11時には仕事を終え、ボクはブルワリーに向かった。
迷うことなく。なにしろ、この日も37度近くまで気温があがった。まだ6月も4日だというのに。もう絶好のビール日和である。
北の大地にあるオホーツクビールは1994年の酒税法改正以降のマイクロブルワリー第一号。あのエチゴビールとともに。
そのオホーツクビールを飲むことができる。ようやく。
ようやく、スタートラインに着いたような気さえする。
醸造所に併設されたレストランは立派だった。ある意味、立派すぎるとも思った。1階2階合わせると200席もあるという。地域のビアパブではなく、観光用のビアレストランだったからだ。
11時半に着いた店には、客はいなかった。
店が開店しているのかすら分からなかった。ボクは思わず、「開いていますか」と聞いたほどだった。そうして、ちょっとかしこまった少し高そうなテーブルに着いた。ランチョンマットが用意されたテーブルに。
高級そうな店に少し戸惑ったが、ビールは高くなかった。
タンブラーのドラフトが、450円で飲める。これはうれしい。今も昔もクラフトビールは高いと相場が決まっている。どんなブルワリーでもタンブラーで700円はするだろう。
それが1杯500円を割るとは。
まずはピルスナーから。うまい。本当にうまい。酵母が生きている。
若干の雑味があるが、かえってそれがいい。
次にヴァイツェン。クラフトビールにおけるバイスビールはひとつのハイライトである。北の大地で飲むホワイトビールはまさに白い恋人。バナナ風味ともいえるエステル臭が心地よい。おいしい。
つまみは「北見塩焼きそば」(900円)。
世のご当地グルメは焼きそばばっか。それでも目の前に現れた鉄板に一瞬目が点になる。
すげえ。
しかも、トッピングにホタテ。
こんな焼きそば見たことないぜ。
ごくごく。ビール、焼きそば、焼きそば、ビール。ごくごく。
なんとうまいのか。
何故うまいのか。
その秘密は小麦にあるのではないだろうか。ビールは北見市に隣接する瑞野町の二条大麦を使用し、焼きそばの麺も恐らく同じものを使っているのだろう。その国産の小麦、地産地消のアイデアが鮮度を保ったそのままで食べられるというのが、このおいしさに繋がっているのではないだろうか。
つまり、新鮮。鮮度が違うのだ。
ナショナルブランドの某ビールが盛んに鮮度の違いを強調するが、いやいやそんな工場出荷から3日とかってちゃんちゃら話にもならない。
最後に「ケルシュ」をいただいた。厳密に言えばケルシュ風。
フルフル、フルーティー。もうその一言に尽きる。
東京でもクラフトビールのビアパブが増えてきたが、クラフトビールは断然地元で飲まなければ意味がない。酵母と鮮度は旅などできないのだ。
なお、クラフトビール飲みの北限を更新した。これまで熊猫は小樽の「フィッシャーマンズハーバー」が北限だったが、北緯43度の「オホーツクビール」が更新した。また「居酒屋さすらい」の北限と東限もそれぞれ更新した。
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