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余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

鳥肌が

2023-03-19 23:56:07 | マイブック(は)
「鳥肌が」
      穂村弘 著

この本は穂村弘が怖いとおもった事柄を綴ったエッセイ。
怖いと体験したというよりも、想像する、
想像してしまうことによる鳥肌。
生の死のほんの一瞬に垣間見るものたち。
だれもが経験する鳥肌が立つ怖さの、その正体は。
穂村弘だからもちろん面白さも含み、
短歌も織り込みながら。

穂村弘は歌人である。
歌の世界の分岐点では名が挙がるひとり。
なによりも短歌の伝道者だと、おもう。
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小鳥の来る日

2023-03-16 23:44:00 | マイブック(は)
「小鳥の来る日」
      平松洋子 著

日常のつぶやき。
何気ない日常に彩りが添えられるのは、
視点の柔らかさと、発想の豊かさと、
好奇心の程良さと、優しさが入り込めること。

ともすると世の中は不思議で満たされ、
当たり前にあった出来事が美しさで一瞬がきらめく。
そうすると恋をするのだ。
素足に物干しにライチに雨に木に端っこに眼鏡に湯たんぽに
ゴミ出しにボタンに
人々の出会いに、見知らぬ人のさまざまに。
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本日は、お日柄もよく

2023-02-25 02:00:17 | マイブック(は)
「本日は、お日柄もよく」
      原田マハ 著

この小説にでてくる人たちの個性がいい。
主人公のこと葉はOL。
ある日幼なじみの厚志の結婚式に出席する。
そこで眠いスピーチのあとの、ある女性のスピーチに目が覚める。
あの女性は誰?
その後、結婚式のスピーチを頼まれてしまうことに。
人前で話すことの苦手なこと葉はあの女性を探して・・・。
スピーチライターという職業があることを知る。
今日はおもに政治家が使う原稿としてしられるであろう、
言葉をつかう職業のひとつ。
言葉の持つちから、言葉のゆらぎ、心を使って言葉にしていく。
言葉を使い心を表し、渡し、伝え、広がり、満ちる。
その時の場所の必要性。
巡る思いに言葉は追随する。
”困難に向かい合ったとき、もうだめだと、思ったとき、想像してみるといい。”からつづく言葉がとてもいい。
そしてタイトルにもなっている本日は、お日柄もよくという言葉。
この小説を読んだ後では、この言葉の印象はがらりと変わる。
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さいはての彼女

2023-02-08 00:45:56 | マイブック(は)
「さいはての彼女」
      原田マハ 著

疾走感がほとばしる小説。
短編4つ。
何かにつまずいた女性たちが旅にでて、
見て聞いて感じていく。
たとえば女満別。
旅は日頃感じていたものを新たにしてくれる、
まったく新しいものに出会うこともあれば、
これまでのことを見詰め返し、一変することもある。
どれも風を感じるし、どの短編もいいのだが、
最後の物語は好きだ。
一番目の短編と物語は続いている。
その最後の短編は風をもっとも吹かせてくれた。
不安や迷いがふっとスピードでかろやかな風と
なっていく。
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きっとあの人は眠っているんだ

2023-01-16 02:01:53 | マイブック(は)
「きっとあの人は眠っているんだ」
      穂村弘 著

おもしろい。
穂村弘の脳内の広げ方。
歌人の穂村弘。
さまざまな本を知ることはとても楽しい。
たとえ先っぽだけだとしても。
漫画があり小説があり詩があり、
短歌があり俳句があり、雑誌が写真集が絵本がありと、
ほんとうにいろんなものが出てくる。
どれもが触れたことのある世界。
本はお金がかかる、当たり前だけど。
好きなものは手元に置いておきたいのは本に限らずに
誰しもがあることだろう。
周りに本があるだけで素敵におもえてくる。
知ることの、再認識の、再発見の喜び。
言葉に触れることに、心身が反応する。
どれだけの本に触れられるだろうか。
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