般若心経

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般若心経

2020-10-31 | Weblog

 ツタ

 今の家を建てたとき、壁面にツタを這わせれば自然の断熱材になる、という話を大工さんから聞きました。土壁に焼き板をはり付けた西側の壁の内側は押入れになっており、夏の午後には戸を開けるとムッとする熱気で満たされていました。
そこでホームセンタからツタの苗を5本買ってきて植え付けました。最初のうちは大丈夫かなと思っていた細い苗も数年後から急に勢いづき、10年もたつと2階まで広がり壁全面が緑に覆われ、見た感じもよく、またその効果はてきめんで押入れの中の以前の熱気はうそのようになくなりました。
 しかし、その喜びも束の間のこと、どんどんと伸びるツタは勢いが止まることなく2階の軒下からさらに屋根の上まで伸びようとしています。樋を越えるようになれば、雨水が伝って壁に落ちてきます。それからよく見るとツタは焼き板の隙間から中に入り込んで、ツルを延ばし次第に太くなり、板を持ち上げています。このままでは板がはがれてしまいます。
軒下を越えるツルや板の中に潜り込んでいるツルは小まめに切り取れば問題ないのですが、足場でも組まなければとても手入れはできません。
これでは維持てきないと10年ほど前に一度全部を刈り取りました。
このとき1本だけ根元を残していました。思い出の一部となったツタをきれいに取り払うにはちょっと忍びなく、また記念の印にと思っていました。
 それから10年たった今、この記念の印がまたずんずんと伸び広がり、、一部は2階の屋根にまで達し、また板の中に入り込み、板を持ち上げています。エアコンの室外機の中にも入り込んでいます。
先日また壁面のほとんどを刈り取りました。
今回も一部だけ残しておきました。
 10年毎のイベントになりそうです。