4時近くなって本日の宿、浜名湖弁天島にある海賀荘に向えば、道中はバイパスが完成していて浜松市内を通過しないためスムースに目的地に到着。宿に入るまえに舞阪港にある勝手知ったる魚屋の前をわざわざ通れば、看板に本日のオススメもちカツオありますと、これは期待できるでしょう。
この宿は浜名湖の湖畔に建つ和風旅館で、天気が良ければ冒頭写真のように美しい夕景が眺められる。昨年11月に泊まってドウマン蟹などの料理に大満足したから、女房が好きなカツオの時期にもと。 到着後まずは風呂ということだが、大小二つある風呂は客数が少ない場合大きなほうを交代で家族風呂として使えるように便宜を図ってくれるから少しばかり待つ。この前は11月で寒かったから室内風呂と思っていたが、今回は気候もいいからと2方向の全面サッシが開放され、内庭を臨む露天風呂風になっていて、浴槽は石も上手く使っているから温泉でなくても気持ちがいい。これで24H入れるというのは小さな旅館なのに勿体ないくらいだね。
泊り客は3組だけだったが宴会だけの客もあったようで1F食事処は一杯らしく、我々の食事は空いている2F客室となった。前菜、お造り、鍋、創作の一品、焼物、揚物、煮物と続き最後の御飯はもう食べられません。やはり朝獲れのカツオは首都圏で食べるものとは全く別物、女房もその歯応えにはビックリ、どうじゃこれが本当のカツオだ、我が故郷浜松では朝に釣った魚をその夜に食べるという贅沢は僕が子供の頃は当り前だったのだ。グリッとした身を噛みこめばモッチリした食感になってまさにもちカツオ、皮を残したまま食べる雌節のほうはコリッとした固さも加わって絶品ですなぁ。我家では昔はこのような品の良い切身じゃなくて、照焼にするような大きな切身をタップリ醤油の中に入れてかぶりついたものだ。
さらに玉子寄せという料理、ウニと蟹肉とシイタケを固めの茶碗蒸し風にまとめて餡かけをした一品はなんとも美味しかった、ちょっと温海温泉桂屋のウニ焼に似た味わいであるが品の良さより味の複雑さを強調している。酒はビール大瓶に花の舞冷酒で、もう満足満足と腹が張れば瞼が緩むと気持ち良くなって寝てしまう。
翌朝は5時半に大きなほうの風呂でゆっくりと、風がさわやかで明るくなった庭もいい風情だねぇ、8時からの朝食までに2回も入ってしまう。朝食は1Fの食事処、大きな鮭はこの前と同じで、焼海苔と納豆などが無いのがここの流儀らしい。中でも角プレート皿にあった洋風な炒め煮風の野菜はトマトを抜いて汁気を無くしたラタトゥイユ風で不思議な味わいで美味しかった。どういう料理か聞いたら、野菜を素揚げし出汁に浸して冷したものを洋風ドレッシングで合えたものだそうだ。女房はこれはすぐに真似して作ってみようと、またオハコがひとつ増えるかな。