余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

白夜の象徴

2021-06-16 00:36:15 | 十五の詩
明るくもあり暗くもある
沈まぬ太陽が目頭を染める
眠れぬ疼きは慰めもするし
見せない悲しみを増幅もする
けったいな涙は心の象徴
そばだてたものはポケットの中
入りきらなかったものは
大切なもの
見えるものと見えないもの
ポケットに入れてはいけないもの
そんなものまで入れようとして
そして視界が遠ざかる
むしめがねで集めた光は
熱を溢れさせ燃えさせる
白々しくなる夢の音色
乳白色に塗られた夢のもや
人形が土にまみれて横たわる
梟が鳴く
深夜の明るさ
時を狂わす思考の上下
ライトが次々と通りすぎる
ホテルの明かりは空室をほどかせ
隆起はびくつく
光り照らした竜骨に
しろびかりの肌が感情を表現する
とまどい
白の感覚からとんだ目隠し
茫然自失した剥奪は
淡くぼやけうるみを呼び覚ます
リフレインする豊かさは
赤を一滴こぼす形
体はきつく縛られて
苦しみは体内をトンネルにする
白夜はなぞなぞを施して
愛する人はいずこへと

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