お風呂放浪記NO.04 ～ウエル サンピア敦賀～（敦賀市呉羽町）

　悪名高い「ウエル サンピア」に行った。場所は福井県の敦賀市。
　敦賀駅からタクシーで10分のところだ。
　その建物の立派なこと。立派なこと。
　建物に入るとホテルのようにフロントがあり、数人の職員が働いている。
　この施設には、様々な設備があるらしい。そのひとつに公衆浴場があった。

　仕事を終え、懇親会でしこたま酒を飲んだ後で、入浴してみることにした。

　入浴料は５００円。タオルを持ち合わせていなかったわたしは別途２００円でタオルを買った。タオルの他、髭剃りも付いていると券売機のボタンに記されていたが、髭剃りは頂けなかった。別に必要もないので、何も言わなかったが…。

　脱衣所には、泉質や成分などを掲示する表示は見当たらなかった。ウチに帰って、インターネットで調べてみると、「人工光明石温泉」と記されていた。なんのことだかさっぱり分からなかったが、どうやら天然ではないようだ。
　だが、あるページではこのように書かれていた。
「自然界に存在する放射性元素を含む天然鉱石の中で、最もイオン化作用（生体活性作用）の強いとされる薬石"光明石"
【医薬部外品承認番号（43Ｄ）第251号】を主たる泉源体としてできたものです」

　なんだか、いかにも本当の効果があるように書かれているのだが…。


　風呂の入り方として、酩酊時の入浴ってどうなんだろうか。
　余計な発汗はするし、気持ち悪くなるし、だいいち多分体にはよくないのだろう。

　だが、わたしにとっては必要なプロセスだった。
　入浴後、わたしは敦賀の町に繰り出し酒を飲もうとしていたからだ。

　だが、実際わたしはもはや役立たずであった。
　アサヒスーパードライと麦焼酎ロックを５杯飲んだところで、わたしの雌雄は決していた。

　メインの風呂に浸かり、サウナに３分入ったところで、ふらふらになっていたからだ。
　ジェットバスや、日替わり風呂と称した「桜」の風呂にはもう入る気がしなかったからだ。

　やはり、風呂は酩酊前がいい。
　風呂上りに飲んで、そのまま寝床にバタンキューが断然いい。

　ちなみに、来年には、この施設は競売にかかるらしい。
　タクシーの運転手がそう言っていた。
　けっこう、繁盛している施設らしく、恐らくお風呂も残され、営業は続けるのではないかと個人的には思っている。