思考のレッスン 2024-09-04 23:12:15 | マイブック(ま) 「思考のレッスン」 丸谷才一 著とても読みやすい。とても分かりやすい。思考すること。本を読むコツ。考えるコツ。書き方のコツと。たとえば思考の準備。自身の得意なバックグラウンドを持っていることが、他の考えに役立つと。
恋文の技術 2024-04-27 22:38:03 | マイブック(ま) 「恋文の技術」 森見登美彦 著手紙の良さをあらためて思う。小説の妙であり、この本を読んで技術が上がるかといえば、?がつくけれども手紙の書きたさは上がる。主人公のは守田一郎。大学院から僻地へと飛ばされて、研究以外やることのない生活から文通修行をはじめる。友人に妹に家庭教師だったころの教え子に先輩にと。そしてなによりも届けたい人に送るため、手紙に想いを込めて言葉を綴るための模索。どうすればこの想いは伝わるのだろうかと。おっぱい事件等の寄り道をしながら。手紙はなによりも書いた字、書かれた字のあたたかさが伝わる。その特別な温度が心を揺さぶってくれる。
光 2024-04-16 23:59:51 | マイブック(ま) 「光」 三浦しをん 著冒頭のシーンがなんといっても衝撃的だった。3・11の震災を思い起こさせる描写にあの時の衝撃が蘇ってくる。島が津波によって呑み込まれていく場面に。この本はそれよりも以前に出版されたものにもかかわらず。そしてその津波に運よく逃れた、また逃れてしまった3人の子供。その関係性の物語。失ってしまった虚無感と、あるはずのものを見続ける空虚さを、ない交ぜにして生きること。そこにある影の存在を導かせながら。影があって光はある。
コインロッカー・ベイビーズ 2024-02-27 23:11:12 | マイブック(ま) 「コインロッカー・ベイビーズ」 村上龍 著キクとハシ。ふたりの少年はコインロッカーで生まれた。親の知らない子供。その子供は大きくなり育っていく。心の中には何があるのか。養子となり共に孤島で過ごすが、求めるものの違いからキクとハシは島を出る。毒は欲しがる、心をもとめて。心は求める、世界の果ての生まれ変わりを。
傷を愛せるか 2023-11-26 22:44:10 | マイブック(ま) 「傷を愛せるか」 宮地尚子 著傷。体の傷、心の傷、見える傷、見えない傷。いろんな傷がいたるところに潜み、また這いずり回る。その傷は生きることで生まれ、生きていることで抱える。その傷はどうすればいいのか、どうしていけば人を愛せるのか。自分を愛せるのか、許せるのか。答えのない、けれど考え続ける。医師の書いた言葉に寄り添われながら。