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My Home Town(旧風力発電と子育て日記)

観光と風力発電と子育ての日記です。

当日記の内容については風車ファン以外の無断での転載転用を固くお断りします。

逃した魚は大きい

2011-04-10 20:56:11 | 風車日記
先日、同僚と河津町で進んでいる、東京電力とユーラスエナジー
ジャパンの風力発電所建設現場の道路工事を視察してきました。
実際に工事中の道路を見た感想は「逃した魚はあまりにも大き
い」ということでした。

風車建設用のアクセス道路と言うにはあまりにも立派な道路で
した。幅員が広いというだけでなく、防災工事のグレードが高
くて驚きました。
植物については素人ですが、現場の多くは人工林とヤシャなど
特に貴重な植生には見えませんでした。蘭の一種など希少性の
ある植物がわずかにあったそうですが、道路用地にかかるもの
は別の場所に移植されて無事だそうです。

残土も南向きの斜面を平たんな農地を造成するために使用され、
最終的には地主の人達に返されるそうです。
荒れ放題だった山が立派な農地として活用されることになりそ
うです。

この道路は当初、東伊豆町側から造成される予定だったのです
が、地元地区の反対があり、最終的に計画が変更され河津町へ
移ったものです。もしこの道路が稲取ゴルフ場の裏から細野高
原を経由して三筋山の山頂まで通じていたとしたら・・・

近年、細野高原のススキを秋の観光資源として活用したいとい
う動きがあるのですが、国道から細野高原に行きつくまでの道
路があまりにも細く曲がりくねっています。地元の人はともか
く、都会から来た観光客の方を案内するには不安です。
また、大型バスは通行することができません。

河津町ではアクセス道路の入り口周辺に農村の活性化施設を建
設する計画もあるように聞いています。現在でも浴場や宿泊コ
テージなども整備されていますが、風車が建設されれば、天城
ハイキングの拠点として活用されることでしょう。

道路を視察している間、何回も羨ましくてため息が出ました。

福島原発の事故の結果、今後、原発の新設はかなり困難になる
ことが予想されます。非化石燃料系の発電方法として風力発電
や太陽光発電の重要性はますます注目されるでしょう。また、
慢性的な電力不足が予想されることから、風力発電所の電源と
しての価値も上がることが考えられます。
三筋山周辺への風車建設の重要性も高まるはずですが、東京電
力の経営状態によっては建設計画の中止もあり得ます。

原発も含めて日本のエネルギー政策全般のこれからについて日
本人全員が色々と考えてみる必要がありそうです。

平成22年度の風車停止状況について

2011-04-06 19:50:20 | 風車日記
平成22年度の東伊豆町風力発電所の設備利用可能率は85.9%でした。
風力発電: 運転停止状況

残念ながら満足できる数字ではありませんでした。
設備利用率は24.7%ですから万全の状態だったらと悔やまれます。

停止理由を見てみると、風車2号機のヨーブレーキ関係の故障が
目立ちます。
毎年2回、多額の費用をかけて点検しています。もちろん、計画的に
ヨーブレーキも交換しています。風車メーカーにはもう少し努力して
もらわないと困ります。

今回の福島原発の事故の影響で風力発電にも注目が集まっています
が、期待に応えるにはもっと信頼性を上げる(故障しない)必要が
あると思います。
また、部品の交換も含めたメンテナンスがより安価になるような
体制づくりが必要だと痛感します。この辺りは当町の風車が運転を
開始した7年前からあまり改善されていないように感じます。

電力不足の最中に故障して止まっているようでは、社会の信頼は
得られません。


スペインてすごいな

2011-04-02 20:15:28 | 風車日記
スペインで3月の月間電力供給のうち、風力発電の
占める割合が21%になり、原子力19%、水力17.3%、
ガス火力17.2%、石炭火力12.9%などを上回り、最大
の電力供給源となったそうです。

風力、太陽光、水力などの再生可能エネルギーの割合は
全体の42.2%に達したということですから、スペインは
すごいですね。こんな国があるなんて、にわかには信じら
れないほどのできごとです。

でも、ヨーロッパの中にはこういうエネルギー構成を
本気で目指している国が珍しくありません。
英国では洋上風車を7千基建設する計画が進んでしま
す。

古い原発を運転し続けている一方で景観を損ねるという
ような理由で発電用の風車建設に対する反対運動が起き
て、それに対して国が逃げ腰になるなんて不思議な国で
す。それだけ国として再生可能エネルギーへの取り組み
について信念が無いということでしょうか。

