余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

この手に残ったもの

2021-12-17 23:22:08 | 十五の詩
あなたは俺に質問した
泣けないのね
あなたは俺に質問した
言葉を失くしたのね
あなたは俺にこう残した
激しさを隠しているのね
あなたは俺にこう糺した
楽しい?
あなたは俺にこう尋ねた
何も応えてくれないのね
あなたは俺に訊いた
何も答えてくれないのね
あなたは俺に言った
壊れるものは嫌い
あなたが俺にくれたもの
俺はあなたにあげられなかった
あなたが俺に残したもの
あなたに俺が残るのを嫌った
俺は何がしたかったのだろう
ただもう一度
あなたと一緒に
手をつないで歩きたかった
なのに
気が付くと俺の身体は
傷跡だけが残った
傷跡は何も答えてはくれないのに
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忘却の空へ

2021-12-17 23:15:09 | 写真の扉の詩
君と一緒に見た
空いっぱいの星空は
流星群となって心をつなぐ

君と一緒に見た
空いっぱいの太陽光は
映像となって心をともす

僕は思うよ
 僕の心の中には君がいて
 消えることの無い君の存在
 君が僕を温めてくれる
 君の体温が僕の心に残っている
 どれにも当てはまらない君
 
忘却の空へ飛んでいったものは
雲の切れ間から射し込む光
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エピローグ~光~

2021-12-17 23:09:13 | 写真の扉の詩
手の平には無数の汗
唇は渇いている
光は何も教えてはくれない
でも見えているのは
その 光
光の粒子が瞳に映る
薄目の中から笑顔が見える
幻ではない
現実の色で
目の前には 波の音
立っている 砂浜
綺麗な 空色
水平線の 光
光が織り成す 追憶の輝き
可能性の模索
無限の可能性
時間を刻む 季節
人間の不完全さと
愛しく包まれる優しさの膜
今 立っている個
記憶の扉は開く
断片が溢れだす
人はそれぞれの世界を創っている
涙も
笑顔も
触れる愛しさも
愛しさの柔らかさも
見えないことは怖い
光は何も教えてはくれない
そして走っている
光の見える方へ只真っ直ぐに
デコボコを走っている
明るい方へ只真っ直ぐに
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罪と罰

2021-12-17 23:04:44 | 十五の詩
揺れ動く脳と体
揺さぶられる魂の歪み
善と悪の不手際に
神を深くに沈めてしまう
過ちは顔を引き千切り
斑の模様を身体に移植する
遅いよ来るの
言葉は行為とは逆を行き
脳内麻薬は嵐のように
荒れ狂い通り過ぎていく
焼き焦げていく炎の青と
いつか見た神秘の青
焼き咲かれていく匂いの赤
振り乱した髪が色褪せていく
纏わりつく疑問符が
不協和音の音楽を奏でだす
心の叫びが発せられ
狂気が鋭さを増してくる
許されるはずなどない
喜劇を演じながらも
闇は手元に置いておく
完全犯罪
才能のジェラシー
こっちに行こう
呼んでいるのは見えないもの
犯されていく螺旋のすべり
壊してしまいたい
血が見える未来
傷痕が疼く
暴れだす太陽と月
こっちにおいで
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