小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

幸福であるとは

2020年06月29日 | エッセイ・コラム
長田弘という詩人の「短い人生」という詩の第1連は、こう書かれている(詩集『黙されたことば』より)。 幸福とは、何一つ私有しないことである。自分のものといえるものは何もない。部屋一つ、机一つ、自分のものではなかった。 これは長田が音楽家シューベルトの生涯を詩として表現したもの。「現在を聡明に楽しむ。それだけでいい。無にはじまって無に終わる。それが音楽だ。」ともあるように、音楽がもたらす至上の歓び . . . 本文を読む