10/12 Sat.
非常に勢力の強い台風19号が、列島に上陸し、大きな爪あとを残してゆきました。私の周辺の状況について、時系列と共にレポートします。
長野市で水害が発生する際、その〝主要因〟となるのが 千曲川の状況です。千曲川とその流域の水位の如何(いかん)で、流域の社会安全が左右されるのです。
午後6時頃、赤坂橋から千曲川下流を臨むと、上流の異物を浮かべてだくだくと川流が続いています。
このときは、後に大きな被害が発生するようになるとは思いもしませんでしたが・・・。
千曲川から及ぼされる被害(水害)を未然に防ぐべく、河畔の要所 々 に「排水機場」が整備され、必要に応じて排水作業が行なわれることになっています。
リンゴの里 共和から向かったのは、犀南地区での冠水の課題地区「松代温泉団地」です。
私が行った際、すでに枝川(しせん)の水量は満水に近い状態でした。
既に当番の方が詰めておられ、大きな稼働音を立てて排水作業が行なわれていました。
その後、篠ノ井地区の低地である西寺尾地区の「西寺尾第一排水機場」に行くと、水位が上がっているハズなのに、機場は妙に静かでした。
やや いぶかしく思いながら施設に足を運ぶと、中では地区の役員さんを始め、エンジニアと覚しき方も一緒になって配電盤に向き合っています。
訊けば、あろうことか排水機の動力が始動したいとのことでした。
その間も、雨水はどんどん溜まってゆきます。
地区の副区長さんも、心配しながら水面を見つめていました。
火急の事態に応じ、直ちに市の危機管理防災室に非常事態を連絡し、とりあえす臨時対応を行なう返答を得たことから、その間を使って修繕を試みたところ、どうやらヒューズに問題があることが判ったので、動力を自家発電に切り替え、係のKさんがスイッチを入れます。
と、それに応えるように大きなエンジン音が発せられます。どうやら起動に成功したようでした。
もって、この排水機場の排水作業は ギリギリセーフで始まることとなり、ムラの冠水は みなさんの努力によって守られることとなったのでした。
その後、篠ノ井エリアに堤防から水が溢れ出し、避難が開始されたことが報じられます。
改築間もない篠ノ井市民会館が自主避難所になっていました。
風雨が強まる中、多くの市民が着の身着のまま足を運んできます。
ホールの入り口で毛布が渡され、ホールでそれぞれに時間を過ごすことになります。
ホールは一面のフロア、ステージ部分も活用して それぞれに「陣」を張ります。
薄っぺらい毛布で 固い床への雑魚寝は、いかにも大変そうでした。
会場には非常食(乾パン)も置かれていましたが、何となく食指は動きそうもありません。
避難所には 杖をついた高齢者が、家族に手を引かれて入る姿も。そんな姿を見るにつけ、やはり段ボールベッドの必要性を再認識させられました。
ホールの外には 中に入れないワンちゃんが繋がれていました。
避難所の課題をも見せられた感でした
避難所で様子を見ていると、篠ノ井塩崎にお住まいのSさんから「自宅が冠水の恐れになったので避難する。」との一報が。とり急ぎ行ってみると、塩崎信号の西側が冠水し始めているとのことでした。
信号そばにあるバス運行会社の前から西側が水に浸かっています。
私が着いたとき、消防局が 取り残された住民を救助に向かうためボートを膨らませ、出動してゆきました。
側聞すると、被災民は高齢者とのこと。当局の慎重な足取りからして、無事に救出されることと思います。
その後、篠ノ井横田地籍に向かうと、千曲川はほぼ満水。
場所によっては堤を水が乗り越えてしまい、農地の中に点在する住居のすぐそばにまで水が来ていました。
この頃は、その後 千曲川河畔で甚大な被害が及ぼされるなど、思いもしなかったのでした。
。
・