「BBB」

BASEBALL馬鹿 BLOG

居酒屋さすらい 0758 - 自販機の角打ち - 「食安商店」(千代田区有楽町)

2014-06-24 18:37:12 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

帝国ホテルに向かう途中、何気なしに有楽町のガード下を覗いた。

「食安商店」。

日の基酒場の隣り、自販機だらけの一角である。

一瞬、自販機の影に人がモノを売っている光景が見えた。

目の錯覚かと思って、思わず足を止め、少し戻って確かめてみた。

すると、それは目の錯覚ではなく、確かにモノを売っている人がいたのである。

 

「何を売っているのだろう」。

そう思って、例の一角に近づいてみると、その売り場はちょっとしたスナックを販売していた。

「これって、もしかすると角打ちだったのか」。

 

わたしはかつて、この一角を自販機のある休憩所だと思っていた。

だが、そうではなかった。

酒は販売機で販売し、おつまみをお店で提供するお店だったのだ。

 

早速、その一角に立ち入り、自販機でキリンラガーを購入する。

もちろん、小売価格。350mlで240円だ。

 

ビールを買って、スナックに進む。壁をくり抜いただけの販売コーナー。所狭しとつまみが並ぶ。

その様はまるでキオスクだ。

6P入りのチーズが、ひとつ60円で売られている。

わたしは、それを購入して、ビールのプルタブを開けた。

グビッと一口飲んで、チーズをかじる。

うまい。

 

果たして、この店を立ち飲み屋と呼んでいいのだろうか。

よく、コンビニの前でたむろするおっさんらがいる。酒とつまみを買って、店舗の外で立ち飲む。

このコンビニは立ち飲みではない。何故ならば、店側が立ち飲みを想定する設備をお客に与えていないからである。つまり、お客が勝手に立ち飲んでいるのだ。

これを頼りに立ち飲みを検証すると、「食安商店」は明らかに立ち飲みだ。

ひとつは、一応店内で酒を飲む。もうひとつは店内には白いテーブルが設備されている。それが立ち飲みである動かぬ理由といえる。

テーブルはあるが、椅子はない。したがって、お客は必然的に立ち飲みとなるわけだ。

 

お客はかなり多い。10坪に満たないスペースに10人以上はいる。その多くはホワイトカラーだが、半分は素性の知れぬ怪しいおっさんだ。

夜のとばりが早くも下りつつ、しかしながら人の流れは絶えない。

北側にはビックカメラ。線路を挟んだ東側は再開発され、イトシアが賑やかさを見せるものの、この一角だけは戦後から時計が止まったままのようだ。

こぎれいなOLたちは、心なしかこの一角を避けるように通り過ぎる。

ステンレスの長テーブルと土間。コンクリートはもはや真っ黒になり、膨大な時間が過ぎていったことは容易に想像がつく。

 

わたしは、ワンカップを買って、「柿の種」を購入した。

ワンカップは「沢の鶴」(230円)。

たった300円の酒宴。

ここでくつろいだ者しか分からない贅沢な時間である。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 遺構へ行こう - 博物館動物... | トップ | 旅するランチ 023 - カレーラ... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すげーなー (ふらいんぐふりーまん)
2014-06-26 13:52:52

 時として東京も、こういうディープな店が現れる時があるんだよなあ。しかし、この立ち飲み屋は凄い。ディープというより、シュールな感じすらするよ。

 そして、こんな店に入って立ち飲み、くつろげてしまう師・・・。天性の酒飲みなんだなと、俺は思うんだよ。

 そうしてこうも思う。「師よ、飲み過ぎんなよ。」と・・・。

返信する
Unknown (熊猫)
2014-06-26 18:05:57
昭和30年代、40年代の香りがプンプンするお店だよ。
いや、お店の形態をなしていないとも思う。
扉はなく、オープンエアだ。
夜間は扉が閉まるのだろうか。

たしかに、画像を撮ったと記憶しているんだけど、見当たらない。
ぜひ、店の外観も見て、その雰囲気だけでも味わってほしかった。

飲み過ぎの忠告、ありがとう。
自重するように心がけてるよ。
返信する

コメントを投稿