余白のメモ

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怒り

2021-11-19 22:53:58 | マイブック(や~わ)
「怒り」
      吉田修一 訳

だれも救われない。
きっとそう。
犯した罪や奪われたものたち。
なにがほんとう、なにがしんじつ。
それでも歩み続けるのは生きるという
ほんの小さなともし火のため。
怒り。
この本に怒りはそっとしか描かれない。
でも怒りは人のエネルギーとなる。
良い方にはまずいかない怒りという感情。
隣り合わせなのか、背中あわせなのか
喜怒哀楽の重複が、光と影の顔かたちを現し、
隠れさせる。
逃亡犯、山神一也の顔に似ていたために関わった、
三つのストーリー。
怒りはやがて悲しみとなる。

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