カレーの奥が深いのは、必ずしも専門店だけでなく、多岐に渡る店舗で共されるからだろね。
だって、喫茶店をはじめ、定食屋、居酒屋にだってあるし、蕎麦屋にある場合も。中には、本職顔負けのカレーをこしらえる店もある。カレーさすらひ人は、その一つひとつを拾いあげていきたいと思う。
昔、浜松町に会社があった時、大門の近所に、よく行く居酒屋があって、あそこで食べた「夏カレー」がうまかったこと。夏野菜で煮込んだカレーだけでなく、カレーソースが冷たくて、でもおいしくて。あの意表をついたカレーが、今や懐かしい。
秋葉原はカレーの町だという。確かに。
多分、無造作にカレーが食べられる町だと思う。無造作に、というと語弊があるかもしれない。でも、多分ほぼどこに行っても、アキバはカレーが食べられるのだ。
電気街口の「ヴィ・ド・フランス」に行って、そう確信した。言うまでもなく、「ヴィ・ド・フランス」は、パン屋さんである。けれど、アキバの電気街口にある「ヴィ・ド・フランス」は、ちと違う。喫茶機能が手厚い。いや、むしろ喫茶店にパン屋が併設されているみたい。
その「ヴィ・ド・フランス」には、カレーがラインナップされている。しかも、1種類どころじゃない。シーズンによって違うが、5種類や6種類になることも。
「ポークカレー」の500円を筆頭に、リーズナブルだ。
久しぶりに、「ヴィ・ド・フランス」の「コロッケカレー」(537円)が食べたくなった。「AKBカフェ」や「ガンダムカフェ」を目の前にするものの、「ヴィ・ド・フランス」は、比較的落ち着いている。
「コロッケカレー」は白亜のプレートに、美しく盛り付けらて出てきた。褐色のカレーソースとのコントラストが美しい。白いごはんの上にでんと乗っかるコロッケに息を飲む。
どこをどうみても、和カレーだった。
この店である程度、フレンチのカレーが出てくるのを期待したのだが。一縷の希望として。例えば、フォンで煮込んだカレーとか。ワインを隠し味にしたカレーとかさ。
一口スプーンですくって食べてみる。
うん。和カレーだ。トロリとした正真正銘の日本カレーだ。
コロッケがさも主役のように、振る舞っているが、それは違う。その大きさ故に、一瞬主演者のようだが、あくまでも脇役だ。何故なら、ごはん、ごはん、コロッケ、ごはんと、口に運ぶ頻度は3回に1回だ。
微かに、パンを焼く、香ばしい香りがする。多分、焼きたてのパンの匂いをかぎながら、カレーが食べられるのは、日本広しといえども、そんなに多くはないと思う。
ちょっと得した気分になるカレーだ。
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