鎌倉の隠者

日本画家、詩人、鎌倉の鬼門守護職、甲士三郎の隠者生活

83 花精の茶会

2019-04-04 15:59:35 | 日記
昨春は抹茶の野点をご披露したので、今年は紅茶で野辺の花精達と惜春のティーパーティーにしよう。
庭ではないのでガーデンティーとは言えずフィールドティーとでも言うべきか。
お気に入りのカップと家で入れたミルクティーを保温ポットで持って行けば楽なので、近所に良い場所があれば皆も是非試してほしい。
これまで見過ごしてきた小さな花や、運良く花精の気配を感じられるかも知れない。

ありふれたウエッジウッドも野に置くと伝統の品の良い色合いが生きるので、今日は花の精のために薄紅色を、隠者には浅葱色のカップをアンティークブラスのトレイに乗せて用意した。
当初のプランは我が狭庭の三種の椿に囲まれた所に小テーブルを持ち出してガーデンティーと思っていたのが、今年は花付きが悪く開花時期も三種がずれて上手く行かなかったのだ。
草地にトレイだけで良いのかと危惧していたが、踊子草の可憐さで救われたようだ。
隠者の夢幻界の花精は大抵この踊子草から具現化するのだが、皆の好みはどの花だろうか。

缶コーヒーやペットボトルでも洒落たボトルカバーでもかければ様にはなるので、皆それぞれのお好のティーパーティーで花々達と春を惜しむと良い。
惜春のBGMはティーパーティーにクラシックだと月並な貴族趣味に陥りそうなので、ここはフランスの誇るララ ファビアンの哀感溢れる名曲「ブロークンボウ」だ。
もう少し経って春も名残ともなれば、同じララのアダージョあたりも良い。


(猫神像 江戸時代 探神院蔵)
散歩がてら付いて来た我家の猫神様も、野遊びにご機嫌だ。
---猫神に踊子草の侍る古都---

©︎甲士三郎