「52ヘルツのクジラたち」
町田そのこ 著
この本は2021年の本屋大賞の大賞になった本だ。
文庫になって読んでみる。
まずタイトルがうつくしい。
52ヘルツで鳴くクジラとは、他のクジラでは聞き取れない
高い周波数で鳴く世界で一頭のクジラのこと。
主人公は女性・喜瑚(きこ)。
いろいろあって、地方の海の近くにある家に住む。
そこで出会うムシと呼ばれる少年。
経験し孤独を知り、愛を欲し愛をみつめ、恋に惑い人にふれる。
それぞれの声は届き、奥底の魂は呼び起こされる。
万象の物語の道標はときどき胸を突かせる思いに駆られる。
聞いたことのある言葉たちによって、
その語順の心地よさによって。