クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

深夜に参拝する鶴岡八幡宮は? ―1人さんぽ―

2014年08月18日 | 歴史さんぽ部屋
夜の湘南に行った帰りに立ち寄った鶴岡八幡宮。
9時で境内の立ち入りは禁止だから、
ちょっと離れたところで参拝する。

さすがに観光客の姿はない。
時計を見ると、針は深夜零時近くを指している。
この時間帯に団体客がぞろぞろ歩いていたらちょっと恐いかもしれない。
ナイトツアーもいいところだ。

しかし、人の姿が全くないというわけではない。
参拝している人を何人か見掛けた。
さすがは鎌倉幕府の守護神。
現代でも心から崇拝している人は多いだろう。

永禄4年(1561)に、上杉謙信の関東管領譲渡式が行われたのも鶴岡八幡宮だ。
上杉家の名跡も継ぎ、長尾景虎から上杉政虎に名を改めた。
ここから上杉謙信の新たな幕が開く。

ちなみに、鶴岡八幡宮において、
忍城主成田長泰が謙信から打擲された事件は広く知られている。
馬から下り、拝賀の礼を尽くす関東諸将の中で、長泰だけは馬上で謙信を迎える。
それが成田家の最高の礼としたのだが、謙信はこれを許さない。
長泰を馬から引きずり下ろし、打擲したと伝えられる。

後世の創作と言われるエピソードだが、長泰が鶴岡八幡宮にいたことは確かだろう。
羽生城主広田直繁や木戸忠朝の姿もあった。
関東諸将が見守る中、鶴岡八幡宮で謙信は関東管領となったのだ。

かつて羽生城主がこの場にいたかと思うと感慨深い。
4百年以上も前の時代に想いを馳せる。
深夜零時に、夜闇に包まれる鶴岡八幡宮で……。
コメント
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