犬吠埼沖に風車を建てると東電の電力を賄える件について

2011-03-28 20:35:01 | 風車日記
ツイッターやブログなどネット上で、今回の原
発事故を受けて、「犬吠埼の沖に風力発電用風
車を建てると東京電力管内で必要とする電力を
賄える」という話が流布されているようです。

対象エリア全体の風力エネルギーの賦存量の評
価としては間違いではありませんが、風力発電
の特性から考えると実際上はまったくのデマと
言われてもしょうがないでしょう。

年間の電力需要量(kWh)と風車での発電量(kWh)
を比較してもあまり意味はありません。
なぜなら、風が吹かない時は発電量はゼロにな
るからです。広い海域に風車を建てれば、すべ
ての風車で風速0m/sになる可能性は小さいで
すが、膨大な電力需要と比べればほとんど意味を
なさない発電しかできない時間帯があるのは当然
のことです。

こんなの子供でもわかることだと思ですが、東
京電力が都合の悪い話だから隠そうとしている
というオマケまでつけて拡散している人が多数
いるから困ったもんです。
実際には、この論文はネット上で誰でも見るこ
とができます。(私は一部しか読んでませんが)。

それから、「賄える」の反論として「夏は風が吹
かないから、風力発電は役に立たない」という意
見を散見しましたが、傾向としては正しいものの、
すべての場所がそういうわけではありません。

例えば、東伊豆町の町営風力発電所の8月の設備
利用率は平成16年(27.6%)、17年(15%)、18年
(10.9%)、19年(18.5%)、20年(21.4%)、
21年(17.6%)、22年(15.2%)となっており平
均で18%です。年によってバラツキが大きいのは
8月の風況を決める大きな要素が台風の発生件数
とその経路だからです。

この「賄える」を拡散している人の多くは「反原発」
の立場の方のようです。自分は風力発電を推進する
立場ですが、現在の災害に乗じて風力発電を反原発
に利用するようなやり方は好きになれません。

全原発を停止することになれば、当面の間は火力発
電に頼らざるを得ませんが、日本が化石燃料のほと
んどを海外に依存していることや、化石燃料の採掘
のために世界中で毎年、千人単位で亡くなる人がい
る現実をどう考えればよいのでしょうか。
また、温暖化対策や電気料金が値上がりすることに
よる、国際競争力の低下についてはどうするつもり
なのでしょうか。

考えなければならないことはとても多いですね。

風車復旧しました

2011-03-12 18:47:04 | 風車日記
本日午後、担当者から風車が復旧したとの連絡がありました。
茶の間から見ると3機とも回っていました。
関電工の担当者が休日にもかかわらず現場へ来てくれたのだと思います。いつもの
ことですが、本当にありがたいことです。

今日は午後6時から午後8時まで電力の供給量が不足する可能性があるということ
なので、昼のうちに風呂に入り、浴槽に貯水したり、炊飯の時間を早めたり、携帯や
ノートパソコンの充電をすませるなどして夜に備えました。

原発が心配ですが、現場の人たちはギリギリのところで頑張っていることでしょう。
心から無事を祈ります。

地震による風車の停止について

2011-03-11 22:48:37 | 風車日記
本日の三陸沖地震の発生により東伊豆町風力発電所では
系統連系盤内の単独運転装置が作動し3機の風車は停止
しました。

その後、単独運転装置を復旧し2号機、3号機は無事に
運転できることを確認しましたが、1号機はナセル内制御
装置の異常が検出され運転確認はできませんでした。

また、2号機、3号機の運転を再開した直後に2度、単
独運転防止装置が作動しました。恐らく、1号機のナセル内
制御装置のエラーも含めて系統側の問題によるものだと思わ
れますので、風車そのものには被害は無いものと推測してい
ます。

以上の結果から、2号機、3号機とも系統の安定が確認
できるまで風車は停止することになりました。
月曜日以降、関電工の協力を仰ぎ問題解決に取り組む予定
です。


2月の風力発電はまずまずでした

2011-02-28 19:54:22 | 風車日記
2月は前半、風がまったく吹かずどうなることかと心配しまし
たが、20日過ぎからそれまでの不足分を一気に取り戻す風況
となり、終わってみれば目標の発電量を達成できました。
22年度は久しぶりに売電収入が4,500万円を超えそうです。
当初予算の目標は4,700万円なので満足はできませんが、まず
まずの結果です。昨年4月から風力発電を担当する係の兼務が
はずれたのですが、それでもやっぱり気になりますね。

今日は次男(小五)がインフルエンザB型にかかり学校を早退
しました。隣のクラスは学級閉鎖だそうです。
ここのところ寒暖の差が激しいので体調管理が難しいですね。
いよいよ年度末を迎え色々と気忙しくなりますが、なんとか元
気に乗り切りたいと思います。

