こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『さやかに星はきらめき』村山早紀

2024-01-21 20:35:30 | 読書感想
 
遠い昔まだ西暦が使われていた時代に、地球全体を襲った天変地異とそれをきっかけとした戦争などにより、地表は放射能に侵され、生物兵器のウイルスが蔓延し、そこここに毒ガスが漂う、二度と生き物の住めないような星になってしまった。

ただ運よくその時代の宇宙開発は宇宙に飛び立ち地球を離れて暮らせるほどのレベルには達していたので、人類のうち生き延びた者たちが地球を後にし月と地球を回る宇宙ステーションを本拠地に、近傍の惑星や衛星を住めるように開発しつつ宇宙に出ていくようになった。
同時に一緒に連れていた犬や猫なども進化して、イヌビト、ネコビトとしてヒトと共に暮らすようになった。

そしてこの物語は、月に住むネコビトのキャサリンが新聞社の記念事業として興された出版社において”人類すべてへの贈り物となるような本”を作るようになった事から始まります。
人類が宇宙に出て行ったあちらこちらで、もしかしたら起こった現実かもしれない伝説の物語たち。
それは切なくも温かく優しく美しく、心の中に染み渡るような素敵な物語でありつつも、現代に生きる私たちは子孫にこのような思いをさせてはならないという戒めの物語でもあると感じました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ドードー鳥と孤独鳥』川端裕人 | トップ | 『からさんの家 まひろの章... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書感想」カテゴリの最新記事