酒造り日記

佐賀県の天吹(あまぶき)酒造の酒造り日記

”現場”が一番!

2007-03-16 16:34:36 | もとやん
皆の衆、ひさしぶりじゃのう。元気にしておったかの?インフルエンザが一ヶ月遅れで流行しているようなので皆も気をつけるようにの。
蔵の中は特定名称酒の仕込みも終わり、仕込んだ醪の上槽と、普通酒の仕込みの最中なのじゃ。上槽の時期のタイミングは、けいこさんの分析値と醪の状ぼう(香り、味、面、発酵音など)を加味して決まるのじゃ。いわば機械と人間の五官の融合とでも言おうかの。
そういえば、桜の開花時期が一週間以上遅れるそうじゃの。桜のつぼみは見らずに、コンピューターの数字ばかりみていたそうじゃの。



山廃 20日目と12日目だ!

2007-02-15 18:00:09 | もとやん
皆の衆、元気かな?わしの住んでる町にはもう春一番が吹いたぞ。それに蔵の庭先の梅の木も白い花をつけたぞ。これも地球温暖化の影響かの~。
さて、今日の蔵は目が回る忙しさじゃったぞ。こうじやんは昨日から麹の”泊まり”あけで疲れたろうの~。冗談も少なかったの~。
さて、わしの管理しておる山廃酛も無事酵母添加も終わり、これから増殖に向けての暖気操作じゃ。・・・・詳細はまた報告するぞ。

山廃 純米吟醸仕込み

2007-01-27 17:54:54 | もとやん
皆の衆、久しぶりじゃ。元気かな?わしが住んでる町でも今日、明日は雪が積もるとニュースでは話していたぞ。
さていよいよ今日、純米吟醸山廃仕込み”サ‐36”号の仕込みを行ったのじゃ。
   使用米・・・山田錦55%精米。   酵母・・・ND-4
   AM8:00・・・前日より冷却の汲水と麹米にて水麹。品温4.1℃。
   AM9:00・・・蒸米を放熱後冷蔵庫にてさらに冷却。1時間後9.1℃まで下がる。
          仕込み温度5.1℃。
   PM15:00・・・汲みかけを行う。(仕込み後蒸米が仕込水を吸収して上の部分は水
          分が無い状態なので、下に貯まった水分を汲んで上にかける作業。
          水に溶け出した酵素の作用を受けやすくし糖化を促進させると同時
          に温度の均一化と品温の降下が目的。)
そうなのじゃ!仕込み温度が低すぎたのじゃ!これから活躍してもらわねばならない”硝酸還元菌”と乳酸菌たちが寒すぎて元気がなくなるかもしれないのじゃ~!
この画像は手酛と言って仕込み後均一にする為によ~くまぜまぜしているところじゃ。


酒蔵でワイン?

2007-01-17 14:18:37 | もとやん
皆の衆、元気かな?わしのところの蔵は酒造りの最盛期を迎えておるぞ。今日は朝から酛水麹~酛管理~搾り~酛立ての作業なのじゃ。
この絵は”ケ-15号”の搾りたてのお酒なのじゃ。黒米を使用した赤い日本酒の誕生なのじゃ。ワインと同じ”アントシアニン”が含まれており、体にも大変よいのじゃ。
祝いごとには、ワイングラスに注いだ”赤い日本酒”で乾杯もどうかな!
さて、1月末には純米吟醸”山廃仕込み”の酛立てを行うのじゃ。搾りまでの2か月間報告させてもらうのでよろしく頼むのう!

地下貯蔵庫

2007-01-14 14:07:52 | もとやん
わしの蔵には昭和の初め頃造られた地下貯蔵庫があるのじゃ。
冷房装置が無かった時代、原酒を夏の暑さから守り、品質向上のために造られたのじゃ。
光と温度は品質の劣化を招くのだ。
鉄筋コンクリートの屋根には2メートル前後の厚さ土が盛られ、直射日光をさえぎり、涼しさを保っており、真夏でも涼しい温度帯なのじゃ。
春に搾られた原酒は春、夏、秋と時間の経過と共に美味しさを増していくのじゃ。
これを”熟成”というのじゃ。出来上がったばかりの新酒も良いが、時を経て熟成した日本酒は味に深みと複雑さがあり、あらためて日本酒と日本人、そしてお米との関係を感じるのじゃ。
PS:うちのこうじやんは、古酒マニアなのじゃ。

洗米

2007-01-09 15:15:20 | もとやん
皆の衆、元気でおるかな?人生は短い。仕事に遊びに楽しむことじゃ。Enjoy Your Life!
いよいよ1月に入り、酒造りも本番を迎えるぞ。わしのところの蔵では二日に一本のペースで仕込みを行っていくのじゃ。気温が低く空気が乾燥して雑菌が少ないこの季節に集中して一年分の日本酒をつくるのじゃ。
原料の米は精米直後は温度が高く、乾燥しておるので一ヶ月位放置して水分を戻すのじゃ。その米をこれからは毎日洗米するのじゃ。ただし家庭の洗米とはちがうのじゃ。
'限定吸水”といっての130%前後の吸水率にするのじゃ。麹米、掛米など使用する米で1%単位で吸水率を変えるのじゃ。過去のデータと米を見ながら秒単位で米を水から上げるのじゃぞ。

このポーズは???