島根県の風車

2011-02-13 18:10:07 | 風車日記
読売新聞島根版によれば、島根県内の風力発電が苦戦してい
るようです。

国内最大設備容量の新出雲風力発電所(ユーラスエナジージャ
パン)の風車は2度目のブレード先端の破損で全機停止中で09
年4月の運用開始以降すべての風車がそろって運転したのはわ
ずか9カ月だそうです。
ここの風車はヴェスタスの3M機だったと思いますが、風の乱
れの強い、山の上に建てる風車は2M機ぐらいが限度ではない
かと感じます。

出雲市が03年から運用するキララトゥーリマキ風力発電所では
目標の設備利用率18.1%に対し09年度実績は13.2%だそうです。
そもそも、目標18.1%の風況の所に風車を建てるという決定そ
のものに問題があったのではないでしょうか。

また、県企業局が運営する隠岐大峯山風力発電所でも目標設備
利用率33%に対し、年間設備利用率は20%前半が多いそうです。
設備利用率33%がどれだけ凄い数字かというのが体感的にわかっ
ていなかったのだろうと思います。
ここは潜在的な風況のポテンシャルは高いのですが、3機が
1年間を通じてしっかり回ることが少ないのが問題です。
最近の当町の状況と似ています。

島根県ではもう1カ所風力発電所を運営していますが、そちら
は風況調査で高度30mで年間平均風速5.0m/sの所に、ノルデッ
クスの2.3MW機を9機建てています。
この風況で風車を建設したことには疑問が残ります。

ただ、島根県の風車は月別の稼働率や利用率を公表している数少
ないサイトのうちの1つです。また見学者の実績や騒音、低周波
音の計測結果なども掲載していて、情報公開に熱心で無い風力発
電業界の中ではお薦めのホームページです。

ちなみに読売新聞の記事によれば島根県県内には500kW以上の風力
発電所は8カ所あって、年間設備利用率は19%だということです。


公調委申請取り下げ?

2011-02-08 20:45:37 | 風車日記
【最後に追記があります】

クリーンエナジーファクトリー風車周辺の住民が風車と体調不良の
因果関係について国の公害等調整委員会に対し原因裁定を求めて
いた件で、今月中に公調委による騒音、低周波音の測定が実施さ
れると聞いていましたが、今朝の静岡新聞に「公調委申請取り下
げ」という記事が掲載されました。

記事によれば、公調委の測定方法では客観的な測定はできない
との理由で住民側が申請を取り下げる書類を公調委に郵送した
ことになっています。

具体的には「測定方法がフル稼働の状態ではない」、「測定業者
に納得できない」ということが原因ということです。

現在、CEFの風車は周辺別荘地の住民との話し合いの結果、夜
間は風車3機を停止しさらに2機出力制限を実施しています。
「測定方法がフル稼働の状態ではない」というのはこのことを指
しているものと思われますが、昼間は風さえ吹けば特別な制限無
しに運転しているので、フル稼働の状況での測定も可能ではない
でしょうか。

「測定業者に納得できない」というのはどういうことかよくわか
りません。通常、測定業者の選定は入札などで行われるものと思
いますが、どういう業者なら納得できるのかということは記事の
中には書いてないので詳しいことは不明です。

申請者のコメントとして「この測定では納得できる結果は得られ
ない。きっちり判定してもらいたかった。全国の関係者から注目
される(公調委の)結果だっただけに申請を取り下げるのは残念」
と掲載されています。

公調委は静岡新聞の取材に対し「(測定方法について)現時点で
は説明できない」と答えているとのことですが、きっと「えっ」
と驚いているのではないでしょうか。

まあ、いずれにしても新聞記事だけでは真相はわからないですね。

【追記】
別荘地にお住まいの方から情報提供がありました。
情報提供者はこの問題について個人的に詳しく調査検証している方
です。
出力調整は夜間だけでなく、昼間も行われていて、その結果、風車
がフル稼働の場合と比較して騒音が2~3デシベル低減されている
ということです。
ただ、担当がCEFの現地事務所に確認をとったところ、昼間はブレー
ドコントロールは実施していないという回答があったそうです。
運転データを提供してくれれば真相がすぐにわかると思うのですが
どうなっているのでしょうか。

個人的には公調委は出力調整運転中であっても騒音測定を実施して、
CEFから運転データを提出させた上で測定結果を分析すべきだと思い
ます。
せっかく出力調整を実施したことにより被害が軽減されてホッとして
いる方たちが騒音測定のために風車をフル稼働に戻すことに抵抗感が
あるのは理解できますので次善の策をとるべきではないでしょうか。