「美しい距離」
山崎ナオコーラ 著
癌になった妻の死までの小説。
主人公は夫。
夫はあれこれと考える。
妻のためには、妻の母のためには、
サンドウィッチ屋を営んでいた妻。
仕事とは。
生を生きてきた中で、死を迎える中で。
やせ細っていく中で、出来なくなくなることが増える中で。
夫はいらいたする、妻と関わってきた人々の何気ない行為に。
心が狭いのだろうか、傲慢なのだろうか。
こうしたほうが、ああしたほうが、
してみてもいいのだろうか、言葉にしていいのだろうか。
死を受け入れられるのだろうか、死を受け入れるのだろうか。
過ぎ去っていく時の中で妻は離れ近づいて。