2006-12-30 14:44:04 | もとやん
皆の衆、久しぶりじゃな。元気でおったかな?わしの町にもようやく‘北風小僧の寒太郎‘がやってきたぞ。これからの季節、仕事の後の一杯はやはり日本酒じゃぞ。それも熱燗じゃ。燗の温度は45℃位かの。お猪口に注いで40~42℃のぬるめの燗、さかなはこの季節、甘鯛の煮付けなどはどうかの~。体の中から暖まり疲れもストレスも吹き飛ぶこと間違いなしじゃ。そして隣にはステキな話し相手がおれば・・・・さて本題に入るとしよう。 わしの手を離れていった山廃酒母もぶちょ~、こうじやん、みんなの力のおかげで12/27に‘山廃仕込み,純米酒‘として誕生したのじゃ。日本酒度+2.9,酸度2、アミノ酸1.6 芳醇な味と乳酸菌が醸した酸味で爽快なキレも感じられるぞ!この画は愛用の手ぬぐいを落としたので必死に拾っておるところ?違うぞ~これはの、槽積といい醪を袋に入れて上槽するところじゃ。このステンレスの槽の中に袋を積み重ねていくのじゃ。これはその1段目の絵なのじゃ。


山廃

2006-12-05 18:03:09 | もとやん
皆の衆、久しぶりじゃの~。
元気にしておったかな?

ところで、ワシが育てた山廃酒母も無事33日目で完成し、親タンクにて仕込み後、4日目なのじゃ。
いよいよこれからが酒造りの最終章なのじゃ。
この親タンクの醪の中で、今までの洗米、麹、酒母等の全ての努力の結果が決まるのじゃ。

このタンクの中で何が起こっているのかといえばじゃ、麹が造った酵素が蒸米のデンプンを分解し、ブドウ糖に変える糖化と、そのブドウ糖を酵母が食べてアルコールと炭酸ガスなどを発生する発酵が同時並行的に行われているのじゃ。
これを並行複発酵といい、世界の中の醸造法の中でも日本酒だけの複雑で繊細な技術なのじゃー!

この画像は4日目で、糖化と発酵のバランスをとる為に適量の水を追加する「追い水」という操作じゃ。

宇宙船艦ヤマトは地球に放射能除去装置(コスモクリーナー)を持ち帰っている途中である。
ワープを使え、ワープじゃ。波動エンジン最大出力!!!





山廃 暖気22

2006-11-22 18:48:01 | もとやん
皆の衆、元気でおるかな。健康な体あっての人生じゃ。あまり無理をしちゃいかんぞ。
さてさて 山廃酒母も暖気入れ22日目となり本格的な’湧き付き’になったぞよ。(この絵は酵母が盛んに増殖をしておるところじゃ。) ここで山廃酒母の'内容’を打ち明けるとするかのう。
   酒母記号・・ノー1号   品種・・美山錦   精米歩合・・65%
   使用酵母・・蔓薔薇の花
出来上がりの酒の味は、美山錦からのふくよかな味と上品で控えめな香り、それでいて後を引かない爽やかさをめざしておるのじゃ。 山廃酒母も後1週間もせずに完成じゃ。そしてそこからはいよいよ仕込みに入る。宇宙戦艦ヤマト風に言うとじゃな ”さあヤマト、地球が待っている。ワープじゃ、ワープを使うのじゃ!”みたいな感じかの。
では、さらばじゃ。

山廃 暖気19

2006-11-19 13:06:34 | もとやん
皆の衆、久しぶりじゃの。紅葉前線がわしの町までやってきたようで、山々も色付き始めたこの頃じゃ。
さて、山廃酒母も今日で暖気入れ19日目となった。酵母添加から5日目、今日ようやく’ふくれ兆候‘が見られたのじゃ。この5日間は本当に気をもんだぞ。出張中の‘ぶちょー’にも相談したのじゃ。この絵は暖気の回り(温度30℃~40℃)で酵母が盛んに増殖しているところじゃ。
今日の分析結果    品温・・15.3℃   ボーメ・・16.1
           酸度・・6.2
宇宙戦艦ヤマトもついにイスカンダル星に到着。そして'スターシャ’に出会ったのじゃ。ヤマト、放射能除去装置を早く地球に持ち帰るのじゃ!