小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

ゴロワーズという煙草、アッシジというイタ飯屋

2012年09月17日 | エッセイ・コラム

 

 筆に随う。
 かつてマルチェロ・マストロヤンニがカミュの「異邦人」のムルソーを演じた。たぶん40歳過ぎで、「甘い生活」や「ひまわり」よりもずっと後。
 この映画をいつどこで見たのか記憶にない。(1970年代)「異邦人」は私としては珍しくを2回読んだが、映画はマストロヤンニなので逡巡したがヴィスコンティだからみた。
 いまでも印象に残っているシーン。マストロヤンニの水着。彼が海辺でどんな水着をきていたか、わたしはなぜか書きたくない。
 もうひとつがムルソーが煙草を吸っていて(明け方だったかな)、その紫煙の美しさ。
 この世で初めて見るような煙という「ゆらぎ」の不思議な存在感と、その独特の青みの色彩(紫ではない)が焼きついた。
そしてベッドサイドの机に置かれたパッケージの色は青。黒いインクのGAULOISESのロゴ、それがゴロワーズという煙草。
 翌日かその次の日か、銀座の専門店に買いに行った。フランスのピースだと思った。語源は思い出せない。堀江敏幸が書いていたか?
 それからしばらくというより4,5年ぐらいたってから、かまやつひろしが「ゴロワーズという煙草を吸ったことがあるかい」という曲を歌っていて(どこでだか、忘れた)、かまやつひろしを見直した。曲調がおしゃれでギターのリフも凝っている。それに歌詞がラップなのだ。
 私はカラオケが嫌いだが、理由あって年に2,3回行くことがある。私が歌うのは網走番外地が精いっぱいであるが、興に乗るとときたま「ゴロワーズという煙草を吸ったことがあるかい」を歌うことがある。まわりが不思議な顔になるのが面白い。

その次の話題。
いま、若い人のバンドで私が好きなのはTOE。

Toe - After image 

2番目がZAZENBOYS。このリーダーが向井秀徳。(昔ナンバーガールというバンドをやっていて注目していた)
で、最近ユーチューブをいろいろ見ていたらZAZENBOYSとかまやつひろしが「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」をライブでヤッテいた。
ZAZEN BOYS & ムッシュかまやつ - ゴロワーズを吸ったことがあるかい

 で、そのつぎのはなし。  「assisi」アッシジというイタ飯屋さん。ご主人がZAZENBOYSの向井秀徳にとても似ている。去年の暮れに神楽坂から千駄木に引っ越してきた。
ここのイタリア料理がなんとも美味。特にランチはおすすめ。千円ぐらいでサラダ、スープ、メインディッシュ、デザート、ドリンクのフルコース。(*)
そのすべてが旨い。野菜は千葉産の有機もの。魚介は伊豆から。ワインのチョイス申し分ない。
料理もすべて安くて極上だが、向井秀徳似のご主人は元ロックミュージシャン。マジカルパワーマコという知る人ぞ知るバンドのドラマーだった。
 家内がアナログレコードを4枚もっていてご主人に驚かれた。店内にジミヘンやピンクフロイドのポスターを貼ったり、パンクの写真集をさりげなく置いてある。
しかし、店内の雰囲気はお洒落でセンスがいい。女性客が多いのもうなずける。

(*)追々記:現在、フルコースはやっていない。悪しからず(2012.12月)

再追記:「assisi」さんはその後、閉店となりました。その後、白金に移転したが、現在は情報なし。残念至極。


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