係機関に対し、対応の如何を質(ただ)すと共に、非常時こそ 地域の医療機関が積極的に機能し、一人でも多くの市民の健康 ひいては生命が守られるよう努めてゆくべきことを訴えてゆきたいと思うところです。

 

 

※ブログの掲載量に限りがあるため、後段は別途 掲載します。

 

 


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