倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

14日 動静 =3=

2019-10-15 | 日記

10/14 Mon.

 

14日の動静を、時系列でご報告しています。

◇救世主現(あらわ)る ~避難所で感謝の涙~

北部エリアの被災者の方が身を寄せる「北部スポーツ・レクレーションパーク」に着きました。屋内運動場です。

 

大切なわが家が浸水したであろう多くの住民と家族が 施設の中で身を寄せ合っています。その心中(しんちゅう)を思うと、私も切ない思いが募ります。

 

と、入り口に一張りのテントが。

訊けば 市内で営業する「松栄寿司」のスタッフさんだそうです。

 

松栄寿司のオーナーが「避難所のみなさんに温かいものを」と、自主的にトン汁を提供することを決め、材料・調理器具・テント、それにスタッフさんまで自腹で調達してくれたそうです。

 

さらに「男気」なのは、店の名前を一切出さず、ただ単に「湯気(ゆげ)」を被災者のみなさんに届けようと腕を振るってくれたこと。

避難所でリクエストが多いのが「風呂と汁もの」と言われています。その人心に叶ったサービスを、即座に しかも匿名で実践している松栄寿司さんの心意気には、感謝しかありませんでした。

 

 

館内には、日赤奉仕団の方々が 提供品を希望者に頒布してくださっていました。

 

伺えば、各方面から様々な寄付の品々が寄せられているとのこと。

ホワイトボードには「ニーズ調査」も示され、必要に応じて物資の調達が行なわれているそうです。

 

被災者からのニーズに応じて スタッフさんがリクエストを記入。

 

私が行った頃には「靴下が届きました!」とのアナウンスが流れていました。

「はい、どうぞ。ゆっくり休んでください。」日赤奉仕団の女性が、温かな言葉を添えて 提供品を手渡ししていました。

 

 

ところで、この「北部スポーツ・レクレーションパーク」の運動場は、そもそも ゲートボールやテニスに興じるスポーツ施設で、床面(ゆかめん)は、表には人工芝が張ってあるものの、その下はコンクリートなのです。

 

つまり、めっちゃ、固い。

私は常々、避難所の環境整備を声高にする中、固い床に毛布一枚での雑魚寝を強いる状態を改善すべきと思い、段ボールベッドなどの製品を装備すべきことを訴えるところでしたが、そこに発生した台風被害・・・長野市民が被災者になってしまった現実を前に、しかも この避難所の床の上に立って、こんな固いところで雑魚寝を強いるのか と、忸怩たる思いを重ねんとしていた矢先でした。

 

施設の一隅で、何だかゴムボートのようなものを膨ませている方々がおられたのです。

 

 

その実(じつ)は、何とエアーマット(ベッド)だったのでした。

 

伺えば こちらの団体は、愛知県みよし市から駆けつけてくださった「原田車両設計株式会社」の 代表取締役 原田久光さん以下スタッフのみなさんだそうです。

 

原田さんらは、かねてより被災地支援、それも避難所の環境整備に心を砕いておられ、今回の長野市の災害にあたっては 同じく災害支援に取り組むネットワークの情報交換を通じて長野行きを決められ、その中でも(支援物資/エアーベッドに限りがあることから)特に(コンクリート床で)条件の悪い この体育施設を選択して来られたとのことでした。

現場では 原田社長自らポンプを動かし、一枚、また一枚とベッドを膨らましておられました。

 

 

場内での呼びかけを聞き、固い床に往生していた避難住民の方々が集まり、喜んでエアーベッドを受け取ってゆきます。

 

 

固い床で一夜を過ごすことを 半ばあきらめの境地で迎えようとしていたみなさん、さっそくエアーベッドを床に敷いてゆきます。

 

快適な寝床の出来上がりです。

 

ちっちゃな子供も大喜び。手触りを確かめたり、ぴょんと跳ねたり。

 

 

私は、私の忸怩たる思いを理解してくれたかのタイミングで 物品を供してくださった原田社長をはじめとするみなさんの善行に、感謝の涙を流すばかりでありました。

 

 

正直いって、長野市の避難所の支援体制は 不十分と言わざるを得ません。

でも、今は災害の渦中にあります。できることと できないことがあるのが厳しい現実です。

 

それを、心ある方々が 具体的にフォローしてくださいました。

 

私たちは、この善行に心からなる感謝を申し上げると同時に、この 不足していることも含んだあらゆる経験を、今後に活かさなければなりません。

それこそが、ご厚情に応えることにつながるのではないでしょうか。

 

この度の 原田車両設計㈱さまのご厚情を目の当たりにし「避難所の環境整備」このことに力を尽くそう。改めて心に誓ったところです。